このページの本文へ

国内でもインダストリー事業を本格展開開始、産業向け製品拡充とソリューション提供

シュナイダーがIIoT/スマートファクトリー支援部門を立ち上げ

2017年08月25日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 シュナイダーエレクトリックは8月23日、国内で新たに本格展開を開始するインダストリー事業(産業オートメーション事業)の戦略説明会を開催した。海外で販売しているPLC(プログラマブルロジックコントローラー)や業種向けアプリケーションなどの製品を国内でも展開開始するとともに、IIoTプラットフォーム「EcoStruxure Machine」をベースとした自動化や稼働分析のソリューションを提供することで、顧客製造業におけるIIoT/スマートファクトリーの実現と課題解決をサポートしていく。

従来の「Pro-face」以外にもインダストリー製品群を拡充し、マシンソリューションの展開へと歩を進めていく
シュナイダーエレクトリック 日本統括代表のシャムス・ゼン(Sjamsu Zen)氏シュナイダーエレクトリック インダストリー事業部VPの勝村友一氏

 シュナイダーのビジネスは、ビルディングオートメーション製品、データセンター/サーバールーム(IT)製品、インダストリー製品、インフラ(エネルギー事業向け)製品の4領域で構成されている。

 同社 日本統括代表のシャムス・ゼン氏は、グローバルなエネルギー需要の高まりと厳しいCO2削減目標を前提に、これからエネルギー効率化の取り組みがグローバルでますます必要とされることを説明。シュナイダーでは、エネルギーマネジメントとオートメーション化のソリューション提供を通じて、この国際的な目標達成に貢献していることを述べた。

 4領域の事業のうち、インダストリー事業はグローバルでは売上構成比22%(2016年)を占める規模だが、これまで国内では、子会社のデジタルを通じて「Pro-face」などのHMI製品だけを販売してきた。今回新たに、シュナイダー日本法人内にインダストリー事業部を立ち上げるとともに、9月1日付でデジタルを合併し、Pro-faceブランドのHMI製品を含めた製造業向け製品ポートフォリオを本格展開していく。

すでにHMI市場で高いシェアを持つ「Pro-face」以外の製品ポートフォリオも国内販売を開始し、トータルオートメーションの実現を支援する

 同社 インダストリー事業部VPの勝村友一氏は、国内FA製品市場はおよそ4700億円規模あるが、これまではその一部分であるHMI製品しか提供してこなかったと説明。顧客企業のグローバル対応ニーズやIIoTへの動きを背景として、他の製品分野へもポートフォリオを大幅に拡大していくことを説明した。すでに7月には第一弾製品として、小規模装置向けのPLCを国内発売している。

 なお、主要なターゲット顧客としては、エンドユーザーではなく、FA製品市場で販売先の8割を占めるセットメーカー(各種部品を購入してシステムとして組み立て、エンドユーザーに販売するベンダー)を狙うとしている。

ネットワーク接続できるデバイス群やPLCなど、製品ポートフォリオを大幅に拡充

 主な事業展開拡大戦略として、勝村氏は「グローバル網を活用した国内企業の海外展開サポート」「高い市場シェアを持つPro-faceとのシナジー」「ターゲットセグメント向けのマシンソリューション展開+パートナー施策」の3つを挙げている。

 こうした取り組みに基づき、国内におけるインダストリー事業を「2020年までに20%成長」させることが目標だと述べた。

既存/新規顧客、既存/新規製品の4象限と、特に注力する3つの国内展開戦略

 国内企業の海外展開サポートに関しては、上場企業/輸出比率20%以上の企業群(600社以上)をターゲットとして、100カ国以上に展開するシュナイダーのグローバルネットワークを活用し、海外においても国内同様のサポートを提供する。加えて、グローバルな規格をカバーする製品群、さらにグローバル各国における企業とのアライアンスも強みだとした。

 Pro-faceとのシナジーでは、200万台超が導入されているPro-faceの既存顧客基盤を生かし、単なるプログラマブル表示器としての利用から、より高度なソリューションへの展開を提案していく。PLCなど他社製品も含め接続/制御できるPro-faceの強みを生かし、SCADAなどのソフトウェア製品の追加による高度化を目指す。

 ターゲットセグメント向けのマシンソリューション展開としては、6つのターゲットセグメント(包装機、搬送機、加工機、ホイスト、ポンプ、空調冷凍、食品飲料)に絞り込み、各顧客セグメントに対応したアプリケーションを含むソリューションを提供する。

6つのターゲットセグメントに絞り込み、それぞれが必要とするマシンソリューションを「EcoStruxure Machine」プラットフォームで提供していく

 ちなみにPro-face連携ソリューションとして「Ecostruxure Augmented Operator Advisor」を8月末から国内販売することも発表している。このソリューションでは、タブレット(iPad)を利用し、現場でのメンテナンス時にリアルタイム映像と、Pro-face内に蓄積されたデータや仮想オブジェクトを重ねて表示させることで、生産現場における保守作業をAR技術で効率化し、ヒューマンエラーを削減する。

生産現場の保守作業をAR技術で効率化する「Ecostruxure Augmented Operator Advisor」

 勝村氏は、シュナイダーのインダストリー向けポートフォリオでは、ソリューションを構成するセンサーデバイスからモータードライバ、PLC、HMI、UPS、全体を統合管理するソフトウェアまで、網羅的にコンポーネントが揃っていることを紹介。その一方で、Pro-faceなどにおいてはサードパーティ製品との接続にも対応しており、「新規導入ならば全製品を提供できるが、既存の設備を生かしながらより高度なソリューションを構築することもできる」と説明した。

 「他社製の古い装置がある顧客の場合、EcoStruxure Machineを通じてIoT化することができ、上位レイヤー(アプリケーション)にデータを吸い上げられるようになる」(勝村氏)

 なお、ターゲットセグメントに対するマシンソリューションの提供は、2018年から本格化する予定。今後、各セグメントに対する販売体制を強化するために、自社エンジニアおよび外部パートナーを整備していく。「2020年までに、各セグメントに対し社内専任エンジニア5名+外部パートナー5社」の体制を整えるのが目標だとしている。導入を容易にする基礎構成図(認証済み構成、TVDA)も順次用意し、パートナーやエンドユーザーに提供していく予定もあるとした。

カテゴリートップへ

ピックアップ