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熱交換器の汚れを凍らせて落とします:

日立 凍るエアコン白くまくん

2017年09月06日 17時30分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 こちら、10年間使ったエアコン内部の熱交換器です。

 汚いですね。

 熱交換器のギザギザしたフィンに、油汚れとともにほこりがこびりついています。風を吹きだすファン、通風路、風を吹き分けるフラップにも汚れがたまっています。

汚いですね
汚い

 汚れがたまると、風がくさくなり、電気代も上がります。いいことがありません。

 最近のエアコンにはフィルター自動お掃除機能がついているものが多いのですが、熱交換器のような内部パーツははずせないため、お手入れができませんでした。

 日立が6日に発表したエアコンは、お手入れの難しかった熱交換器を自動的にきれいにする機能をつけてきました。キーワードは「冷凍」です。エアコンが凍ります。

おねえさん(左)と白くまくん(右)

ステンレス・クリーン白くまくん プレミアムXシリーズ
冷房能力2.2kW~9.0kW
予想実売価格24~40万円前後
10月末発売
日立ジョンソンコントロールズ空調
http://kadenfan.hitachi.co.jp/ra/lineup/xseries_f/

 室内に人がいないときなど、エアコンが「熱交換器を掃除しよう」と判断すると、エアコン内部の熱交換器が、約マイナス15℃の冷たさに凍りついていきます。

 フィンについていたホコリや油汚れがしっかり氷でかたまったら、今度は逆に温度を上げて、氷を一気に溶かします。すると、春の雪どけのように、大量の水とともに汚れが流れていきます。汚れをふくんだ水はフラップの下についている雨どいのような受け皿を流れ、ドレーンを通じ、室外に流れ落ちていくしくみです。

凍った熱交換器
フィンが凍っています
氷が溶けると汚れも落ちます
このように

 ようするに汚れを凍らせて落とすしくみです。これは「凍結洗浄」という技術で、通常は半導体のウエハ洗浄などに使われています。

半導体ウエハ洗浄に使われる仕組みです

 汚れを落とすことで、

・能力の低下をおさえる
・電気代のムダをおさえる

 という2つの効果が期待できます。

 凍結から解凍にかける時間は20分間。そのあと乾燥をふくめると1回あたり2時間ほどかかります。電気代は1回7円程度、年間400円程度かかります。ちなみに、凍結洗浄中にエアコンを運転させると、いったん洗浄をストップさせ、エアコンが完全停止したあと、ふたたび凍結から洗浄を再開するそうです。念入りですね。

 汚れ具合はエアコンの設置場所によって変わってきます。たとえばキッチンに近い部屋は、寝室にくらべて油汚れがひどいとか。そこで、エアコンのセンサー「くらしカメラAI」が、コンロなどの熱源を見つけて「ここはキッチンに近い」などと判断。キッチンに近い部屋だと判断すると、凍結洗浄を2回くりかえします。

●凍結洗浄の回数
LDK:1回に凍結×2、1週間に1回程度
寝室:1回に凍結×1、2週間に1回程度

 凍らせるのは水の容積を増やすため。じつは、日立のエアコンは熱交換器の自動洗浄機能をもっていました。しかし、通常の結露水を使っていたため水の量が足りず、十分な洗浄能力がなかったのですね。同社の海外支部では、空調のにおい対策に凍結洗浄を試験的に使った例もあるそうですが、日本の空調機に採用するのは初です。

 あとは、地味ながら、くらしカメラAIを使った暖房機能も追加。足元をあたためたあと、体をよけるように風をまわして、包みこむようにあたためるというものです。白くまくんが得意とする、6枚のフラップと左右のルーバーを使った気流制御技術の1つです。

 エアコンを凍らせてキレイにするというのはなかなか意味不明でいいですね。日立はもともと内側にホコリのつきづらいステンレス加工をほどこすなど、お手入れ系の機能が充実していました。最近、エアコンの新機能は、AIだとか、IoTだとか、まだメリットがわかりづらい機能が多く、それより「半導体ウエハ洗浄技術を採用」という、つよそうなコンセプトのほうがグッときます。

 人がいないとき凍るそうなのですが、見ているときに凍ってほしいです。熱交換器をまっしろに染めていく氷の姿を愛でたいです。




書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味のカジメン。今年パパに進化する予定です。Facebookでおたより募集中

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