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OSS DBも商用DBも、技術イベント「AWS DB Day」開催――基調講演レポート(後編)

Cygamesの「秒間10万トランザクション」大規模DB構築ノウハウ

2017年07月10日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSJ)が7月5日、AWS上でのデータベース(DB)技術をテーマとしたイベント「AWS Solution Days 2017 ~AWS DB Day~」を開催した。基調講演では4名のゲストが登壇し、Amazon Aurora/RDS、PostgreSQL、MySQL/MariaDB、Oracle DB、SQL Server、Kinesis FirehoseなどのAWS上での性能検証結果やDB移行、活用事例などを技術的側面から紹介した。

 基調講演レポート後編では、アクアシステムズの川上明久氏による商用DB(Oracle DB、SQL Server)の効率的なクラウド移行のポイント、Cygamesの倉林修一氏によるゲームアプリなどでの大規模データストリーム処理環境のアーキテクチャ考察をお届けする。

商用DBのクラウド移行によるコスト最適化術、アクアシステムズ・川上明久氏

 AWS、DBに関するコンサルティングやDBクラウド移行ツールなどを手がけるアクアシステムズ 執行役員技術部長の川上明久氏は、顧客企業2社におけるDB移行案件での経験に基づいて、オンプレミスの商用DB(Oracle DB、SQL Server)をクラウド移行するうえでの要点を説明した。

アクアシステムズ 執行役員技術部長の川上明久氏。「2012年にAWSパートナーとなり、かなりの数のクラウドDB移行を実務で行ってきた」と語る

 1社目に取り上げたのはソニー銀行の事例だ。もともとインターネットを活用した個人向けの資産運用銀行として開業した同行は、クラウド技術の活用にも積極的であり、システムのクラウド移行によって「守りのコスト」削減を図り、「攻めのコスト」への投資を重視している。

 DBに関しては、基本的にはマネージド型のAmazon RDS for Oracle DB/SQL Serverを採用し、機能制限のあるRDSには対応できないシステムでのみ、EC2インスタンス上に商用DB(Oracle DB/SQL Server)を導入する方針としている。マネージド型のRDSを積極的に利用することで運用コストが削減でき、導入スピードも圧倒的に速いからだ。

 また、開発環境などの常時利用しないシステムについては、DBライセンス料が時間単位課金となる「ライセンスインクルード(ライセンス込み)」モデルで利用している。「ここ1、2年の利用で、実際にライセンスコストを30%ほど削減できている」(川上氏)。

ソニー銀行のAWSクラウドDB移行事例。必要に応じてRDSとEC2を組み合わせて利用し、運用コストやライセンスコストを削減している

 銀行業のシステムにおいては、セキュリティ対策についても厳しく問われることになる。ソニー銀行の場合、まず、AWS側の責任範囲(インフラから仮想化レイヤーまで)については独自リスク評価とFISC基準適合評価などを通じて確認。さらに、同行自身の責任範囲(OSからアプリケーションレイヤーまで)については、データの暗号化やDB監査によってセキュリティを担保していると説明した。

 このうちデータの暗号化では、RDSが持つ暗号化機能に加えて、DBに投入するデータも別途「AWS Key Management Service(KMS)」を利用して、二重に暗号化を行っている。また、DBの操作ログをすべて取得するDB監査については、オンプレミス時代の物理アプライアンスを、クラウド移行時にソフトウェア型の製品に更新したことで、3つの成果を上げているという。

ソニー銀行のクラウド移行におけるセキュリティ対策(左)と、DB監査の変更(右)。DB監査もソフトウェア型にすることで、機能向上やコスト削減が実現した

 もう1つ紹介された事例は、ある東証一部上場企業における「Oracle Exadata」からの段階的なRDS for Oracleへの移行だ。Exadataの導入時には統合DBとして高く評価していたが、クラウドDBの登場で選択肢が広がったことで、個々のシステムに応じて「適材適所で利用する」方針に変わった。

 そこで、オンプレミスシステムのクラウド移行に着手することになった。リソース拡縮の柔軟なクラウドの利用を前提(クラウドファースト)とする一方で、必要リソースが一定(予測可能)で移行コストのかかるものに関しては、オンプレミスに残すことにする。

 ただしExadataのままだとライセンスコストが高く付くため、オンプレミスに残すシステムは、短期的には個別に小型のサーバーに格納することにした。移行2年目となった現在は、このオンプレミスサーバー上のシステムを、段階的にAWSへ移行している段階だという。

 「巨大なサーバーであるExadataを維持すると、ライセンスを減らすことが難しく、オンプレミス側でもクラウド側でもライセンスコストがかかってしまうことになる。この事例のように、移行期においてオンプレミスのシステムを小さなサーバーにバラして、AWS(RDS)に移行できたらシステムからサーバーを落とすようにすれば、DBのライセンスコストが無駄にならない。移行期の構成として、とても賢い考え方だと思う」(川上氏)

ExadataからAmazon RDSへの移行。オンプレミスに残すものはいったんサーバーに分割格納し、その後クラウド移行を徐々に進めるという段階的な計画

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