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基礎知識から選び方まで! iPhoneで使うBluetoothオーディオ 第1回

iPhoneで音楽を聞くなら絶対Bluetoothヘッドフォン! その理由を解説!

2017年08月29日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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Bluetoothではハイレゾ音源の再生はできない

オーディオテクニカの「ATH-DSR9BT」。「apt-X HD」に対応する(現状では)数少ないヘッドフォンだ

オーディオテクニカの「ATH-DSR9BT」。「apt-X HD」に対応する(現状では)数少ないヘッドフォンだ。実売価格は5万9000円前後

 もう1つ問題があるとすれば、iPhoneでハイレゾ再生をしようと思うとBluetoothでは難しいこと。

 Bluetoothヘッドフォンは音質についても、着々と進化してきた。前述のSBCによる音質劣化や圧縮にともなう音声の遅延については、低遅延と高音質を実現した「apt-X」という圧縮方式がサポートされ、オーディオプレーヤーや高音質なBluetoothヘッドフォンなどが採用しはじめた。

 また、「LDAC」(最大96kHz/24bitで伝送可能)や「apt-X HD」(最大48kHz/24bitで伝送可能)などのBluetooth用高音質コーデックが登場してきており、これらはハイレゾ相当の音質で再生できる。ただ、一部のAndroidスマホはこれらを利用できるが、iPhoneがサポートしているのは、SBCとAACのみ。

オンキヨーの「HF Player」など、iPhoneでハイレゾ音源が再生できるアプリはあるが、別途外付けのUSB DACが必要となる

オンキヨーの「HF Player」など、iPhoneでハイレゾ音源の再生に対応できるアプリはあるが、別途外付けのUSB DACが必要となる

 AACファイルの音源ならば再変換なしかというとそうではなく、一度PCMに戻してから再度AAC変換されて伝送となるので、コーデックとしての音質は優れるが再変換による音質劣化の懸念はある。

 とはいえ、これはワイヤレスをとるか、絶対的な音質をとるかの選択なので、絶対的な高音質を求めるならば、有線接続が優位となる。日常使いはBluetooth、真面目に音楽を聴くときは有線と使い分ける必要があるだろう。

次回はBluetooth対応のヘッドフォン/イヤフォンをタイプ別に紹介!

 今回はBluetoothのお勉強が中心になってしまったが、何気なく使っているワイヤレス技術のことを改めてよく理解できたと思う。

 Bluetoothのオーディオ機器はヘッドフォン/イヤフォンに限らず、カジュアルなオーディオでは欠かせないものとなっている。その気軽な音楽リスニングを一度試してみてほしい。

 次回は、そんなBluetoothヘッドフォン/イヤフォンを紹介。単なるワイヤレスというだけでなく、実はさまざまなスタイルもある。そんなモデルの違いについても紹介していく。

iPhone 7で有線ヘッドフォン/イヤフォンを楽しむ!

パイオニア「RAYZ Plus」と「RAYZ」

 iPhone7ではそもそも有線接続ができない、と思われがちだが、ここでBluetooth以外の選択肢を紹介しよう。1つはLightning接続タイプのイヤフォンだ。

 パイオニアの「RAYZ Plus」(SE-LTC5R、同2万円前後)と「RAYZ」(SE-LTC3R、実売価格 1万5000円前後)は、48kHz/16bitのデジタル接続が可能なイヤフォン。音質的には優位と言っていい。

 しかも、Lightning接続タイプのモデルは今までにない高機能も大きな特徴となる。まず、電力はiPhoneから供給されるので充電などは不要。Siriを呼び出して音声操作ができるといったスマート機能もある。

 RAYZの場合は、ノイズキャンセル機能を持ち、好みのアプリを起動できるスマートボタンなどの機能もある。専用アプリを使ってこれらの機能をカスタマイズすることも可能だ。

 このほか、イヤフォンが外れたら自動で音楽再生を停止するといった便利な機能まで盛り込まれている。単なるヘッドセットというよりもかなり高機能を実現できるのだ。

 スタイルとしては、今までの有線接続に近いものだし、高機能もなかなか注目だ。問題点があるとすれば、完全にiPhone専用でほかの機器では使えない点くらいだ。

OPPO「HA-2SE」(実売価格 4万4000円前後)

OPPOのポータブルヘッドフォンアンプ「HA-2SE」(実売価格 4万4000円前後)

 もう1つの選択肢は、音質を最優先したもの。ポータブルヘッドフォンアンプ(ポタアン)を追加して音楽再生をするスタイルだ。

 ポタアンの種類にもよるがデジタル接続によるハイレゾ再生も実現できるし、今まで使っていたヘッドフォンやイヤフォンがそのまま使えるというメリットもある。

 持ち歩く機器が2台になってかさばりやすい点や、ポタアンの充電が必要など、決していいことばかりではないが、音の良さにこだわる人のためのスタイルだ。

 こちらの方は、今までのノウハウがそのまま使えるので、再生用アプリの選択や優れたポタアン、ヘッドフォン/イヤフォンの選択など、自由に音質を追求してもらいたい。

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