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サイコムの「Radiant SPX2500H110」の性能をベンチマークでチェック

700W電源並みの筐体で普段使いなら快適&静音なサイコムコンパクトPC

2017年10月19日 09時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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「Radiant SPX2500H110」

 デスクトップCPUを搭載できるサイコムの「Radiant SPX2500H110」(関連記事)は、コンパクトでも高性能なパソコンがほしいという人にピッタリなパソコン。カスタマイズできるスペックの幅が広いため、低価格な入門機としてはもちろん、Core i7を搭載した高性能なメインパソコンにもできるという柔軟性も魅力のひとつだろう。

 今回試用したのは、CPUにCore i3-7350K、8GBメモリー、NVMe対応の256GB SSD、Windows10 Home(64bit)をカスタマイズしたモデル。コストパフォーマンスに優れたCPUと、必要十分な容量のメモリー、体感速度が向上するSSDを選ぶという、王道ともいえる構成だ。この構成のRadiant SPX2500H110で、どのくらいの実力があるのか検証してみた。

Radiant SPX2500H110の標準スペック
CPU Core i3-7100(3.5GHz)
グラフィックス インテル HD グラフィックス 630
メモリー 4GB
ストレージ 500GB HDD
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)
インターフェース USB 3.0端子×3(うち、1つはType-C)、USB 2.0端子×1、有線LAN端子、HDMI端子、D-Sub15ピン、DisplayPortなど
サイズ およそ幅80×奥行155×高さ155mm
OS オプション(別売)
価格 4万8080円から

ノートを超える実力はタワー型デスクトップにも見劣りしない

 まずはCPUからチェックしていこう。Core i3-7350KはKaby Lake、つまり第7世代となるCPUだ。コア数は2つだがHTに対応し、同時に4スレッドまでの処理が可能となる。自動オーバークロックとなるターボブーストにこそ対応していないが、4.2GHzとベースクロックが高く、コストパフォーマンスに優れているのが特徴だ。

2コア4スレッドCPUのCore i3-7350K。動作クロックが4.2GHzと高いのは、デスクトップCPUならではだ

 CPUクーラーはインテル純正となるコンパクトなもの。Core i3-7350Kは高クロックとはいえTDPは60Wとそれほど高くないため、小型のクーラーでも十分冷却できる。CPUクーラーを装着すると、マザーボードの3分の1くらいの面積を占めることからも、いかにこのPCがコンパクトなのかがわかるだろう。

CPUクーラーがやたらと大きく見えるが、これはマザーボードが小さいため。マザーボードのサイズは140×147mmしかない

 まずはCPU性能として定番の「CINEBENCH R15」から。これはCGレンダリング速度から性能を計測するベンチマークテストで、とくにマルチスレッド性能の比較に向いている。

MAXONの「CINEBENCH R15」。マルチスレッドは「CPU」、シングルスレッドは「CPU(Single Core)」としてスコアが出る

 マルチスレッドでの性能は460cb。ノートパソコン向けのCore i7-7500Uでは340cb前後なので、大抵のノートパソコンよりも高速なのがわかる。ちなみにCore i7-7700のスコアーは870cb前後。これは別のパソコンで測ったものなので参考程度だが、カスタマイズでCPUにCore i7-7700を選べば、性能が2倍近くなることが期待できる。CPU性能を重視したいのであれば、よりハイエンドなパーツを選んでおくといいだろう。

 続いてパソコンの総合性能をチェックできる「PCMark10」を試してみよう。SSDが高速ということもあり、EssentialsとProductivityのスコアーは結構高めだ。逆に見劣りしてしまうのが、Digital Content Creation。いくらコストパフォーマンスに優れるCore i3-7350Kとはいえ、CPU単体の性能では見劣りしてしまう。

ウェブ閲覧など一般用途となるEssentials、ビジネス用途のProductivity、コンテンツ作成用途のDigital Content Creationの3つのスコアーがチェックでき

 もうひとつパソコンの性能として、「CrystalDiskMark」を使ってストレージの性能を見てみよう。今回試用したRadiant SPX2500H110の構成ではSSD、しかもNVMe対応のIntel SSD 600pが搭載されているということもあり、期待がかかる。

Write性能はSATAとそれほど変わらないが、Read性能が1500MB/秒を超えており、かなり高速な結果だ

 さすがNVMe対応のSSDだけあって、シーケンシャルリードが1586MB/秒と非常に速い。ライト性能はSATAモデルよりも少し速い程度だが、ランダム性能も高く、待ち時間の少ないキビキビとした動きを実現している。

コンパクトなパソコンで気になるのがCPUの温度
何度まで上昇する?

 デスクトップ性能をしっかりと発揮できているというのはわかってもらえたと思うが、心配なのがCPUの熱。本体が小さければ小さいほど排熱が難しく、CPUの温度が高くなりやすいからだ。そこで、「CPU-Z」のストレステスト機能で約15分間負荷をかけ、CPUが何度まで上昇するのかをチェックしてみた。

 まずはUEFIの設定でファン設定を「標準」にした場合のCPU温度から。CPUの温度は「HWiNFO」でセンサーを読み取り、CPU Packageの値で比較した。

CPUの最大温度は63度。CPU-Zのストレステスト機能はかなり負荷が高いものだが、十分冷却できているのがわかる

 ファン設定が標準の場合は最大63度で、まだまだ余裕がある温度だ。標準というだけあってファンの音はあまり気にならず、耳を近づければ回転しているなというのがわかる程度。Core i3-7350Kを使っている限りは、音も熱も気にする必要はなさそうだ。温度に余裕があったことから、今度はファン設定を「サイレント」にして試してみよう。

CPUの最大温度は71度まで上昇。標準と比べ8度アップと、かなり温度が上昇してしまった

 サイレントにするとファンの回転速度が下がり、耳を近づけてもほとんど音がわからないほど静かになったが、そのかわり、CPUの温度は8度上昇して71度になってしまった。とはいえ、これでもまだ温度に余裕があるため、サイレントのまま常用しても問題ない。Core i3-7350Kで使うなら、静音性の面でも優秀だといえる。

CPUクーラーのカスタマイズでさらに静音化も可能

 今回試したのが発熱があまり多くないCore i3-7350Kということもあり、騒音は気にならないレベルだったが、より高速なCPUを搭載すれば発熱が増え、それを冷やすために騒音も大きくなっていく。性能を高めながら、静音性も重視したいというのであれば、CPUクーラーをインテル純正から「Noctua NH-L9i」へと変更するのがおすすめだ。

背は低くても92mmの大型静音ファンを搭載。騒音を抑えながらもしっかりとCPUを冷却してくれる頼もしいクーラーだ

 Noctua NH-L9iは超薄型ながら多数のヒートシンクをもち、強力にCPUを冷却してくれる優れもの。CPUをCore i5以上に変更するのであれば、こちらのCPUクーラーを選んでおくと、静音性でも満足いく1台となってくれるだろう。

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