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トヨタ・ホンダが新型セダンで“日本凱旋”、狙うは「高齢者」

2017年08月08日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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いずれも10代目となるトヨタのカムリ(上)とホンダのシビック Photo by Takeshi Shigeishi

 トヨタ自動車とホンダが今夏以降、それぞれの看板といえる代表車種の新型モデルを相次いで日本市場に投入する。7月10日にトヨタが発売したカムリ、9月29日にホンダが発売するシビックだ。

 両車には共通点がある。いずれも初代からモデルチェンジを重ねて節目の10代目を迎えること。そして国内よりむしろ米国など海外で売れに売れ、その実績を引っ提げて日本に凱旋することだ。

 カムリは1980年にセリカ・カムリとして誕生し、これまで100以上の国や地域で累計1800万台以上を販売した。今回の新型カムリは全ての部品をゼロから作り直すという力の入れようだ。

 一方のシビックは72年の初代発売以来2400万台以上を売り上げ、ホンダ車全体の累計販売台数の実に4分の1を占める。新型シビックは既に米国で先行発売され、2016年の「北米カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

 両車の代表モデルはセダン型(シビックはハッチバック型なども発売)だ。だが日本では軽自動車やミニバンが隆盛し、セダンの凋落が叫ばれて久しい。それでも両社が今、あえてセダンを大々的に投入するのは、これまた共通する危機感があるからに他ならない。

ヒットの裏にある苦悩

 カムリ開発責任者の勝又正人氏は「カムリのニックネームである『食パン』には、なくてはならない存在だが、ワクワクドキドキしないという意味も込められている。このままではまずいという危機感があった」と話す。ホンダ日本本部長の寺谷公良氏も「ホンダらしい個性が昔より薄れたという声をよく聞く。そうした問題意識の中でシビックを日本で復活させたいと思った」と言う。

 自動車メーカーの収益の源泉は台数規模だ。だが規模を追い続ければ、個性が埋没する。電動化や自動化で新規参入も相次ぐ中、迎え撃つ車メーカーとしては、セダンならではの走行性能やデザイン性など伝統的な強みを打ち出し、差別化を図らなければならない。

 だが例えばシビックの場合、日本で売り上げが伸び悩み、11年に販売終了となった経緯がある。そもそも車離れが進む日本の若年層に対し、ホンダがシビックに込める「(車を)操る喜び」、あるいはトヨタがカムリに込める「セダン復権」という、やや懐古的なメッセージが届くかは疑問だ。

 そこで両車のターゲットとなるのが、今や国内運転者の3人に1人とされる60歳以上の高齢層である。70~80年代にマイカーを購入した彼らにとって、カムリやシビックは郷愁を誘う車に違いない。トヨタは積極的にその世代へ向け「もう一度あのころのワクワクを」とカムリ購入を呼び掛ける。

 セダンの日本投入は斬新な挑戦ではあるが、オールドファンに頼らざるを得ないというのが現状といえそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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