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私たちの働き方カタログ ― 第7回

ChatWorkは働き方の「当たり前」を疑ってみる

電話がない会社に転職してきた、ある広報のとまどいと気づき

2017年10月17日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders 写真●曽根田元

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その会社にはその会社ならではの働き方がある。みんなの働き方改革・業務改善を追う連載「私たちの働き方カタログ」の第7回は、コミュニケーションツールを手がけるChatWork。広報の山田葉月氏に電話がないワークスタイルに対するとまどいと気づきについて聞いた。

ChatWork 広報 ディレクター 山田葉月氏

創業以来、ChatWorkのオフィスには固定電話がない

 電話によって業務が中断し、パフォーマンスが落ちると考える人は多いだろう。せっかくかけても相手が捕まらないことも多く、メールの方が早かったということもある。いろいろな不便はありつつ、多くの会社員は会社に電話があるのは当たり前だと考えているし、業務に必要な道具という常識を持っている。でも、果たして本当だろうか?

 ChatWorkのオフィスには固定電話がない。名刺にも電話番号は記載されておらず、連絡を取るにはメールか、チャットワークを使う必要がある。固定電話のみならず、スマートフォンでの連絡も会社としては推奨しておらず、営業の一次対応もメールで1本化しているという。固定か、ケータイか関係なく、とにかくChatWorkでは「電話=業務効率を落とすツール」という扱いなのだ。

 実際、そんな社内はどんな様子なのか。ChatWork 広報 ディレクターの山田葉月氏は、「創業当初からなので、弊社のメンバーは電話がないことを当たり前に思っています。ごくまれに私用の電話が鳴ると、オフィスがざわざわします(笑)」と語る。この背景は「チャットを売っている会社に電話は必要ない」という創業者のシンプルな思い。組織が拡大しても、グローバルに進出しても、このポリシーにまったく変化はない。

電話がないことでのデメリットを感じさせない対応

 とはいえ、電話がないことが当たり前となっている生え抜きのメンバーであればともかく、他社からの転職組は軽いショックを受けるという。約2年前に転職してきた山田氏もその一人。「広報にも電話は与えられません。でも、広報・PRって電話で直接記者の方々とやりとりすることも多いので、最初は電話がなくて仕事が回るのだろうかとは思いました」(山田氏)。

 しかし、今の感想は「意外と回る」というもの。「もちろん、記者の方々に不自由をかけて申し訳ないという気持ちは今もあるのですが、すでに決まったことなのであれば、その環境の中でどれだけパフォーマンスを上げていけるかを考えるようになりましたね」(山田氏)とのことで、自身の意識改革につながっている。

 この2年間、山田氏も特別なことをやったわけではなく、周りの人たちには「業務効率を高めるため、うちには電話がないんです」ということを説明し、「チャットの方が便利です」とチャットの体験を勧めてきた。「メールやチャットでいただいたご依頼はなるべく速く返すようにしています」(山田氏)ということで、山田氏との取材のやりとりもきわめてスピーディだったことはきちんと書いておきたい。営業も基本的には同じで、メールやチャットでいち早く対応できる体制を整えているという。

 サイボウズやマイクロソフトと同じく、ChatWorkもイノベーティブな働き方を積極的に推進しているIT企業として知られている。実家に帰省する費用を一部負担する「ゴーホーム制度」や出産予定日の前後2週間で在宅勤務が可能な「出産立ち会い制度」、新しい技術やデザインにいち早く触れられる「最新デバイス購入支援制度」など先進的な制度も多い。電話がないオフィスも、こうしたユニークな制度もすべては「合理的なことが通る」という経営理念と社内カルチャーの成果物と言える。

会社概要

ChatWork株式会社はビジネスチャットツール「チャットワーク」を主力事業として展開しています。民間企業、教育機関、官公庁など150,000社以上、世界205の国と地域に導入され(2017年9月末時点)、各組織の生産性向上やコミュニケーション活性化に貢献しています。

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