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T教授の「戦略的衝動買い」 第451回

1年後でも放電率10%! 安全性の優れたリチウムセラミックバッテリー「お父さんバッテリータグ」を試す

2017年10月11日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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日常使いのカバンのネームタグとして使えるモバイルバッテリーは本邦初かも……

日常使いのカバンのネームタグとして使えるモバイルバッテリーは本邦初かも……

 昨今のスマホやタブレットの急激な拡大普及の中で、モバイルバッテリーはUSB/ACアダプターや充電ケーブルと並び、多くのユーザーが最も必要と考えているオプションの代表だ。

 単3乾電池や9Vの角型バッテリーで動作する軽微なモノから、モバイルPCなどでの使用実績のあるリチウムイオンバッテリーセルを利用したメインラインまで、その市場規模は膨大だ。

 地球上の全人類が使うであろう先端テクノロジーを取り込んだスマホの短期開発競争は、モバイルパソコンの時代とは比較にならないほどの市場規模と経済効果をもたらしている。そしてそれらに内蔵されたバッテリーは、よりよい安全性を求められる時代を迎えている。

安全性に優れた「お父さんバッテリータグ」

さまざまなモバイル(中には携帯したくないサイズも)バッテリーの中にあっても、中央のお父さんバッテリータグのイメージは異色だ

さまざまなモバイル(中には携帯したくないサイズも)バッテリーの中にあっても、中央のお父さんバッテリータグのイメージは異色だ

 今年の夏、ソフトバンク コマース&サービスは、従来のリチウムイオンバッテリーに比べて安全性に優れた次世代のリチウムセラミックバッテリーを利用したネームタグ型モバイルバッテリーである「お父さんバッテリータグ」を発表した。

 今ではバッテリー市場の大半を占有しているテクノロジーであるリチウムイオンバッテリーは、使用環境の変化による故障や経年劣化などにより、発火や発熱などが起こる可能性があるのは、昨今のテレビニュースなどでも頻繁に放映されているのでご存知の方も多いだろう。

 今回紹介するお父さんバッテリータグに採用された、通称「パワーリーフ」と呼ばれる「セラミックバッテリー」は曲げや衝撃にも強く、切断しても発火や液漏れが発生しない特性を持つ安全性に優れたバッテリーだ。

 そして、パワーリーフと名付けられたエレメントは極めて薄型・軽量で、自由な形に加工可能なフレキシブルさを特徴としている。

 そのため、従来のモバイルバッテリーのように大きくて重いといった欠点を解消した自由度の高いデザインや設計が可能なようだ。

 セラミックバッテリーのパワーリーフはソフトバンクが最大の株主である台湾のプロロジウムテクノロジーの開発したテクノロジー製品だ。

 ソフトバンク コマース&サービスは、「ソフトバンクセレクション」と呼ばれるモバイルアクセサリー事業を展開しており、今回のパワーリーフの応用製品であるお父さんバッテリータグも、バッテリージャンルでの差別化と新たなOEM事業の柱となるリファレンス製品だ。

残念ながら非売品……

 残念ながら現在の所、お父さんバッテリータグは市販製品ではないため、いくらお金を積んでもマーケットで購入することはできず、バッテリー好きである筆者は、友人を頼って評価用に入手できた次第だ。

 今回のお父さんバッテリータグの参入で、筆者のモバイルバッテリーコレクションはより幅の広いものになった。

ブラックのシンプルなパッケージに入ってるブラックなお父さんバッテリータグ

ブラックのシンプルなパッケージに入ってるブラックなお父さんバッテリータグ

 提供していただいたお父さんバッテリータグは、シックな黒いパッケージに入っている。現在の仕様や部品構成はあくまで他社がパワーリーフを使用して発売する商品のOEMサンプルとしての位置づけなので、今後登場するであろう他社ロゴの商品がどういう形になるかの予想は難しい。

同梱物は左側の紙ものを除けば、お父さんバッテリータグとカバン取り付け用リング、チャージャーボックス、Lightning変換アダプターの4つだけだ

同梱物は左側の紙ものを除けば、お父さんバッテリータグとカバン取り付け用リング、チャージャーボックス、Lightning変換アダプターの4つだけだ

 現時点でのお父さんバッテリータグの内容物は、本体とカバン取り付け用リング、本体充電時に使用するチャージャーボックス、Lightning変換アダプター、黒いOEMプロモーションカード、A4表裏の取扱説明書の全部で6点だ。

 メーカーや温度などの環境条件によっても変化するが、一般的にリチウムイオンバッテリーの1ヵ月あたりの自己放電率は5%程度だと言われている。

 その数値は以前のバッテリーの主役であったニッカド電池やニッケル水素電池の自己放電率よりも大幅に低いと言われているが、今回のパワーリーフは1年後のバッテリー残量が90%というかなり特性の優れたバッテリーのようだ。

 しかし、今回は届いた時の実際の残量のいかんに関わらず、まずはフル充電してみようということで、実際にお父さんバッテリータグに充電してみた。

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