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スマホで進化する今どきのバイト探し——調べてわかったanとマイナビの違い

2017年10月03日 18時28分更新

文●D2Cスマイル

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20年前とアルバイト探しは大きく変わりました。スマホ時代の便利さと調査した利用実態を紹介します。

社会人になり、転職のための求人情報やサービスについては幾度か触れ、お世話にもなってきたので、どんな名前のどんなサービスがあるのかは何となく頭に浮かびます。

しかし会社員として働いていると、同じ求人情報でもアルバイトについては直接触れる機会がなく、気づくと20年ほどが経っていました。仕事柄、流行りのサイトやアプリ、広告を目にすることが少なくないので、今どきのアルバイト探しについても把握できているような気がしていたのですが、実はかなりぼんやりしていたので、現状と傾向を調べました。

何を今さらという感想になりますが、今どきのアルバイト探しは本当に効率的で羨ましいですね。

90年代のバイト探しはコンビニで買う情報誌と新聞折込だけ

私はネットが一般化する90年代がアルバイト全盛期で、能動的に情報を探すのは、ほぼ紙媒体でした。店先や学校内の掲示板に張り出された求人ポスターの他は、100円のアルバイト情報誌「FromA」と「an」、実家で購読していた新聞の折込チラシ「aidem(アイデム)」しか選択肢はありませんでした。FromAは、表紙いっぱい特大サイズの「A」が印象的で、巻末にはテレビ番組表もあったと記憶しています。

お小遣いを増やしたくてアルバイトするのに、お金を使わないと情報誌が手に入らないのです。アルバイトに限ることではないでしょうが、情報そのものが貴重でした。学食に集まった友達と回し読みして、学食の角にあった公衆電話から面接の予約電話を掛けたり、ケータイのカメラもないので必要なところだけ切り取り財布に入れて持ち帰ったりしました。

現代の主なアルバイト情報サービス

今どきのアルバイト情報サービスをざっとWeb検索すると、ものすごい数が挙がってきます。ネット環境があれば閲覧でき、情報そのものは無料です。眺めると、20年以上前に私もお世話になった歴史ある名称以外にも、LINEバイト、an、マイナビバイト、タウンワーク、フロム・エー ナビ、バイトル、イーアイデム、エンバイト、ジョブセンス、マイベストジョブ、アルバイトEX、バイトーク、くるくるバイト、シフトワークス、ショットワークスなど、テレビCM、ラジオCM、電車広告などで実は結構見聞きして名称は知っているものが多くありました。

オンラインでバイト探し

LINEバイトは、LINEのトーク画面で情報収集をして申込み、面接予約をして、合否まで完結します。便利すぎてポカンとしてしまいます。

LINEバイトに限らず、ネットサービスは登録した情報や、閲覧履歴の傾向からオススメのバイト情報を届けます。探さなければ得られなかったアルバイト情報は、ある程度の手続きを済ませれば情報が届くのです。

「アルバイト探し」ではなく「アルバイト選び」です。なんと効率のよい。情報コスト0、時間的コストも格段に圧縮され、更には採用が決定すると情報サービス側から一定額支払われる「祝い金」のような仕組みまであります。ジョブセンスはこのスタイルの先駆けで、採用側も成約して初めて広告掲載料を支払う仕組みです。こんなサービスも増えてきているようです。

オフラインでバイト探し

タウンワークは今でも「情報誌」スタイルを残し、Webサイトと情報誌に同時掲載されています。読み物コンテンツや特集企画が充実しているのも特徴ではないでしょうか。


TOWN WORK マガジン

近年のスマホ利用者数上位サービス

各サービスの特徴やサイトランキングなどはネット検索で情報収集ができるので、サービス利用者のデータを紹介します。

アルバイト情報を必要とする層のメインは学生と主婦です。ネットサービスにアクセスするツールはスマートフォンが中心だと想定できるため、アルバイト情報サービスにおけるスマートフォンでのサービス訪問者数上位サービスを調べました。

バイトル、タウンワーク、フロム・エー ナビ、マイナビバイト、an、イーアイデム、エンバイト、ジョブセンスといった、常時月間50万人以上が利用しているサービスで、今どきのアルバイト情報サービスの使われ方を紹介します。

多いサービスでは月間300万人超の訪問者がいるようです。他ジャンルのポピュラーなサービスで例えると、日経BP(nikkei BPnet:Brand)、オリコンスタイル(ORICON STYLE:Brand)、スシロー(Akindo Sushiro:Brand)などに近い訪問者数です。アルバイトの求人というテーマに絞られているにも関わらずかなりの規模ですね。
※いずれもMobile NetView 2017年8月度データによる集計

気になるLINEバイトの利用者データですが、今回の調査データではLINEバイトだけの利用者については数字が計測できませんでした。専用AppをDLせずに、LINE本体から使っているユーザーが圧倒的のようですね。

参考:もっとも直近のリリースでLINEバイトの会員数は1000万人を突破しています。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1581
(2016年11月時点)

男女別ユーザー比率

少々のばらつきはあれど、アルバイト情報サービスの利用は女性が男性を大きく上回っています。学生向けの求人に加えて主婦層にマッチする情報を多く扱うサービスほど女性比率が高い傾向にあります。女性は男性より掛け持ちの利用率が高い可能性があります。

ユーザー比率を都道府県で確認しましたが、求人件数が多い首都圏や都市部の比率が高いという傾向はどのサービスでも同じです。単月の結果なので、長期間だと異なる傾向があるかもしれませんが、比率1位の都道府県をみると、バイトル、エンバイト、ジョブセンスは東京、タウンワーク、フロムA、anは神奈川、マイナビは千葉、イーアイデムは大阪が1位と、面白い差がありました。各サービスが得意なエリアがイメージできます。

複数サービスで同時に情報収集

サービス間の訪問者重複を調べました。男女差があるかと思いきや大差はなく、男性よりも女性の掛け持ち利用が多いことで各サービスの女性率が高いという仮説は成立しませんでした。

全体でみると一定以上の重複は見られますが、8サービスの中で訪問者数が小さいサービスでも、バイトルやタウンワークに含まれない独自ファンの存在が確認できます。

重複率が際立っているのは、フロム・エー ナビ訪問者におけるタウンワーク利用率(69.5%)でしょうか。この2サービスは運営会社が同じリクルートジョブズです。同社2サービスを行き来して利用するメリットがあったり、価値の切り分けをしたりしているのかもしれません。

今どきのアルバイト探しとサービスが少し見えてきました。次の機会には、各サービスを選んだ理由や、複数のサービスの使い分けなどのリアルな利用態度を調べたいと思います。

(記事提供:D2Cスマイル

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