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プリンストンが販売する高機能ストレージ「Drobo」を活用しよう 第28回

Drobo 5N2の自動バックアップ「Drobo DR」を色々テスト

Drobo DR再び-ディザスタリカバリーの実地訓練

2017年08月31日 11時00分更新

文● 飯岡真志、編集 ●金子/ASCII.jp

提供: プリンストン

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実地訓練その2

 反対に、ターゲット側のDrobo 5N2が故障してアクセスできない場合はどうなるか? 結論から言うと、故障に気づかずにバックアップを開始しようとして失敗し、その結果がログに残るのだ。

Drobo Dashboard上でDrobo DRのログを確認すると、バックアップに失敗していることが判明

 この場合は、とりあえずソース側のDrbo 5N2を通常運用しつつ、ターゲット側のDrobo 5N2(新たに発注したか、または修理から返ってきたもの)が手に入ったら、Drobo DRのターゲット側の設定をやり直してやれば良い。

さらにいろいろやってみる

 以上のように、Drobo DRを構成している状況でどちらかのDrobo 5N2がネットワークから切り離されたとしても、簡単な手順でリカバリーが可能なことが分かった。ここから先は、Drobo DRの構成で運用していてもまず起きないレアケースについても試してみた。

 まず、Drobo DRでバックアップを実行している最中にターゲット側のDrobo 5N2にアクセスできなくなった状態を試してみた。本来なら30秒程度でバックアップが完了する状況で、15分ほど「DroboDRが進行中」の状態が続いたのち、終了した。ログにはもちろんエラーが記録されていた。

バックアップ中にネットワークから切り離すと15分ほどこの状態が続く

 ターゲット側はバックアップされるファイルが途中までコピーされた状態になっているはずなので、それを確認するために再度ネットワークに接続させてみた。

 そのファイルはISOイメージだったので、そのままマウントしてみたが、特にエラーも出なかった。コピー元と比較してファイルサイズも同じ、ハッシュを計算してみても同じ値になった。ログファイルを見ても、特に記録は残っていなかったが、おそらく再度ネットワークに接続した際に、自動的にリジュームしてくれるということなのだろう。

 次に試したのは、「ソース側で使用されている容量よりも、ターゲット側の容量が少ない状態でDrobo DRを実施するとどうなるか?」だ。ソース側の使用状況は約133GBなのに対して、ターゲット側は約115GBの実効容量にして、バックアップを実行してみた。

ソース側の使用状況は133.34GB

 当然だが、Drobo Dashboard上でターゲット側のDrobo 5N2の空きがどんどん減っていき、最終的には空きなしの状態になった。

使用領域100%の状態になった

 こちらもしばらくは「DroboDRが進行中」の状態が続いたが、特にエラーも出ないで終了した。Drobo Dashboard上でログを見ても、「成功しました」とある。

 どうしてこうなるのか、完全に判明するとこまでは詰められなかった。Droboは搭載しているHDDの組み合わせによっては、使用しない容量が生じることがある。データ保護できていない状態でとりあえずこの部分に保存しているのかもと予想したが、確認はできていない。

 その後ターゲット側のDrobo 5N2にHDDを追加すると、ちゃんとターゲット側の使用状況もソース側と同じ値になった。このあたりはDroboが自動で進めてくれたということだろう。実際の運用ではまず起きない極端に人工的な状態なので、そんなに気にしないでおくことにした。

 実際にDrobo DRを構成した状態から、メインのDrobo 5N2が使えないというディザスタからリカバリーする手順を試し、非常にシンプルな手順でスイッチオーバー(手動切り替え)できることが分かった。結論は前回と一緒になるが、「止められない」ストレージが必要な状況であれば、2台のDrobo 5N2によるDrobo DRはお得な選択肢と言える。

NASモデルやサーバールーム向けモデルもラインアップ

 Droboシリーズには、家庭向けからサーバーとの接続に使うハイエンドストレージまで、多くの製品を用意している。ここでは、大企業の部門/中小企業から、家庭でも使える製品を紹介しよう(写真をクリックすると、メーカーページに飛びます)。

2016年9月に登場した「Drobo 5Dt」。「Drobo 5D」の5ベイ搭載や64TB・4Kn HDD対応などはそのままに、インターフェイスのThunderboltが「Thunderbolt 2」の強化(USB 3.0も搭載)。また、標準でキャッシュ用SSDを搭載する

2016年11月に発表されたばかりの「Drobo 5C」。手軽に購入できるモデルながら、HDDベイはDrobo 5DtやDrobo 5Nと同じく5ベイを搭載し、もちろん64TB・4Kn HDD対応だ。インターフェイスに、USB 3.0の「type-Cコネクター」を採用する点も大きな特徴となる

DroboAccessをはじめとするDroboAppsが利用できる、8ベイ搭載NASモデル「Drobo B810n」。Gigabit Ethernetポートを2基搭載し、複数のネットワークへの接続やリンクアグリゲーションが可能。4Kネイティブ(4Kn)HDDに対応しており、最大ボリュームサイズは64TBに達する。アクセス頻度の高いファイルを自動的にSSDへ配置し体感速度を向上させる「Automated Data-Aware Tiering(自動最適配置機能)」も搭載だ

iSCSI SAN、冗長化電源などに対応し、12ベイを搭載する企業向けモデル「Drobo B1200i」

(提供:プリンストン)

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