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トゥルーワイヤレスイヤフォン14機種比較 2017年上半期版 ― 第1回

トゥルーワイヤレスイヤフォンとは何か? 製品概要と選び方

2017年08月05日 15時00分更新

文● 四本淑三

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ケーブルがない快適さがウリで今盛り上がっているカテゴリ

 ワイヤレスイヤフォンの究極形態とも言える「トゥルーワイヤレスイヤフォン」。再生機器とイヤフォン間だけでなく、左右のユニットをつなぐケーブルまでなくしたイヤフォンのこと。「完全ワイヤレス」や「左右独立型」、あるいはTrue Wireless Stereoを略して「TWS」と呼ばれたりもするが、メリットはもちろんケーブルがない快適さにある。

代表的な製品はAppleの「AirPods」。Bluetooth接続の使いやすさも含めて人気が高い

 たとえばセミワイヤレス(左右ユニットをケーブルでつないだBluetoothイヤフォンを便宜上こう呼ぶことにしよう)のように、首の後に回したケーブルが髪にまとわりつくことも、肌にベトついたりすることもない。マフラーやストールを巻く際にも、ケーブルが邪魔をしない。小型で携帯も楽だし、カバンの中でケーブルが絡まって取り出しにくい、なんてこともない。

 スマートフォンからイヤフォン用のステレオミニジャックが消えつつあるいま、トゥルーワイヤレスイヤフォンは、伸び盛りの製品カテゴリーと言っていい。そこで我々は、2017年6月末までに発売されたトゥルーワイヤレスイヤフォン14機種をテストしてきた。

 製品を比較しながら、このカテゴリーのイヤフォンとはどのようなもので、選ぶ際の決め手はなんなのかを考えていきたい。

テスト済機種

ERATO Rio3MUSE 5APOLLO 7s
i.Tech FreeStereo Twins
Jabra Elite Sports
dashbon sonabuds TWS-H3
fFLAT5 Aria OneAria Two
SOL AMPS AIR
Beat-in Stick/Power Bank
VAVA MOOV 20(VA-BH001)
GRDE S-E6
Apple AirPods(レビュー未公開)

トゥルーワイヤレスの仕組み

 トゥルーワイヤレスの仕組みは意外と複雑だ。筆者のような素人は「ステレオの電波で飛ばすだけじゃん」と思いがちだが、そう簡単にはいかない。まずスマートフォンとイヤフォンをつなぐBluetoothという規格は、1対1の接続が基本。再生装置から左右のイヤフォンへ同時に信号を飛ばすことはできないのだ。

 トゥルーワイヤレスを実現するには、最初に左右どちらか一方のイヤフォンと再生機器をBluetoothで接続。そこからもう一方のイヤフォンと無線で接続する。つまり「スマートフォン→左イヤフォン→右イヤフォン」、あるいは「スマートフォン→右イヤフォン→左イヤフォン」のように、信号をリレーしてステレオ再生を実現しているのだ。

デメリット1 音切れと遅延

 そうした仕組みゆえにデメリットもいくつか生まれる。まず、セミワイヤレスなイヤフォンに比べると、音が途切れやすく、遅延も大きくなりがち。これは先に説明した通り、信号をリレーしているのが原因だ。

 片方のイヤフォンからもう片方へ信号を飛ばす際に、Bluetoothの電波は、人の頭を通り抜けて直進できない。人体のほとんどは水分で構成されているから、2.4GHz帯の電波は吸収されてしまうのだ。そして電波が遠回りしているうちに、ノイズの影響を受けてしまう。これが音切れにつながる。

 加えて左右チャンネルの音が出るタイミングを揃えるのが難しい。左右の信号が同期していないと位相差となり、ステレオ音像が左右にフラフラ動く「フェージング」という現象が起きてしまう。

 こうして左右の信号をリレーしつつ、ステレオ信号を同期するために、ある程度信号をバッファすることから、音声の遅延も大きくなる。動画再生時には、映像に対して音声が遅れて再生される「音ズレ」という現象も起きやすい。

 と、オーディオ的にはデメリットばかり。音質を云々する以前の、再生装置として最低限の性能に関わるものばかりだが、最近の製品ではこうしたデメリットも徐々に解消されつつある。

 その鍵になる技術が、NFMI(近距離磁気誘導=Near Field Magnetic Induction)だ。現状の製品は左右間をBluetoothで接続するものがほとんどだが、NFMIを使うことで、上記のデメリットを解決できる。NFMIは電波と違い人体に吸収されにくく、補聴器で10年以上使われてきた技術だ。

 AppleのAirPodsには、このNFMIが使われているというウワサがあり、8月末発売予定の「EARIN M-2」は、NFMIで有名なNXPセミコンダクターズの技術採用をメーカーが公式発表している。これから採用機種が増えてくるかもしれない。

EARIN M-2発表時にNXPセミコンダクターズが解説したNFMIの特徴

デメリット2 紛失リスク

 これはトゥルーワイヤレスの物性からして致し方ないのだが、なにしろ小さいもので見失いやすい。

 机の上でもコロコロと転がったり、紛れてどこかへいなくなりがちだし、指からこぼれ落ちると、ケーブルがないのでそのまま床や地上へ落下し行方不明になる。

 そこで最後にスマートフォンと接続した場所を記録しておき、マップ上にその位置を表示する「ヘッドホンを探す」のような機能も一部機種にある。ただし、位置の記録はGPSデータがよりどころなので、自宅にあるか、外出先で落としたか、その程度の大雑把なことしかわからない。

 イヤフォンの管理については、基本的に人間が頑張るしかない。

AirPodsの「iPhone を探す」機能を利用した所在地表示機能はよく知られているが、それと同等のものが高級スポーツモデル「Jabra Sports Elite」にもある。イヤフォンが近くにあればビープ音を鳴らして確認することも可能

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