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あなたのお金の「味方」は銀行か、それとも金融庁か

2017年07月15日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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『週刊ダイヤモンド』7月22日号の第1特集は「あなたのお金の味方はどっち? 金融庁vs銀行」です。「あなたのお金」を殖やし、守るための戦い――。今、金融庁vs銀行の戦いはそんな新局面を迎えています。人気テレビドラマ「半沢直樹」でも繰り広げられていた、不良債権問題をめぐる両者のバトルも今は昔。この新しい戦いの行方は、あなたの財布の中身や人生設計を左右します。「資産形成」改革の波に乗り遅れないためには見逃せません。

森信親・金融庁長官 Photo:kyodonews/amanaimages

「あなたのお金」に重大な影響を及ぼす決定が、7月4日に公表されたのをご存じだろうか。

 金融機関の監督官庁である金融庁のトップ、森信親長官の続投が決まり、任期3年目を迎えたのだ。 3年目突入は金融庁史上3人目で、異例の長期政権となる。

 とはいえ、官僚のトップ人事が「あなたのお金」にとって大事だといわれても、ピンとこないかもしれない。しかし、この森長官は、あなたが資産を殖やしたり守ったりするための味方となる異例の長官なので、ぜひ注目してほしい。

 森長官が「あなたのお金」を殖やすために尽力した制度の一つに、少額投資非課税制度(NISA)がある。NISAを使えば、年120万円で最長5年、最大600万円まで、投資のもうけに対して税金をかけられずに済む。

 また、2018年1月からは、毎月数万円ずつのコツコツ投資を応援する仕組みとして、「つみたてNISA」も始まる。年40万円で最長20年、最大800万円まで、投資のもうけを非課税にできる。

 しかも、森長官は初心者でも迷わずに安心して投資を始められるように、つみたてNISAの対象となる金融商品の条件を事細かに設定した。いわば、その基準をクリアした金融商品には金融庁のお墨付きを与えるという異例の踏み込み方をして、多くの人に投資による資産形成の第一歩を踏み出してもらおうとしている。

 さらに、このつみたてNISAは当初、10年を超える非課税期間は前例がないとする財務省の反発に遭い、「期間10年」で金融庁が折れなければ、一度白紙に戻すというところまで追いやられた。

「そこで長官自ら交渉に出向き、気付いたら期間20年で話がまとまっていた」(金融庁幹部)という豪腕ぶりも発揮している。

悪質商品は公の場で名指し
金融機関の“悪事”を暴く長官

 一方、森長官は「あなたのお金」を守るためにも豪腕を振るっている。銀行などの金融機関に対して、自社ではなく顧客の利益を最優先する姿勢を、経営から営業現場まで徹底するよう要求しているのだ。

 それに反して、顧客の財布の中身をかすめ取ろうという下心が丸見えの姿勢で金融機関がビジネスをしていれば、容赦なくたたきのめしてきた。たちの悪い金融商品が出回っていれば、名指しで批判もしてきた。見過ごせば、投資で成功体験を積む人は増えず、森長官が掲げる「貯蓄から資産形成へ」を実現できないからだ。

 最後に、「貯蓄から資産形成」改革の他に森長官が取り組む二つの改革にも触れておこう。

 そのうちの一つの標的は地域金融機関だ。これまで地方銀行を中心に改革のメスを入れてきたが、ついに信用金庫・信用組合に対する改革にも本腰を入れようとしている節がある。もう一つの改革の標的は、実は金融庁自身に向いている。過去の金融行政の反省を踏まえ、生まれ変わろうとしているのだ。

 ここまで見てきたように、金融関係者のみならず、多くの人が注目すべき人物が森長官だ。本誌特集では、任期3年目に突入した最新情報を踏まえて、森長官の問題意識や次の一手、最強“過ぎる”がゆえの死角、金融庁vs銀行の闘いと改革の内実などを詳細に解説した。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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