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業界人の《ことば》から第270回

レノボ傘下で生じた富士通PC事業の疑問と2020年以降の課題

2017年11月07日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

 「PCは我々のビジネスの原点であり、コアである。今回の提携は、世界で3番目の市場である日本のPC市場において、富士通という信頼されるブランドとの提携になる。この結婚は成功する」(レノボ・グループ・リミテッド 会長兼CEOのヤンチン・ヤン氏)

 富士通のPC事業が、レノボ傘下でスタートを切ることが正式に発表された。

 富士通およびLenovo Group Limited(レノボ・グループ・リミテッド)によると、2018年度第1四半期をメドに、富士通のPC事業を展開する同社100%出資子会社の富士通クライアントコンピューティング(FCCL)に、レノボ・グループ・リミテッドが51%を出資。富士通は44%の出資比率となり、日本政策投資銀行(DBJ)が5%出資する。

 レノボ・グループ・リミテッド 会長兼CEOのヤンチン・ヤン氏は、「いまやレノボの事業はPCの枠を超え、データセンター事業やモバイル事業を次の成長エンジンと位置づけているほか、AIなどの新たな技術にも投資をしている。だがPCは我々のビジネスの原点であり、コアである。2005年にIBMのPC事業を継承してから、多くのジョイントベンチャーの取り組みによって成功してきた。今回の提携は、世界で3番目のPC市場である日本において、富士通という信頼されるブランドとの提携となる」とし、「レノボの規模と効率性を、富士通の成長にも生かすことができるだけでなく、レノボにとってもシナジーが期待できる。富士通は欧州を中心に、グローバルでの実績を持ち、PCだけでなくサービス面でも協力できる」とする。

 一方、富士通の田中達也社長は「富士通はPC事業のグローバル成長に向けた可能性について検討してきた結果、PCのグローバルリーダーであるレノボとの協業がベストなソリューションであると判断し、その実現に向けた協議を進めてきた」と語り、「富士通が30年以上にわたって培ってきたPCの製品開発力および製造能力と、レノボが持つ世界屈指の調達力、スケールメリットを活用することにより、富士通ブランドのPC商品力を強化し、国内およびグローバルの顧客に一層魅力的な製品を提供できる。まさに最高のコラボレーションであると考えている」とした。

 富士通クライアントコンピューティングの社名を継続して使用し、代表取締役社長には、現在FCCLの代表取締役社長を務める齋藤邦彰氏がそのまま就く。また、継続的に富士通ブランドを使用したPCの開発、生産をし、現在の製品ポートフォリオを維持。さらに、島根富士通による製造体制も維持する。なお、デスクトップPCを生産している福島県伊達市の富士通アイソテックは、富士通傘下であるため、FCCLから富士通アイソテックに委託する形でデスクトップPCの生産を継続する。

 だが、気になる点がいくつかある。 ひとつは、レノボ傘下での製品の棲み分けだ。

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