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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第520回

猫写真で見る、「キジトラ」と「キジシロ」の違い

2017年08月04日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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色に違和感があったらホワイトバランスをいじる

古い廃墟かと見まがうようなおうちの前にひょこっと現われた長毛のキジトラ。ふさふさしてて暖かそうであるが、長毛とキジトラって似合うよね。よりトラっぽくない(2017年5月 富士フイルム X-T2)

古い廃墟かと見まがうようなおうちの前にひょこっと現われた長毛のキジトラ。ふさふさしてて暖かそうであるが、長毛とキジトラって似合うよね。よりトラっぽくない(2017年5月 富士フイルム X-T2)

 ちょっと珍しいところで長毛のキジトラも。長毛だと野生っぽさがでてきてよいですな。日没直後くらいの暗い場所だったのでISO感度をぐぐっと上げて撮影。

どこからが首なのかよくわからないがっしりした貫禄がいい。カメラ目線の写真もあったけど、参道をじっと見つめてるこの写真の方がカッコよかったので採用(2017年1月 オリンパス OM-D E-M1)

どこからが首なのかよくわからないがっしりした貫禄がいい。カメラ目線の写真もあったけど、参道をじっと見つめてるこの写真の方がカッコよかったので採用(2017年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 続いて貫禄のキジトラ。アゴがないくらい首元が豊かなのが貫禄なのですな。ここまで寄っても動じない泰然自若っぷりがカッコいい。

 千葉県で出会った人なつこいキジトラでありました。

 で、キジトラを撮るコツは……特にありません。

 キジトラくらいになるとカメラ任せでもきれいに撮ってくれるので。

 ただし、日陰や夕暮れ時(いわゆるマジックアワー)には気をつけるべし。理屈は端折るけど、どうしても実際より青っぽくなりがちなのである。

 そうすると、赤成分が足りなくて、キジトラの特徴である「キジ色」、つまり茶色がグレーっぽくなっちゃう。具体的にはこんな感じ。

オートで撮ったキジトラっぽい色が出なかった。かなり青っぽいのである(2017年1月 オリンパス OM-D E-M1)

オートで撮ったキジトラっぽい色が出なかった。かなり青っぽいのである(2017年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 ひとつ前の千葉県で出会ったキジトラである。

 これ、夕暮れ時の日陰。日陰は色温度が高い(青っぽい)ので、こうなりやすいのだ。

 カメラのオートホワイトバランスのクセや、背景との兼ね合いで変わるので一概には言えないが、キジトラって焦げ茶と茶色の縞なので、もともとそんなに鮮やかではなく環境光の影響を受けやすいのだ。

 撮るときにちょっと背景の角度を変えてみたり、ホワイトバランスをオートじゃなくてマニュアルで曇天や日陰にしてみてもいいし、そんな細かい設定してるヒマなんかないやってときは撮ったあとで調整してやるといい。

 ホワイトバランスをちょっと調節して彩度を上げてやるとキジトラっぽい色になるはず。

 最後は寝てるキジトラを。

尾道の赤い屋根でお昼寝猫。曇天下だったけど、屋根の色とキジトラの色がマッチしててなかなか可愛いのであった(2015年9月 富士フイルム X-T10)

尾道の赤い屋根でお昼寝猫。曇天下だったけど、屋根の色とキジトラの色がマッチしててなかなか可愛いのであった(2015年9月 富士フイルム X-T10)

 尾道を歩いてるとき、屋根がつながったV字型の凹みで猫が気持ちよさそうに寝てたのだ。

 それを猫と同じ目の高さで撮ってみた。尾道って急斜面に家々が立ってるので、坂の途中から撮ると屋根と同じ目線を得られるのだ。

 こうしてみると子猫っぽいけどそこまではよく覚えてない。

 そこかしこでこうして猫がくつろげるような街はいいですなあ。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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