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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」第178回

無料の終わりと、購読型でデジタルライフを構成する時代

2017年08月22日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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 フリーミアムモデルは、ネットやモバイル時代に非常に有効となったビジネスモデルでした。最初は無料でアプリを試してもらい、気に入った人、良い深く、長く使いたい人は有料サービスを利用するというものです。

OS標準のメモアプリでクラウド経由の共有が可能になるなど、Evernoteは無料モデルの維持が危ぶまれているサービスです

 ただ、このモデルには規模が必要です。有料課金してくれる人の割合が1%だとすると、残りの99%の人たちが使う分を含む、運営や新機能の開発といったさまざまなコストを、その1%の人たちからの収入でまかなわなければならないからです。

 1%の人たちからの収入を運営費が超えてしまえば、投資を受けない限りはサービスが継続できなくなります。

 余談ですが、「99%」という言葉が耳に残っています。リーマンショックから米国社会が立ち直ろうとしているとき、1%のお金持ちが大半の富を占有している、というプロテスト活動のキャッチフレーズだったからです。

 この活動では99%側の人が怒りに満ちていましたが、フリーミアムのモデルの中では、1%側の人たちの心配が目立ちます。課金してまで使っているサービスが、課金していないユーザーの増加やその他の要因がために継続できなくなってしまってはどうしようということです。

有料サービスをいくつ使っている?

 さて皆さんは、有料アプリや購読型のサービスを、スマートフォンの上でいくつ利用しているでしょうか。

 映像や音楽のストリーミングサービスは、複数利用している人も少なくないでしょう。筆者の場合、Apple MusicとNetflixに加入していますが、一昔前はNetflixではなくHuluを使っていました。 クラウドストレージ、メモサービス、ビジネスやクリエイティブのアプリ、ソーシャルメディア、IP電話など、多様なサービスが存在していますね。

 個人的にお得だと思うのは、MicrosoftのOffice 365。個人向けの場合、オフィスアプリの購読料に1TBのOneDriveストレージと、Skypeの毎月60分無料通話がバンドルされてくるため、DropboxやほかのIP電話のサービスをやめて、Office 365に一本化してしまいました。

 また、Adobe Creative CloudやEvernoteなども、購読プランに入っています。どれも日常的に使っていて、なくなっては困るサービスという位置づけ。まあ使わないサービスに契約する必要はないわけです。

購読制のメリットとは

 AdobeにしてもEvernoteにしてもOfficeにしても、購読型のサービスはずっとコストがかかり続ける、というネガティブな印象はありますが、一方で「使わなくなったらその時点で解約できる」というメリットもあります。

 いま、筆者が使っているサービスの中で、若干危うい立場にあるのがEvernoteです。

 iOS 11をiPad Proに導入すると、Apple純正のメモ(英語ではNotes)アプリが大幅に進化し、ロック画面をApple Pencilでタップすればすぐに手書きメモが開始できます。また文書のスキャン機能を備えたり、共有メニューからさまざまなアイテムを簡単に追加できる仕組みを備えるなど、かなり機能強化が目立つようになりました。

 Evernote自体はアプリは無料ですが、月額プランによって使える機能や保存できる容量が変わります。このまま純正のメモアプリで“いける”と思ってしまったら、Evernoteのサブスクリプションはカットしてしまうことになるでしょう。

 こうしたプランの見直しが可能な購読型サービスは、前述のようなネガティブな印象だけでなく、今必要なものをすぐに試す、ワンポイントで活用するといった自由度も提供してくれます。

 HuluとNetflixを行ったり来たりしているのもその理由で、見たいドラマを一通り見終えたら、もう一歩のサービスに移ってそちらの新作を楽しむ、という繰り返しを数ヵ月に1度することで、配信プラットホームの両方を楽しめるわけです。テニスシーズンになれば、テニス専門チャンネルに契約して4大トーナメントを楽しめば良いし。

 もし自宅のテレビのためにケーブルテレビに加入した場合、その業者でチャンネルを追加する以外に選択肢はありませんからね。

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