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ファーウェイ通信第60回

オススメの活用法を作例とともに解説!

プロカメラマンが検証! 「HUAWEI P10 Plus」のLeicaダブルレンズカメラはこう使う

2017年11月10日 15時00分更新

文● 周防克弥、加藤肇 編集● ASCII編集部

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スマホのカメラでも一眼レフのような
ボケ味を楽しめる「ワイドアパーチャ撮影」を体験

 ファーウェイのダブルレンズカメラならではの機能といえば、一眼レフカメラのような強力なボケ味を持つ写真を楽しめる「ワイドアパーチャ撮影」だ。この機能を使えば、通常のスマホではなかなか難しい、焦点の合った部分以外をきれいにボケさせた写真を撮ることができる。また、撮影後であっても自由に焦点や絞りを変更できるのもおもしろいところだ。

 ファーウェイ製スマホではおなじみの「ワイドアパーチャ撮影」は、デジタル処理で擬似的に絞りを再現する機能で、絞り値をF0.95からF16まで自由に変更して撮ることができる。撮影時にピント位置の調整をするだけでなく、後処理でも同様の操作ができる。被写界深度を調整して「レンズのボケ」を楽しめる機能だ。

 HUAWEI P10 Plusのレンズは27mm相当とワイド寄りであり、撮像素子もデジカメと比べれば小さいので、そのままでは最近流行りのボケ味を味わうには難しいはず。だが、ワイドアパーチャ撮影ではデジイチやミラーレス以上のボケ効果を味わうことができるわけだ。

画面右側にあるワイドアパーチャのアイコンをタップするだけで、モードが切り替わる。ピントを合わせたい場所をタップして位置を決めたら、絞りの形のアイコンをタップ。絞りを変えることができるスライドバーが表示されるので、任意にスライドさせて被写界深度の調整を行なうだけだ
ワイドアパーチャモードで撮影しておけば、撮影時でも撮影後でもピント位置や絞りの効果を調整することができる。保存されているデータに対して処理を行なった場合には、画面右上にあるフロッピーディスクのアイコンをタップすると、オリジナルとは別に保存される。いろいろなパターンを残しておくことができて便利だ
まずは「とりあえず」といった感じで、画面の真ん中付近にピントを合わせて、いちばん絞りを開けた設定で撮影したのが左写真。その画像を見てから、手前の葉に合わせた場合と、全体に合わせた画像を作り直したのが下の2枚だ

 ワイドアパーチャ撮影の感想としては、撮影時にボケ感を大きくしたり小さくしたりする作業を、デジタル処理で行なうのがかなり便利だ。実際の絞りで操作すると、相対的にシャッタースピードやISO感度が変わってしまうことがあるので画質への影響がある。また、被写界深度を深くするために絞りを絞ると、シャッタースピードが遅くなって手ブレしてしまう可能性もある。

手前のほうにピント位置を変え、絞りを0.95にして後ろのほうをぼかしているピント位置は手前のままだが、絞りを16にすることで全体的にピントのあった写真になった

 しかし、ワイドアパーチャ撮影ならば、実際に絞りが動作するわけではないので、シャッタースピードやISO感度が変わってしまう心配がない。またデジタル処理をしているが、画質への影響も確認できるほどではない。ボケ感を強調したり、光学レンズではできないボケ味を手軽に楽しめるのは面白いと感じた。

ワイドアパーチャ機能を使って背景をぼかした。ボケの中に点光源に近いものがあると、綺麗に丸くボケてくれるのが良い感じだ。撮像素子の大きなミラーレスや一眼レフで大口径のレンズを使って撮ったような効果が簡単に得られる

人物撮影に最適な「ポートレートモード」
ちょっと雑然とした場所でも人物だけが際立つ

 HUAWEI P10 Plusで新搭載された撮影機能が「ポートレートモード」だ。これは190ものポイントによって撮影対象の顔の形状を立体的に解析し、その特徴を正確に捉えることで、顔の陰影などをさらにダイナミックに映しだすというもの。人物撮影に特化したモードで、誰でも簡単に味のあるポートレートを撮れるのが魅力だ。

 ポートレートモードでは、ダブルレンズカメラの利用による背景のボケも楽しめる。背景に細々としたモノが入ってしまう雑然とした場所で撮影しても、背景だけをうまくボケさせてくれるので、人物の表情が際立つ印象的なポートレートになるというわけだ。

 新機能の「ポートレートモード」を、今回はインカメラでの自撮りで試してみた。もちろん、このモードはメインカメラでも利用可能だ。撮影対象が編集部のスピーディー末岡で申し訳ないが、人物を撮るときにはかなり効果的だ。

 ポートレートモードへ切り替えると、画面右下(横位置では右上)にアイコンが2つ現れる。人の形のアイコンがビューティレベルで、フチの形状のアイコンが芸術的ボケ味だ。ビューティレベルの調整は、1~10段階に効果量を設定できる。肌の部分にだけソフトフォーカスがかかるような効果になり、肌の荒れをごまかしてくれる。大きくしすぎると場合によっては「補正しました!」といった感じに見えてしまうこともあるので、効果量を調整して自然な感じに仕上げたいところ。

左がビューティモードオフで、右がオン。肌を綺麗にしてくれるビューティモードでは、柔らかい描写になって、肌の質感を補正してくれる

 芸術的なボケ味は、人物部分を切り抜いて背景だけをボカす処理をしてくれるため、背景が雑然としている場合に便利だ。こちらの機能はワイドアパーチャ撮影でも同様の効果を得ることができるが、ポートレートモードなら任意に設定する必要はなく、自動的に処理してくれる。

左が芸術的ボケ味オフで右がオン。今回はASCII.jpの編集部内で撮影。雑然とした編集部の風景も、芸術的なボケ味を使ってぼかすことでいい写真になるから不思議だ

ちょっとしたお出かけにはもうデジカメは要らない?

 最後に、HUAWEI P10 Plusのカメラ全体について感じたことをまとめておく。今回、いろいろと撮影してみて、HUAWEI P10 Plusは「よりいっそうデジカメという道具に近くなった」と感じた。露出の正確さやAFのスピードにもまったく不満を感じることがないし、ミラーレスやデジイチよりも大きな背面液晶は撮影後の画像確認にも便利だ。

レンズが35mm判換算で約27mmと少し広めなレンズなので、近づくと遠近感がやや強く出る。料理を撮る場合には、皿などの周囲を入れてしまうと広角ならではの遠近感による歪みが出てしまうので、思いっきり近づいて余計なモノが入らないように撮るのがいい。レンズ前5cmまで寄れるのも強みだ

 僕の中では、HUAWEI P10 Plusは「散歩がてら、写真でも撮るかなぁ」と思ったときに持っていくカメラの候補に上がる。もうスマホというよりも、デジカメという認識のほうが大きくなったのだ。「スリムな本体で、画像確認のしやすい大型液晶が付いていて、おまけに通信機能もある単焦点デジカメ」という風にHUAWEI P10 Plusを捉えている。かなり完成度が高い1台なのは間違いない。

質感の描写力が高い。感度設定を上げすぎないように気をつければ精細さもあるので、大画面での鑑賞にも十分に耐えうる画質といえる

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