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FBやGoogleにコンテンツ消費を握られたメディアにデータ分析のパワーを

トレジャーデータ、読者の深い洞察を可能にするメディア向けの新機能を提供

2017年10月25日 16時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月25日、トレジャーデータはCDP(Customer Data Platform)サービスである「TREASURE CDP」に出版社・メディア向けの新機能を追加した。GUIからセグメント作成やコンテンツ解析、サービス連携が行なえるようになり、オーディエンスに合わせたコンテンツや広告配信が可能になるという。

デジタルトランスフォーメーションにはデータ活用が必須

 トレジャーデータは、2011年に日本人の創業者によって設立されたスタートアップで、DMP(Data Management Platform)と呼ばれるビッグデータ分析サービスを展開している。昨年からはマーケティングや広告分野での顧客データの蓄積や分析を前提とした「TREASURE CDP」の提供を開始。また、ログコレクターの「Fluentd」をはじめ、データ転送ツールの「Embulk」、AIライブラリの「Hivemall」、ワークフローエンジンの「digdag」などのOSSも開発しており、自社サービスでも利用している。

 北米と日本を中心に事業展開するトレジャーデータだが、現在従業員は約140名まで拡大。扱うデータも拡大しており、日本法人のマーケティングディレクターである堀内健后氏は、「1秒間で120万件くらいでデータが投入されている状況。創業以来の顧客データはすでに100兆件に達する」と語る。こうした成長の背景には、当然ながらデジタルトランスフォーメーションの流れがあり、デジタル化の中で飛躍した企業は一貫してデータを顧客体験の向上に利用しているという。

トレジャーデータ マーケティングディレクター 堀内健后氏

 顧客体験の向上を実現するTREASURE CDPでは広告、マーケティング、CRMなどで生まれたさまざまなデータを収集し、広告やマーケティング、CRMサービスと連携させることが可能になっている。ユーザーはCDPを用いることで、顧客を理解し、セグメント化を行ない、コミュニケーションをとって、ROIを計測するというPDCAサイクルをスピーディに回すことができる。

 TREASURE CDPでは多様なデータソースやデータタイプをサポートし、個人情報付きの生データをセキュアに安全に保管できる点が大きな差別化要因。また、データは制限なく保管でき、他のソリューションとも柔軟に連携できるという。

TREASURE CDPの概要

メディアのブランド化に寄与するCDPの新機能

 今回、トレジャーデータがTREASURE CDPに追加したのは、出版社やメディアをターゲットとした「セグメントビルダー」「リアルタイムセグメンテーション」「コンテンツ解析」「DFP連携」などの新機能になる。「TREASURE CDP for Media」として読者への深い洞察を可能にするソリューションとして提供される。

 セグメントビルダーはTREASURE CDP内のオーディエンス、属性、行動データを用いてGUIによってセグメントを作成・可視化できる機能。ノンプラグラミングで作成やセグメント分析、他のサービスとの連携が可能になる。

GUIでのセグメント作成・可視化が可能なセグメントビルダー

 また、リアルタイムセグメンテーションは、ルールに従ってセグメント情報をリアルタイムに抽出できる機能。直前のサイト訪問履歴に基づいて、レコメンドやコンテンツの出し分けを行なうツールなどに連携できる。

セグメントの情報を抽出できるリアルタイムセグメンテーション

 コンテンツ解析はWeb記事やメタデータからキーワードを抽出し、オーディエンスの訪問履歴とあわせて解析。関心の高いキーワード群をカテゴリとして統合し、特定のオーディエンスにラベル付けすることが可能になる。解析にはAIライブラリであるHivemallを用いた機械学習を初採用している。

Web記事やメタデータからキーワードを抽出し、解析結果をカテゴリ化して、オーディエンスにラベル付けできるコンテンツ解析

 さらにTREASURE CDPで作成したセグメントをDFPに連携することで、精度の高い広告配信を実現。第一弾として、DoubleClick for Publishers(Google)との連携を実装した。

 新機能について説明した米トレジャーデータ CTOの太田一樹氏は、「ブランドのお客様からよりメディアと連携したい、メディアのお客様からはどうやったらデータ連携して、マネタイズできるかという相談が大きくなってきた」と語る。これに対して、今回実装された機能では、「SQLが必要」「バッチ処理」「自然言語処理が不得意」「SSP連携がない」といったメディア系のユーザーにとっての課題を解消する狙いがあるという。

米トレジャーデータ CTO 太田一樹氏

 堀内氏は、「コンテンツを作っても、生活者が読むタイミングはFacebookやGoogleに握られ、どこもマネタイズに苦しんでいるとメディア各社から聞いている。こうした事態を解消するには、自社のドメインに来てもらうよう、生活者との関係を構築し、メディアをブランド化する必要がある」と説明する。今回発表されたTREASURE CDP for Mediaでは、どんなコンテンツをどれくらい見ているのか、何に興味があるのか、どんな仕事をしているかなどの読者に対する深い洞察理解を提供するという。

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