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最新スマートグラスで、名作アニメとその舞台を大満喫!!

「MOVERIO BT-300」を装着して、「この世界の片隅に」の舞台・広島へ

2017年09月04日 11時00分更新

文● MOVIEW 清水 編集●ハイサイ比嘉

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 すでに70年以上が経過したとはいえ、広島・長崎への原子爆弾が投下された8月6日と8月9日、そして太平洋戦争の終戦を迎えた8月15日と、8月は日本人にとって特別な日が続いた。その戦時中、物資が乏しい中で家族を支え、懸命に生きたすずの姿を描いた劇場版アニメ「この世界の片隅に」。今回、本作の舞台となった広島を訪れるにあたり、作品の中に登場する場所に行ってみることにした。

 この旅のお供として持っていったのが、エプソンのAR型スマートグラス「MOVERIO BT-300」だ。「MOVERIO BT-300」は、エプソン独自開発のシリコンOLEDディスプレイを新採用したおかげで、映像がさらに美しく表示されるようになっている。さらに、メガネ型デザインである点も活かし、アニメのロケ地ならではの臨場感に浸りながら、目の前にアニメ映像を表示させ堪能しようというワケだ。そのデザインの特性上歩きスマホ状態を避けられるので、周囲の方に迷惑をかける心配が少ない点も重要だろう。スマートフォンのテザリング機能やモバイルルーターと組み合わせることでネット接続が可能となるため、旅行中大きな荷物にならずに済むのがうれしいところ。

エプソンのAR型スマートグラス「MOVERIO BT-300」

広島へは飛行機で移動。空港内のラウンジでさっそく「MOVERIO BT-300」を起動、現地の天気を確認してみる。梅雨のため、かなり不安定なようだ

「MOVERIO BT-300」を使って航空機内で映画を鑑賞!

 「この世界の片隅に」(原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊))は、片渕須直監督が6年の歳月をかけて作り上げたアニメーション映画で、当初63館という公開規模にも関わらず、200万人以上を動員したヒット作。第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞したほか、第41回アヌシー国際アニメーション映画祭など海外の映画祭にも出品。海外でもシンガポール、マレーシア、メキシコ、イタリア、台湾、アメリカで公開され、この後、フランスでの公開も決定している。

 本作に登場する舞台は、広島県の広島と呉。映画自体は映画館で観ているものの、すでに半年以上前であり、広島に着く前にもう一度観て、これから訪れるロケ地を確認しおきたい。エプソンのスマートグラス「MOVERIO BT-300」と、アイ・オー・データ機器のポータブルDVDドライブ「DVDミレル」を組み合わせてDVDを鑑賞することも考えたが、荷物をひとつでも少なくするために今回「DVDミレル」は持ってきていない(そもそも、「この世界の片隅に」のBlu-ray・DVDは9月15日発売のため、記事執筆時点ではまだ発売されていない)。そこで今回は、動画配信サイトで「この世界の片隅に」を観ることにした。

 詳細は各航空会社の電子機器に関するアナウンス・注意事項を参照してほしいが、航空会社や航空機のタイプによっては有償でWi-Fi接続サービスを提供するようになっている。「MOVERIO BT-300」を使ってインターネットに接続すれば、動画配信サイトも活用できるというわけだ。さっそく「この世界の片隅に」を配信している「Amazonプライム・ビデオ」アプリを使って映画を鑑賞してみた(「Amazonプライム・ビデオ」アプリは、「Amazonアプリ完全版」導入後にインストールする必要がある。詳細は「「MOVERIO BT-300」でAmazonをしゃぶりつくす!」を参照)。

 また「Amazonビデオ」の場合、映像作品によっては(「MOVERIO BT-300」に挿した)microSDカードにダウンロードしておき、航空機内でゆっくり視聴するということも行なえる。

「Amazonプライム・ビデオ」アプリで「この世界の片隅に」を探す。価格は、SD画質で2000円(税別)、HD画質で2500円(税別)だ

キャビンアテンダントさんに映画を観ている様子を撮影してもらった。「それなんですか?」と尋ねられたので、「MOVERIO BT-300」についてざっと説明したところ、興味津々のご様子。うまく活用すると出会いツールにも使えるかも?

 「この世界の片隅に」は2時間強の映画。広島までの移動では時間が足りず、最後まで観ることがかなわなかった。残りは広島で観ることにした。

「この世界の片隅に」のロケ地を巡る

 まずは広島市内のロケ地に向う。アニメの中に登場する場所については、映画パンフレットに掲載されているロケ地マップと、スマホアプリの「舞台めぐり」を参考にした。まずは江波。ここはすずの実家があった地域で、広島市街地の南のほうになる。

「舞台めぐり」を「MOVERIO BT-300」にMiracastで表示。ARアプリ「舞台めぐり」より『この世界の片隅に』 (C)舞台めぐり (C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

実際の風景にアニメの絵を重ねながら比較できるので、当時はあそこに看板が掲げられていたのだということがわかる。この松下商店は現在閉店しているとのこと

 このように、当時と変わってしまった場所、当時のまま残っている場所と、見比べながらのロケ地巡りは様々な発見があっておもしろい。次に向ったのは、中島地区。原爆による被害がもっとも大きかった地域で、まさに街ごと消滅してしまった場所だ。

平和記念公園の慰霊塔。奥に原爆ドームが見える。この公園は中島本町であったところが原爆によって消滅、その後公園として整備された場所になる

平和記念公園のレストハウスで配られている「この世界の片隅に」ロケ地マップをゲット。このロケ地マップは配布開始後すぐになくなってしまい、増刷したという

 レストハウスで手に入れたロケ地マップを見てみると、現在公園となっている中に、たくさんの家が建っていたことがわかる。レストハウスの建物は元大正屋呉服店。中島本町では唯一現存する建物だ。

原爆ドームの名前で知られる、広島県産業奨励館跡。すずがスケッチしているシーンでも登場した。左側にかかっている橋は相生橋で、実はこの橋も作品の中で登場する

作品に登場する広島県産業奨励館

「MOVERIO BT-300」に表示したアプリ「舞台めぐり」の画像と重ねてみる。写真ではわかりにくいものの、原爆ドームの右側にアプリの画面が表示されている

「MOVERIO BT-300」に表示させた「舞台めぐり」の画面はこちら。ARアプリ「舞台めぐり」より『この世界の片隅に』 (C)舞台めぐり (C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

どうせならと思い、飛行機で観きれなかった映画後半をここで観ることに

 今回、「MOVERIO BT-300」のネット接続については、スマートフォンのテザリング機能を利用しており、かなり快適に観ることができた。また、周囲が明るいと表示映像が観にくい場合があるため、外光の透過を抑える「シェード」(製品付属)を利用するといいだろう。原爆ドームを臨みながらの「この世界の片隅に」後半は、映画館で観るのとはまた違う感慨を味わうことができた。

「MOVERIO BT-300」には、外光の透過を抑える「シェード」が付属している

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