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麻倉怜士のハイレゾ真剣勝負 第15回

定番高音質レーベル2Lから、アリスまで

麻倉推薦:斬新な売り方にも注目したい反田恭平のピアノ

2017年07月30日 11時00分更新

文● 麻倉怜士 編集●HK(ASCII)

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『1967 - Sunshine Tomorrow』
ビーチ・ボーイズ

 65曲も収録されているビーチボーイスマニア垂涎のライブ&アウトテイク集。1967年の2つのアルバム『ワイルド・ハニー』、『スマイリー・スマイル』に関する新ミックス、アウトテイク、別ヴァージョン、ライヴ・バージョン、リハーサル音源の集大成だ。

 48曲目「スルーブジョンB」。1967年の音源なので、音のボケや帯域の狭さはあるものの、ビーチボーイズならではのコーラステクニックの凄さは十分に聴ける。52曲目「グッド・バイブレーション」も、ここまで多重な合唱を実行する技量はまことに素晴らしい。ファン向けのアルバムだが、当時の他アーティストの作品も収録されているので、多彩に楽しめよう。

FLAC:88.2kHz/24bit
Capitol Records、e-onkyo music

『Best Songs 1981-2017 ~Live in 春日大社~』
薬師丸 ひろ子

 2016年9月25日に奈良県春日大社で行われたライブ。屋外録音なので、スタジオ的な精密さ、精緻さは望めないが、ライブならではのノリの勢いや、盛り上がりの雰囲気はまた音質とは別の次元の貴重な価値だ。薬師丸の艶とグラテーションと華やかな音の色は、やはりライブではなかなか捉えるのが難しい。本来なら、ひじょうにディテールな部分、微細なニュアンス部分まで分かると、より薬師丸の作品として音質的に聴き応えがあるものに仕上がったとは思うが、しかし、ライブならではのアーティキュレーションや、感情の表出もたいへん貴重だ。

WAV:96kHz/24bit、FLAC:96kHz/24bit
VICTOR STUDIO HD-Sound.、e-onkyo music

『アリス・ザ・ベスト ~遠くで汽笛を聞きながら~』
アリス

 音作りがたいへん面白い。1曲目「冬の稲妻」バックのギター、ベース、ドラムスはハイレゾらしく、とても明瞭でハイファイ調なのだが、ヴォーカルだけが、歌謡曲的な塊感と響きの多さ、中域のキラキラさが特徴的だ。

 いずれにせよ、アリスの音源に親しんだ向きにとっては、ハイレゾといっても、これまでとはまったくテイストが異なるものではなく、その延長線上の音として親しめよう。4曲目「今はもう誰も」は、バックも含めてトータルで歌謡曲的な音調だ。中域にエネルギーが集中している。

FLAC:96kHz/24bit
USM JAPAN、e-onkyo music

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