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IoT&H/W BIZ DAY 4 by ASCII STARTUP第27回

F1中国GPでも活躍 IoTを進化させるノキアのエッジコンピューティング

2017年10月11日 07時00分更新

文● 相川いずみ 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP

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 2017年8月28日に東京・ベルサール飯田橋ファーストで開催された、IoT/ハードウェアのビジネス展示会「IoT&H/W BIZ DAY 4 by ASCII STARTUP」。当日はビジネスカンファレンスのほか、企業ブースでは最新のテクノロジーを活用したさまざまなプロダクトが展示された。そのうちのひとつ、ノキアのブースではスタートアップ向けに“Multi-access Edge Computing(MEC)”を展示していた。

 MECは、もともと「モバイルエッジコンピューティング」としてノキアを筆頭に標準化が進められてきた。近年ではモバイルだけでなく有線での利用もふまえた「マルチアクセスエッジコンピューティング」となり、その商用製品を先駆けて発表したのがノキアだ。

IoT&H/W BIZ DAY 4 by ASCII STARTUPのノキアブース

5G時代に必要な低遅延を実現する「ノキアのMEC」

 同時開催のセッション「ノキアのエッジコンピューティングを活用して生み出すイノベーション」では、ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社モバイルネットワーク事業本部カスタマーソリューションマネージャーの冨永剛氏が登壇。MECのプレゼンテーションや、スタートアップにおけるMEC活用についてのトークセッションも開催。

ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社モバイルネットワーク事業本部カスタマーソリューションマネージャー冨永剛氏

 MECはコアネットワークとデバイスの間に、エッジコンピューティングのサーバーを設置することで、これまでのクラウド側での処理をエッジコンピューティング上でし、デバイス側に即座に返すことができる。これにより、リアルタイムに近い低遅延での処理やエリアを限定したサービスなどが可能になる。ノキアでは、今年4月に中国の上海で開催された『F1 中国GP』で、地元のキャリアとともに、F1に車載カメラを搭載し、運転席から見える画像を会場限定でリアルタイム配信するトライアルを実施した。

 「会場近くに基地局を設置してもらい、そこのエリアのみメックサーバーで処理しました。これまでであれば、目の前を車が走り過ぎてからしばらくしないと画像を見ることができませんでした。MECの場合は即座に配信しているので、観客はほぼリアルタイムで目の前を通り過ぎる車の運転席の画像を楽しむことができるのです」と、冨永氏は話す。

ノキアのMEC概要

 また、エリアを限定できるという点では、たとえば企業内でほかに漏れたくない情報についても、特定エリアのみで配信することで、リアルタイムでクローズドの情報を共有できるようになる。

映像解析エンジン「Nokia Video Analytics」

 ブースではMECの紹介のほか、現在フィールドトライアルを行なっている映像解析システム「Nokia Video Analytics」の展示もされた。「Nokia Video Analytics」は子会社であるベル研究所が開発したシステムで、カメラの映像をストリーミングして解析エンジンに送り、動きの速度や方向、密度などの指標で解析する。動きをエンジンが機械学習し、リアルタイムの画像と比較してトレンドを検出。異常があった場合のみアラームが上がる。最初にカメラとエンジンを設定してしまえば、自動で自己学習していくため、人の手を煩わせずトレンドを比較できる。

「Nokia Video Analytics」のトレンド分析

 「ストリーミングした画像をすべてクラウドに上げ、解析して結果を返すということをやっていたら遅延が発生してしまいます。エンジンをエッジに置いて処理し、異常な場合のみクラウドに上げることによって、ネットワークの帯域を節約できるというメリットもあります」(冨永氏)

 ノキアでは、「Nokia Video Analytics」の商用化となる次バージョンを2018年前半に予定しており、さらに今後は、この解析エンジンをノキアのMECでも利用できるように準備を行なっている。

自動運転やエンタメ分野でも期待されるMEC

MECのメリット

 また、今後MECが活用される分野としては自動運転がある。MECを利用することで離れた場所などの補助的な情報をリアルタイムに送り、自動運転システムを向上させる取り組みもすでになされている。

 たとえば、自動運転で使われる高品質な三次元地図「HD Map」のデータは常にアップデートされており、クラウドに置かれている。車がエリアに入った際、そのエリアの地図情報を迅速にダウンロードするためにもMECのサーバーは有効だ。ノキアでは、前の車のブレーキング情報や、追い越し車線で後ろから車が来るといった情報をMECサーバーで通知するといったトライアルを、ドイツや中国で2015年からしてきた実績もある。

 今後ますます多方面へ広がっていくIoT分野において、ビッグデータのリアルタイム処理やセキュリティーの確保は必須条件となっていく。ノキアのMECは、APIを開示しているオープンなインターフェースのため参入もしやすい。

 冨永氏は、MECの可能性について「高解像度のストリーミングや、VR、ARといったエンターテインメントの分野でもリアルタイムに処理できる。MECのサーバーには、さまざまなアプリを載せることができ、IoTの分野でも活用が可能です。低遅延を実現できるノキアのMECを、スタートアップでも活用してほしいと思います」と話してくれた。

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