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格安スマホ・デビューのコツ、契約先は「料金以外」で選べ!

2017年11月16日 06時00分更新

文● 石川温(ダイヤモンド・オンライン

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MVNOへ乗り換える時の解除料や手数料がどれくらいかかるかは気になるところ。契約内容によっては更新月でない時に乗り換えても契約解除料がかからない、あるいは減額されるケースがあることも!(写真はイメージです)

今やビジネスでもプライベートでも、格安スマホを使う人が増えている。スムーズに「格安スマホデビュー」を飾るには、どうしたらいいのか。2回にわたって格安スマホの選び方、買い方、使い方のポイントを徹底解説する。(スマホジャーナリスト・石川温)

「格安スマホ」の契約数が伸びている。テレビCMやネット広告の影響もあって、総務省が先月に発表した2017年6月末時点の格安スマホ事業者(MVNO)の契約数は、966万となった。

 背景には通信業界特有の事情がある。MVNOは自社で基地局などの通信設備を持っておらず、NTTドコモなどの大手キャリアから通信網を借りている。全国的な店舗のネットワークも持たない。それらによって事業コストを浮かした分、ユーザーに格安でサービスを提供することができる。その料金は従来のスマホと比べて明らかに「おトク」だ。こうした理由で、「格安スマホに乗り換えたい」「新規契約をしたい」という人が急増しているわけだ。

 とはいえ、「興味はあるが、手続きが面倒だ」と、格安スマホデビューに二の足を踏む人も少なくないだろう。スムーズに格安スマホへ乗り換えるためには、どのようなポイントを押さえるべきか。以下で詳しく解説していこう。

どんな基準で
業者を選べばいいか

 まず、「格安スマホを契約したい」と思ったら、どこに行けばいいのだろうか。最も手軽な方法は、近所の家電量販店に出かけることだ。最近では、ほとんどの家電量販店で格安スマホを取り扱っている。家電量販店に足を運ぶと、様々なブランドの「スマホ」を目にすることだろう(下記の図表参照)。

Android OSはグーグルがオープンに提供しており、端末メーカーが比較的自由に参入できる。一方、アップルはi OSを自社のスマホであるi Phone 向けに独自開発している
(注)
BIC SIMやBIGLOBEはau回線かドコモ回線かを選ぶことが可能となっている(ただし、BIGLOBEは一部のプランがドコモ回線)。
J:COMモバイルは、端末とSIMカードセットで契約する場合がau回線、SIMカードのみ契約する場合がドコモ回線。
mineo(関西電力グループ)、QTモバイル(九州電力グループ)、IIJmioの場合、ドコモ回線、au回線のいずれかを選べるのは一部の端末に限る。
U-モバイルはデータ専用のSプランのみソフトバンク回線となっているが、メインがドコモ回線となっているため、ドコモ回線扱いとしている。

 さらに「格安スマホ」事業者の多さに驚くのではないか。総務省によると、MVNOの数は年々増え続け、2017年6月末時点で713社もある(主な事業者は上の図表参照)。

 では、そんな中から、どんな基準で契約する業者を選べばいいのか。

 判断基準として最も現実的なのは、「料金プラン」である。MVNOのほとんどが様々な料金プランを用意しているので、自分の使い方に合ったデータ容量、料金プランを選べばいい。「スマホは孫や子どもと連絡を取るためだけに必要なのでLINEさえ使えればいい」という人であれば、LINEが提供するLINEモバイルがベストとなる。

 格安スマホと言うだけあって、ユーザーが最も重視するのは「安さ」かもしれない。しかし、実は「安さ」で業者を比較するのは難しい。

 MVNOは、キャリア大手3社から回線を借りてサービスを提供しているため、その回線接続料は各社とも同一条件の場合がほとんどだ。つまり、仕入れ値が一緒であるため、どこかのMVNOだけ、飛び抜けて安い料金設定になっているわけではない。また、713社もあると料金競争が激しく、どこかが値下げをすれば、あっという間に横並びになってしまう。よって、MVNOの料金差は多少あるものの、さほど気にする必要はないとされている。MVNOは「料金」で選ぶよりも、むしろそれ以外の視点で選ぶのが得策なのだ。

 そんな中「ポイント」は判断基準の1つとなる。普段から「ポイントを貯めている」という人であれば、楽天スーパーポイントが貯まる楽天モバイルがいいだろう。また、ANAのマイルを貯めている人であれば、IIJmio(アイ・アイ・ジェイ・ミオ)やnuroモバイル (注1)を契約すると、料金の支払いでANAマイルが加算される(注2)

 一方、「家電量販店が近くにない」という人は、近所にあるMVNOの店舗に行ってもいい。最近では、街中で看板を掲げて専門店を出すところも増えてきた。家電量販店のように複数の業者を比較・吟味することはできないが、全国に店舗が多いイオンモバイルや専門ショップ網が充実しているワイモバイルなどと契約すれば、アフターケアの相談にもすぐに行くことができ、便利である。

 また格安スマホはネットでも契約できる。だが初心者にとってはハードルが高いので、いずれにせよ実店舗での契約がおススメだ。

(注1)nuroモバイルの場合、ANAマイレージに関する新規受け付けは12月31日までとなっている。
(注2)他のMVNOと契約しANAやJALのマイルを貯めようと考えている人であれば、月々の支払いをクレジットカード払いにする方法がある。

契約時に確認しておきたい
2つのポイント

 次に、「いざ契約」となった時に確認しておくべきポイントを2つ述べよう。

 1つ目は、現在使っているスマホから他社のMVNOへ乗り換える時の解除料や手数料がどれくらいかかるかだ。

 キャリア大手3社から乗り換える場合を考えると、通常かかるコストは(1)契約解除料(9500円)、(2)MNP転出手数料(2000~3000円)、(3)初期契約手数料(3000円)の3つで、合計約1万5000円前後となる。

 このうち契約解除料には注意が必要だ。キャリア大手3社と契約している場合、多くの人が「2年契約」となっているはずだ。途中で解約すると、(1)の契約解除料が請求されることがあるので、格安スマホにデビューする際には、2年に1回の更新月にタイミングを合わせる方がいいだろう(注3)

 2つ目は、今まで使っていた携帯電話番号をスムーズに引き継げるかどうかである。

 キャリア大手3社などでこれまで使っていた電話番号は、MVNOでもそのまま引き継ぐことが可能だ。MNP(ナンバーポータビリティ)という仕組みを使ってこれまで契約していた事業者に連絡を取り、MNPに必要な予約番号を発行してもらう。MVNOと契約する際にその番号を伝えれば、これまで使っていた携帯電話番号を引き継いで利用できる。

 ここで注意したいのが「MNPの手続きにどれくらい日数がかかるか」という点だ。「即日OK」というところであれば、格安スマホの利用が可能となるが、MVNOによっては手続きに日数が必要なところもある。特にネットから申し込んだ場合は手続きに日数がかかり、その間、電話が使えなくなることもある。MVNOと契約する際、「どれくらい使えなくなる日数があるのか」を予め確認した方がいいだろう。

 ちなみにMNPの予約番号は発行日を含めて15日間が有効期限となっている。更新月の前半に、どのMVNOにデビューしようかという検討を進め、中旬に予約番号を発行し、月末にかけて一気にMVNOとの契約を進めるという流れがオススメだ。

従来のスマホと格安スマホは
どう違うのか?

 さて、ここまでで格安スマホの選び方・買い方の基本を理解できただろう。しかし、晴れてMVNOと契約しても、うっかりしていると思わぬ落とし穴が待っているので、そこを詳しく説明しておこう。従来のスマホと格安スマホでは「使い勝手」が違うところがある。それは「SIMカード」という存在だ。

 格安スマホの端末を入手したからといってすぐに使えると思ってはいけない。なぜなら、契約情報が記録された「SIMカード」(注4)というものを挿入しなくてはならないからだ。実はこれ、従来のスマホの原理も同じである。キャリア大手3社の場合、SIMカードによる契約と端末はセットで取り扱われることがほとんどなので、スマホ端末を購入すれば即座に電話やネットが利用できた。これは、ショップの店員がスマホをすぐに使えるようにSIMカードを挿入し、ネットに接続する設定(注5)をしてくれたからである。

(注3)ただし例外もある。長期間、同じ携帯会社を利用していたユーザー(フューチャーフォン、いわゆるガラケーの利用期間を含む)で、更新月でない時に格安スマホに乗り換えても契約解除料がかからない、あるいは減額されるケースがある。
(注4)SIMカードは標準、マイクロ、ナノの3サイズがある。利用する端末によって形状が異なるため、SIMフリースマホの機種を間違えないように注意しよう。
(注5)また、SIMカードの受け取り日が土日祝日の場合、SIMカードを挿入した後、ネットに接続すると、Wi-Fiは使えるのに、Wi-Fiをオフにするとネットに接続できないことがある。この原因として、MVNO側には契約者がSIMカードを受け取っていない情報になっている可能性がある。すぐに使えるようにするには、MVNOに契約状況がどうなっているのかを直接問い合わせてほしい。

 それに対してMVNOの場合、SIMカードによる契約と端末は別の扱いとなっている。よって、後から届いたSIMカードを自分で挿入した後、Wi-Fiネットワークに接続し、接続情報のためのAPN(アクセスポイント名)設定をしなくてはならない。「初心者」は戸惑うかもしれないが、各社のサイトで公開されている設定方法の手順に沿って進めていくしかない。

「SIMカードの扱いが面倒だ」という言う人は、始めから端末とSIMカードがセットになったプランで契約することだ。通常、スマホ端末の価格は安くて1万円台だが、高いと10万円を超えるものがある。MVNOとの契約時に端末とSIMカードをセットで購入する際、端末代金を分割払いすることができるので、一括での購入が難しい場合はそれを検討してもいい。

 一方でこのSIMカード、ある程度格安スマホの使い方に慣れた人にとっては、ユーザビリティ向上のためのツールになる。例えばユーザーは、自分の好きな端末を選んで購入し、事業者からSIMカードのみを調達して使うことができるのだ。

 家電量販店で「SIMフリースマホ」という名称で売られている端末は、格安スマホとして使えるものを指している。最近では、中国・ファーウェィ、台湾・ASUS、富士通・arrowsあたりのSIMフリースマホが人気だ。

 SIMフリースマホといえば、Androidが中心だが、最近、発売されたばかりのアップル・iPhone 8、iPhone 8 Plusも、東京・表参道や渋谷、大阪・心斎橋、名古屋・栄などにあるアップルの直営店で「SIMフリー」として購入できる。このSIMフリーとは、どの事業者でも使えるというものであり、キャリア大手3社だけでなく、MVNOのSIMカードでも利用可能だ。「最新のiPhoneを安価な月額料金で使いたい」という時には、SIMフリーのiPhoneとMVNOのSIMカードを組み合わせるという選び方ができるのだ。

 ただし気をつけたいのが、SIMフリースマホはJアラート(全国瞬時警報システム;緊急地震速報、津波警報、ミサイル飛来情報など)を受信できないことがあるという点だ。大手3社が扱うスマホや国内メーカーのスマホなら心配はないが、SIMフリースマホの場合、そうした情報を得られないことがほとんどなので、ヤフーが提供する防災速報アプリ(注6)などを忘れずに入れておくことをオススメしたい。

 さらに、端末を新たに購入せずに、格安スマホデビューすることだって可能だ。前述のように、MVNOはSIMカードによる契約と端末の契約は別の扱い。例えばキャリア大手3社のいずれかで使っているスマホをそのままにして、契約だけをMVNOに変えることもできてしまう。特にNTTドコモのユーザーの場合、NTTドコモの回線を借りているMVNOと契約すれば、今使っているスマホをそのまま利用できるケースがほとんど。スマホを新たに買えば、数万円の出費となるだけに「今のスマホを使い続ける」のが得策だろう。

 その際、今使っているスマホがauやソフトバンクの場合、「SIMロック解除」という手続きが必要となる。2015年5月以降に購入したスマホであれば、SIMロックを解除して、MVNOで利用できるようになっている。また、例外的に一部の機種でSIMロックを解除しなくても、MVNOで利用できるケースもある。検討するMVNOで使っているスマホがそのまま使えるかどうか、事前に確認しておこう(MVNOのサイトで確認できる)。

 いかがだろうか。MVNOの場合、料金プランを自由に変えられるし、そもそも気に入らなかったら解約しやすいというメリットもある。キャリア大手3社のように2年も縛られることはないので、契約したMVNOに不満を感じたら、他社への乗り換えを検討すればいい(注7)

 まずは手っ取り早く「いいな」と思う格安スマホを契約してみて、自分の使い方の傾向がわかったら、また1年後に別の格安スマホに乗り換える、といった軽い気持ちでトライしてみてほしい。

 今度こそ「格安スマホデビュー」を果たそうではないか。

(注6)設定した地域の緊急地震速報、豪雨予報、避難情報など12種類を速報する無料アプリ
(注7)厳密に言うと、一部のサービスには最低利用期間が設けられているので申し込み時に確認し、あらかじめ最低利用期間が短いMVNOを選ぶのも手だ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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