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アスキー動画班が4K動画の編集マシンとして使ってみた

110mm角の小型ゲーミングPC「BIRX VR」はオフィスにも向く仕上がり

2017年10月28日 11時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII編集部

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高負荷の環境でチェック
GPUの酷使は○だが、CPUの酷使は×

 ベンチマーク結果からすると、十分にゲーミングPCとしての素養を持ち合わせているとわかったのだが、小型筐体なので、たとえば「軽めのゲームにログインしっぱなし」といった運用には耐えるのか気になり、OCCT 4.5.1でテストしてみた。

 結果からいうと、よくあるGPUを多用するゲームタイトルであれば放熱は十分に追いつくが、CPUへの負荷が高いタイトルには不向きであることがわかった。GPUテストは問題なくクリアしたのだが、CPUテストは3秒でCPU温度が90度に到達して終了してしまった。

ヒートシンクのフィン形状に違いがあり、GPUの冷却を優先している。そのためGPUを酷使するゲームに耐えられるように設計されている

OCCT 4.5.1のGPUテストの結果。GPU温度(左)は約62度だが、GPUテスト時でもCPU温度(右)が80度と高め。待機時間を設けてあり、ラスト5分の様子を見ると温度の低下速度は良好だ

 とはいえ、3DMARKにおけるPhysics testは問題なく完走しているし、連続実行してもスコアに変動はなく、もちろん、途中にOSがシャットダウンすることなかった。CPU使用率50%付近が多いファイナルファンタジーXIVでも問題なく動作したので、よほどCPUを酷使するゲームでない限り負荷や熱対策は考えなくていいだろう。

GPUテストの設定

CPUテストを実行したところ、3秒で終了。一瞬で90度を越えたのが原因だ

 ちなみに冷却性能を上げるべく、より強力な12cmファンに置き換えた状態でテストしてみても、GPUテストとベンチマークスコアの傾向に変化はなかった。また、上げ底にして底面からエアーを吸い込みやすくした状態でも、とくにベンチマークスコアに変化がなかった。

 このことから、冷却の限界点を見極めたうえでの設計と思われ、またベンチマーク中の安定感からすると、小型筐体内で上手く温度を制御できているといえるだろう。

ファンを強化したら状況に変化はあるのかと、底部ファンを強力な12cmのものに置き換え、2000rpmで動作させつつ、OCCTを実行してみたが、やはり3秒で終了してしまった

あえてCPUを酷使してみたが
熱暴走はしなかった!

 追加としてアプリケーションでテストをしてみた。RAW現像アプリケーション「DxO OpticsPro 11」は、出力時に容赦なくCPU使用率が100%に貼り付くステキなものだ。そこでRAW(42MP、非圧縮)のデータに対して、ノイズリダクション:Prime、出力設定:JPEG(品質90)、リサイズなしを実行してみた。

DxO OpticsPro 11で現像しているところ。タスクマネージャー上のCPU使用率は全コアフルロードだ

 出力開始から数分でCPU温度は90度を越え、95~99度間をウロウロするようになったのに加えて、ファンは爆音、もはや掃除機と変わらないサウンドになった。出力時間は約70秒/枚で、クロックは3.40GHzに貼り付いていた。ブラックアウトすることはなかったが、どう見ても適さない作業である。

 限界を探ってみたが、OCCTやDxO OpticsPro 11のように、フルロードが延々と続くような負荷状況になるアプリケーションは珍しいほうなので、大半の場合で気にするべき部分ではなく、あくまで上限として知っておくことと判断してほしい。

 それより特筆すべきは、これだけCPUを酷使しても熱暴走することなく動作するBRIX VRの完成度の高さだ。爆音にはなるが、苦手な作業でも強制終了せずしっかりとやり遂げる安定性に感銘を受けた。この安定性はビジネス用途において絶大な効果を発揮するはずだ。

OCCTのモニタリングデータを見ると、CPU温度は98度を記録しており、最大は100度と心臓に悪いログが記録されていたが、挙動が乱れたり強制終了するようなことはなかった

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