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VPN&NAS機能が高性能過ぎる機能てんこ盛りのWi-Fiルーターをレビュー

2017年08月09日 20時15分更新

文● 平澤寿康 編集●ジサトラ ハッチ

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RT2600ac本体は、サイズは280×169×77mmとかなり大きい。基本的に縦置きには対応しておらず、置き場所確保には苦労しそう

 Synologyは高性能NASキットが有名で、ハイエンドユーザーを中心に、NASと言えばSynologyと言われるほどにメジャーとなっている。そんなSynologyから、ハイエンドなWi-Fiルーターが登場。それが「RT2600ac」だ。北米などでは2017年初頭より発売済みの製品だが、今回満を持して日本市場への投入となった。

最大1733Mbpsの無線LAN通信に対応し、2系統のWAN同時利用も可能

 Synology製のNASが、ハイエンドユーザーから多大な支持を集めている理由、それは競合製品を圧倒する豊富な機能や拡張性を備えているからだ。標準状態でも一般的な家庭向けNASを圧倒する機能を網羅するだけでなく、「アドオンパッケージ」と呼ばれる専用アプリによって、購入後に自在に機能強化できるという点が受けているわけだ。

 そして、今回日本初登場となったSynologyのWi-Fiルーター「RT2600ac」にも、そのDNAがしっかり受け継がれている。ハイエンドモデルらしく、競合製品を圧倒する非常に豊富な機能を網羅するだけでなく、こちらもアドオンパッケージを追加することで機能強化できるようになっている。

 その特徴的な部分は後ほど紹介するとして、まずはWi-Fiルーターとしての基本的な機能面を紹介しよう。

 RT2600acは、802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANに対応するWi-Fiルーターだ。無線LANの通信規格としては802.11ac Wave2に準拠。4×4 MIMO通信に対応し、速度は2.4GHz帯域では最大800Mbps、5GHz帯域では最大1733Mbps。もちろん、2.4GHz帯域と5GHz帯域の同時利用できる。

802.11ac Wave2対応で、4×4 MIMO通信に対応。通信速度は5GHz帯域が最大1733Mbps、2.4GHz帯域が最大800Mbpsで、5GHz/2.4GHz同時通信もサポート。大型アンテナ4本で、電波もよく飛びそうだ

 また、ビームフォーミングやマルチユーザーMIMOもサポートしており、最新のハイエンドWi-Fiルーターらしい仕様となっている。さらに、2.4GHz帯域と5GHz帯域のSSIDを共通化し、無線状況を監視しながら最適な帯域を自動選択する「スマート接続」という機能も用意されるなど、機能面は非常に充実している。本体外部には、大型のアンテナを4本装着するようになっており、広範囲に無線が届くように配慮されている。

2.4GHz帯域と5GHz帯域の無線LANを同じSSIDで運用し、自動的に最適な帯域を選択し接続する「スマート接続」機能も用意

 有線LANは、ギガビットイーサネット対応のWANポートが1ポートと、同じくギガビットイーサネット対応のLANポートを4ポート備えている。そして、4つあるLANのうち1番のポートは、2系統目のWANポートとしても利用可能となっており、2系統のWANを同時利用できるという特徴がある。これによって、2系統のWANそれぞれにデータ通信を割り振って負荷を分散したり、一方をバックアップ用としてトラブルに対処するといった利用が可能となる。

WANポートと4ポートのLANポートを備え、双方ともギガビットイーサネット対応。また、LANの1番ポートは2番目のWANポートとしても動作する
2系統のWANを利用して負荷分散したり、一方をバックアップとして利用するなどの活用が可能

 内部の処理を行うプロセッサーには、1.7GHz動作のクアルコムIPQ8065デュアルコアプロセッサーを採用している。また、RAMも512MBと無線LANルーターとしては破格の容量を搭載。これにより、高度なネットワーク関連処理はもちろん、豊富な付加機能も余裕でこなせる。内部テストでは、無線LAN機器を120台同時接続しても実用的な速度が発揮されることを確認しているという。

 なお、本体サイズは280×169×77mmとかなり大きい上に、アンテナ自体も165mmある。Wi-Fiルーターとしてはほぼ最大サイズに近い大きさで、設置場所の確保にはやや苦労するかもしれない。

高度なファイル共有機能など豊富な付加機能を搭載

 では、豊富な付加機能を見ていこう。まず、Synology製ということで気になるのがファイル共有機能だ。一般的なWi-Fiルーターにも、USB接続のHDDなどストレージ機器を接続し、LAN内でのファイル共有や外出先からのリモートアクセスを実現している製品は多く存在するが、RT2600acのファイル共有機能は、家庭向けNAS製品を超える高い機能を有する。まず、ファイル共有やメディアファイル共有といった基本的な機能はもちろんのこと、クライアントPCのバックアップや特定フォルダーの同期といった高度な機能も用意。

背面USBポートにストレージデバイスを接続することで、高度なファイル共有機能が利用可能となる

 また、「Cloud Station Server」という機能を利用すれば、WindowsやMacだけでなく、Android、iOS端末とのデータ同期が可能となる。LAN内はもちろん、インターネット経由での同期も可能なため、パーソナルクラウドとしても活用可能。この他、本体にはSDカードスロットが用意され、SDカードをファイル共有機能のストレージとして利用できるなど、Wi-Fiルーターに付加的に用意された簡易機能とは思えないほど充実している。

「Cloud Station Server」機能を利用すれば、PCやスマートフォンとの間でのファイル同期機能が利用可能となり、パーソナルクラウドとしても活用できる
本体前面にSDカードスロットがあり、SDカードもファイル共有用のストレージデバイスとして利用できる

 続いてVPNサーバー機能。「VPN Plus Server」という機能では、PPTP、L2TP、SSTP、Open VPNと豊富なVPNプロトコルに対応するVPN機能が利用可能。また、Synology独自VPN機能として「SSL VPN」と「WebVPN」という機能も用意。こちらは、専用アプリやWebブラウザー経由で簡単にVPN機能を活用できるため、VPN機能がより身近になる。この他、法人で離れた拠点間をVPNで接続し、専用線で接続しているかのように活用できる「Site to Site VPN」機能も用意するなど、VPN機能も非常に強力だ。

「VPN Plus Server」機能では、豊富なプロトコルをサポートするVPNサーバー機能や、拠点間を接続する「Site-to-Site VPN」機能など、高度なVPN機能を網羅
Synonogy独自のVPN機能「Synonogy VPN」では、アプリやブラウザーを利用して簡単にVPN接続できる機能を提供

 また、セキュリティ機能も充実。ファイファーウォールやDoS攻撃からの保護といった基本的な機能はしっかり網羅。その上で、「パレンタルコントロール」として、特定端末のインターネット接続可能時間を細かく設定したり、特定のウェブサイトや、指定したカテゴリーに属するウェブサイトへのアクセスを遮断するウェブフィルタ機能なども用意。特に、子供のいる家庭では、アダルトサイトなどの有害なサイトへのアクセスを簡単に遮断できるため、非常に有効な機能と言える。

セキュリティ機能も充実しており、カテゴリーごとにウェブアクセスを遮断したり、特定デバイスのネットアクセス可能時間を細かく指定できる

 そして、最も大きな特徴となるのが、「パッケージセンター」から機能を追加できるという点だ。パッケージセンターでは様々な付加機能がアプリとして提供されており、そのアプリを追加することで自在に機能を強化できるのだ。Synonogy製のNASにも同様の仕組みが用意されているが、RT2600acにもほぼそのまま受け継がれているわけだ。なお、紹介した「Cloud Station Server」や「VPN Plus Server」といった付加機能は、パッケージセンターから機能を追加することで利用可能となるものだ。将来、新たなアプリが用意されれば、さらなる機能強化も可能で、この部分こそがRT2600acの非常に大きな魅力と言っていいだろう。

「Cloud Station Server」や「VPN Plus Server」など、追加機能を「パッケージセンター」からインストールして強化できる点が大きな特徴

やや高価だが、その価格に見合う機能を満載

 このようにRT2600acは、一般的なWi-Fiルーターとは比べものにならないほど機能が満載で、まさにハイエンドモデルらしい製品となっている。価格は2万9800円とやや高価だが、これだけの豊富な機能が利用できることを考えると、十分に納得できる。もちろん、仕様を考えると、メインとなるユーザー層はハイエンドユーザーやゲーマー、SOHOなどだが、この豊富な機能も比較的簡単に利用できることから、初心者であっても十分に購入する価値がある。

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