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業界人の《ことば》から 第272回

aiboはソニーがAIとロボティクスに取り組む始まりの作品

2017年11月22日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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AI×ロボティクスに注力するソニー

 会見では、平井社長が、「おいで、aibo!」と呼ぶと、3台のaiboが登場し、平井社長の方に向かって可愛らしく歩いてきた。

 ソニー 執行役員 ビジネスエグゼクティブ AIロボティクスビジネスグループ長の川西泉氏は「技術的、能動的に人に近づき、人に寄り添うプロダクトを作るのがaiboの狙い。人との物理的な距離がもっとも近い、ライス・ワン・インチを超える、ラスト・ゼロ・インチを実現するのがaiboの目指した世界である」と語る。そして、新たに誕生するaiboの特徴は「愛らしさ」「知的認識」「表現力」「学習・育成」の4点に集約し、それらの観点から開発を推進。「ソニーで唯一、自律的に人に近づき、人に寄り添うロボットである」と位置づけた。

 ソニーは、ここにきて、「AI×ロボティクス」の取り組みに積極的だ。

 平井社長は「ソニーのAI、ロボティクス技術の出口は、家庭での生活をより便利に、快適に、楽しくする要素に加えて、宇宙への利用など広範な領域にかかっていると見ており、これらの事業創出を加速するために必要な技術や人材への投資を積極化してきた」と語る。

 2016年5月には、米国の最先端AIのスタートアップ企業であるCogitai(コジタイ)への出資と提携をし、Cogitaiが持つ深層強化学習(ディープ・リインフォースメント・ラーニング)を応用した新たなAIの共同開発を進めている。

 また、2016年夏に設立したコーポレートベンチャーキャピタルであるソニーイノベーションファンドは、AI、ロボティクスをはじめとした領域において、外部の優れた研究者やスタートアップとの協業をグローバルに推進することになる。さらに2017年5月には、AI技術で人間社会に貢献することを目的にして、AmazonやGoogle、Facebook、IBM、Microsoftなどが設立したPartnership on AIに、日本企業としては初めて参加した。

 2017年6月には深層学習のプログラミングを生成する「コアライブリラリー:Neural Network Libraries」をオープンソース化し、2017年8月には、直感的なGUIで開発できる「コンソールソフトウェア:Neural Network Console」の無償提供も開始した。これらは、多くのデザイナーやエンジニアがAI開発に取り組む環境を提供することにつながり、「新たな技術を開発する環境を提供する点でも、ソニーはリーダーの1社として貢献していく」と胸を張った。

 また「ソニーはこれらの技術を自社の製品やサービスに搭載して、お客様に新たな体験をしていただくことを積極化している」とし、テジタルカメラの「αシリーズ」や「サイバーショット」、スマートフォンの「Xperia」などに、自社のAI技術を搭載していることを明らかにしている。10月半ばに発売したソニーモバイルの「Xperia Hello!」は、家族の一員をコンセプトに開発したコミュニケーションロボットであり、ここにもAIが採用されていると述べた。

 加えて、ZMPとの合弁会社であるエアロセンスを通じて、センシングや通信ネットワーク、ロボットの技術を使って、ドローンによる測量、調査などを提供。10月にはAI、センシング、高解像度ディスプレーといった様々なソニーの技術を盛り込んだニューコンセプトカート「SC-1」の試作開発についても発表している。

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