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山谷剛史の「アジアIT小話」 第146回

中国で伝説のゲーム「魂斗羅」の最新版は人気になるか?

2017年10月19日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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最高ランクの待遇となるには約16万5000円必要

ガチャは魂斗羅の懐かしい画面で

ガチャは魂斗羅の懐かしい画面で

 最初はレベルアップやアイテムの強化は容易だが、強化すれば強化するほど、次の強化のハードルがあがる。

 こうしたソーシャルゲームでよくあるシステムなので序盤は快調に進むが、やがて次のステージに進みづらくなる。

 自動で自身と周囲の敵を治癒する敵キャラが登場するステージがあり、自身の攻撃力より敵の治癒力が上回り、かつ敵全滅がステージクリアの条件の場合、ゲームの腕だけではどうにもならない。既存のステージクリアを繰り返すか、課金を行ない自身の強化を行なうしかない。

課金しないとアイテムは買えず先にも進みにくい

課金しないとアイテムは買えず先にも進みにくい

 一気に自身を強化するためには課金しなくてはならない。課金をするとコインがもらえるだけでなく、累計課金額に応じて毎日もらえるアイテムが増えていき、ゲームの進み具合が加速する。

 課金額は6元(約100円)からでき、累計で約1万元(約16万5000円)チャージすると最高ランクの優遇を受けられる。

 一定以上課金すると、課金したコインを貯蓄運用することができる(預けてしばらくすると利子がついて戻ってくる)のが、今の中国らしい。

 中国のゲーマーからは「露骨に課金を狙ったゲーム」と評されているが、何年も前の同社ゲームに比べれば、無課金でもはるかに遊べるつくりになっている。

 ソーシャルゲームではあるが、理不尽ではない程度に操作テクニックを要する場面は多々あり、ゲームの腕をそれなりに必要としているのはうれしいところ。

子供のころの懐かしいゲーム最新版も
ユーザー数は少なめ

魂斗羅ファンにはうれしい雰囲気

魂斗羅ファンにはうれしい雰囲気

 筆者は1ヵ月これを遊び続け、対戦では銅銀金の次の「ダイヤモンドクラス」となり、上位1500人に入っている。

 逆に言えば、1ヵ月で上位1500人に入る程度のプレーヤー数なのだ。中国ではそう多くないだろうが、一方で連日コアなユーザー同士の戦いが繰り返されている。最も中国のファミっ子に愛されたゲームの中国向け最新作でこのような状況なのだ。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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