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従来の英語学習法と何が違う?

英語シャワーは遠回り、効率的に第二言語習得メカニズムで学ぶ英語ジム

2017年11月09日 11時00分更新

文● 飯島秀明 編集●飯島恵里子/ASCII 撮影●髙橋 智

提供: 恵学社

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StudyHacker ENGLISH COMPANYの責任者、田畑翔子氏。言語教育情報学修士。米国留学を経て、英語教育について研究。TESOL(英語教育の国際資格)を保持。2010年教育系ベンチャー企業 恵学社に設立時から参加

 教育系のスタートアップ企業、恵学社が運営する英語のパーソナルトレーニングジム「Study Hacker ENGLISH COMPANY(以下、ENGLISH COMPANY)」。トレーニングジムと銘打つだけあり、その英語学習法は一般的な英会話スクールのそれとは一線を画す。実際、わずか3ヵ月で500点台だったTOEICのスコアが800点前後までスコアアップすることも珍しくないというのだから驚きだ。

 なぜ、受講生の英語力を短期間でそこまで伸長させられるのか? 理由ははっきりしている。第二言語習得研究(SLA)と呼ばれる言語習得の科学に基づき、受講生に必要なカリキュラムを個別具体的にデザインした上で、その効果を最大化すべく、パーソナルトレーナーを付けてマンツーマンで英語を教えてくれるからだ。

 そこで注目したいのが、第二言語習得研究(SLA)だ。近年、徐々にではあるが、教育現場に広がりつつあるというこの言語習得の科学を、いち早く恵学社にもたらした人物がいる。現在、同社の取締役を務める田畑翔子氏だ。はたして従来の英語学習法とどう違うのだろう? 田畑氏に話を聞いた。

なぜ挫折する? 従来の英語学習法の限界とは?

 書店には、「画期的な」「奇跡の」「最強の」といった刺激的なコピーと共に、英語学習の指南書が所狭しと並んでいる。なかには、客観的・科学的な根拠をひとつも示すことなく、科学的な学習法を標榜するような指南書まである。

 そのひとつに、英文法の基礎知識や英語の音を聞き取るスキルがなくとも、とにかく英語の音源をまるでシャワーを浴びるように聞き流していれば、自然と英語が上達すると主張する学習法がある。

 「おそらく、幼児が言葉を覚えていくプロセスこそ自然との発想から、外国語であっても母語と同じように習得するのが理に適っているという理屈なのでしょう」(田畑氏)

 日本で英語を学ぶ。このような環境をEFL環境(English as a Foreign Language)と呼ぶ。英会話教室の中でどれほど英語漬けになろうと、一歩外に出れば母語である日本語が取り巻く環境のことだ。一方、日本人が英語圏に語学留学するような場合、語学学校のみならず、生活を営むために日常的に英語を使わざるを得なくなる。このような英語に取り囲まれた環境をESL環境(English as a Second Language)と呼ぶ。

 「1年間海外に語学留学できれば、英語のシャワー効果が期待できるかもしれません。しかし、日本に暮らしている大人が同じような環境を作れるとは思えません。大事なのはインプットの量を増やしにくいEFL環境で、いかに効率よく英語を習得していくか、その方法を考えることです」と、田畑さんは言う。

いきなり「ネイティブ講師」は非効率

 他にも英語学習について誤解されていることは多い。「講師はネイティブがよい」との思い込みもそのひとつだ。

 しかし、日本人の英語学習者といえば、英文法の知識が曖昧で、英語の音を聞き取るスキルもおぼつかない人が大半だろう。つまり、相手が何を話しているのか、ほとんど分からない状態だということだ。

 そんな状態でいきなりネイティブ相手に会話などできるはずもない。サッカーに例えるなら、ルールもボールの扱い方も知らないのに、いきなり試合に出場するようなもの。英語力を向上させる手段としては、著しく非効率だと言わざるを得ない。初心者にまず必要なのは試合出場より基礎練習に励むことだ。

 「そもそも英語について体系的な指導を日本人相手に、日本人に合った形で提供できるネイティブがどれだけいるかという問題があります。おそらく、ほとんどいないでしょう。英語教育を知らないネイティブなら、英語教育の知識を持ち、日本語との違いに自覚的な日本人講師の方がはるかによいことは言うまでもありません」(田畑氏)

 巷間に溢れている英語学習法を全否定するつもりはない。実際、これらの学習法で英語が身に付いたという人もいるはずだ。しかし、科学的に見れば、それらはいかにも効率が悪く、遠回りにすぎる。忙しいビジネスパーソンに回り道などしている余裕はない。誰しも可能な限り最短距離で、効率よく英語を身につけたいと望んでいるに違いない。

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