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ネットギアの製品担当幹部、刷新の目的や新しい監視カメラソリューションなどを紹介

10周年のReadyNAS、製品ポートフォリオの刷新で目指すもの

2017年10月10日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 新妻和久

提供: ネットギア

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 「ネットギアのネットワークビジネスは21周年、そしてReadyNAS製品は10周年だ」(チェン氏)――。この数カ月間、ネットギアではReadyNASの製品ポートフォリオを一気に刷新してきた。新しいモデルでは、サーバー向けCPUの採用、10ギガネットワークへの対応、ドライブベイ数の増加などの特徴が見られる。

 こうしたポートフォリオ刷新にはどういう戦略的な背景があるのか。来日したネットギアのReadyNAS製品担当幹部に、新ポートフォリオの狙いや今後のロードマップ、米国で発表された新しい監視カメラソリューション「Milestone Arcus(マイルストーン アーカス) on ReadyNAS」などについて聞いた。

米ネットギア ReadyNAS担当シニア・プロダクトライン・マネージャーのダグラス・チェン(Douglas Cheung)氏

――ReadyNASでは、昨年後半から次々に新しいモデルがリリースされ、ポートフォリオが刷新されています。その背景にはどのような顧客の変化があったのでしょうか。

チェン氏:ネットギアがメインターゲットとするカスタマー層はSMB(200名以下の中小規模企業)だ。これは従来と変わっていない。そして、われわれは常にカスタマーと対話し、カスタマーの声に耳を傾けてきた。

 そんな中で、ネットギアの顧客層においても2年ほど前から、とても大きな変化がグローバルに見られるようになった。「データ量の爆発的、かつ継続的な増大」と「これまでにないデータ価値の高まり」という2つのトレンドだ。

 その変化に対応して、ネットギアでは新しいReadyNASポートフォリオの開発を進め、昨年の第3四半期から順次販売を始めている。たくさんのモデルをリリースしているが、すべてに共通する特徴は「高パフォーマンス」「大容量」「高密度」という部分だ。

 さらに、ネットギア製品として最も大切にしている要素、「信頼性」と「セキュリティ」を加えて提供しているのが、ReadyNASの新ポートフォリオだ。

過去数カ月間、ReadyNASでは新モデルが次々と投入されてきた(左からRN426、RR4360、RN626)

――新しいReadyNASでは、10ギガビットEthernet(10GbE)対応の製品が標準的になってきていますね。

チェン氏:現在ではReadyNASポートフォリオの約6割が、10GbEに標準対応している。

 ご存じのとおり、ネットギアはネットワーク製品の会社であり、10GbEの適用領域をエッジネットワークへと拡大してきた。これは「10GbEが普及し始めたから」取り組んだのではなく、エッジネットワークでもやがて10GbEが必要になることを見越して、何年も前から取り組んで来たものだ。

 すでにエッジネットワークでは、PC向けの有線ネットワークが1GbEになり、さらに無線LAN(Wi-Fi)は11ac規格で1ギガビットを超えるスピードも出るようになっている。そうなると当然、多数のクライアントネットワークを収容するエッジの中心部は、1ギガビットのスピードだとボトルネックになってしまう。そこで、10GbE対応のスイッチを多数ラインアップしてきた。

 もちろんボトルネックの問題は、多数のクライアントが同時アクセスするReadyNASにおいても生じうる。そこで、ReadyNASにおいても10GbE対応を進め、10GbEスイッチと共に導入してほしいと提案している。10GbE対応ポートフォリオに関しては、今後も拡充していく方針だ。

「データのビジネス価値」はかつてないほどに高まっている

――先ほど、顧客企業では「データの『価値』も高まっている」とおっしゃいましたが、それはどういう意味なのでしょうか。

チェン氏:現在ではあらゆる企業において、データがビジネスの「コア」になっている。SMBでもその価値は変わらない。かつてはデータを失ってもビジネスはサバイブできたが、現在は「命取り」になりかねない。

 ネットギアは、企業ビジネスの「コア」を守りたいと考えている。

――データの「価値」に関して、どのような顧客事例があるでしょうか。

チェン氏:たとえば、マルチメディア制作スタジオの事例がある。この会社は6人のビデオアーチストを抱える小さな会社で、オーナー自身がビデオアーチストであり、IT管理者も務めている。

 この会社では、本当に高パフォーマンスなNASを必要としていた。なぜなら、6人が同時にNASにアクセスし、Mac上でビデオ編集を行い、さらにコラボレーション作業も行う必要があるからだ。

 同時に、最高水準のデータ保護機能も求めていた。彼らにとってはマルチメディアデータこそがビジネス価値の源泉であり、もちろん失ってはいけないものだ。しかも「マジカルモーメント」は、一度失ってしまえば取り返しがつかない。

――「マジカルモーメント」とは?

チェン氏:彼らはアーチストであり、理想とする映像が頭の中にある。それを最高のクオリティで具現化した映像――たとえば5秒間のキスシーン――が消えてしまったら、彼らの作品は台無しになってしまうだろう。ミュージシャンによる最高の演奏テイクや、ダンサーによる最高のダンステイクの映像データなども同じだが、失われてしまえば二度と取り戻せない。

 思考を途切れさせることなく作品に没頭できるNASへのアクセススピード、そしてマジカルモーメントを絶対に失わないデータ保護能力。この制作スタジオでは、そうした能力を求めてReadyNASを導入し、とてもハッピーに使ってもらっている。

 かけがえのないデータと言えば、ウェディングフォトを撮影するある会社でもReadyNASを導入している。先ほどの例と同じように、ウェディングは誰にとっても一生に一度きりのマジカルモーメントだからね。

簡単導入できる新しい監視カメラソリューション「Milestone Arcus」

――先ごろ米国で発表された「Milestone Arcus(マイルストーン アーカス) on ReadyNAS」について教えてください。

チェン氏:マイルストーン社は、VMS(Video Management Solutions)市場の世界的なリーダーだ。スケーラビリティと映像データの保護とを併せ持つVMSソフトウェアを提供している。そのマイルストーンとネットギアが協業し、ReadyNASと組み合わせた監視カメラソリューションとして提供するのがMilestone Arcus on ReadyNASだ。

新しい監視カメラ/VMSソリューション「Milestone Arcus on ReadyNAS」

 業界標準のONVIF(Open Network Video Interface Forum)仕様に対応した、およそ500種類のIPカメラが接続可能であり、最大100台までのHDカメラをサポートしている。カメラ映像はPC/MacのWebブラウザやモバイルアプリから監視可能だ。そして、カメラ台数や録画容量に応じて幅広い法人向けReadyNAS(ReadyNAS 420/520/620シリーズ、ReadyNAS 2304/2312/3138/3312/4312X/4360X)から選択できる。

――SMBカスタマーもターゲットとした監視カメラソリューションとのことですが、導入は簡単なのでしょうか。

チェン氏:ReadyNASの管理者ページでアプリケーションをダウンロードすれば、LAN内のIPカメラを自動検出(オートディテクト)し、すぐに運用が開始できる。インタフェースは日本語表示にも対応しているよ。

 ライセンスはカメラ1台/4台/8台単位で購入できる。60日間の無償試用ライセンスも提供しているので、ぜひとも試してみてほしい。

ReadyNAS上でMilestone Arcusのソフトウェアが稼働するため、IPカメラとPoEスイッチを接続するだけで簡単に構成できる

――ReadyNAS製品に関して、今後のロードマップや新製品情報を教えてください。

チェン氏:これからも「高パフォーマンス」「大容量」「高密度」をキーワードに、ReadyNASポートフォリオを拡充させていく。もちろん10GbEの製品もだ。まだ詳しくは教えられないが、新モデルの予定もたくさんある。楽しみにしておいてほしい。

(提供:ネットギア)

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