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JSが苦手なWebデザイナーこそ活用したい、Bootstrapのモーダルをマスター

2017年06月30日 16時54分更新

文●Syed Fazle Rahman

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Bootstrapのさまざまなコンポーネント/プラグインの中でも便利なのが、JavaScriptを書かなくても手軽にコンテンツを表示できる「モーダル」です。アラートだけではもったいない、その使い方をマスターしましょう。

以前チュートリアルでBootstrap3のCSSフレームワークがかけ出しのデザイナーにとってどれほど強い味方になってくれるかを説明しました。Bootstrapには、すぐに使える優れたJavaScriptとjQueryのコンポーネントやプラグインが搭載されています。フレームワークのバージョンが3.3.7となり、バージョン4のベータ版リリースの準備段階に入って 、重要で不可欠な変更がいくつか加えられました。

このチュートリアルではBootstrapのjQueryプラグインの中でも特に役立つモーダル(Modal)について紹介します。

BootstrapのモーダルはJavaScriptポップアップで、軽量で用途が広く、カスタマイズやレスポンシブにも対応しています。これを使ってWebサイトで警告ポップアップ、動画、画像を表示できます。Bootstrapで構築されたWebサイトでは、モーダルを使って(たとえばサインアップ手順の一部としての)利用規約や動画(標準のlightboxと同様)、ソーシャルメディアウィジェットなどを表示できます。

この記事ではBootstrapのモーダルについての理解を深めるのに役立つ、さまざまな面を詳しく取り上げます。

Bootstrapのモーダルはheader(ヘッダー)、body(本文)、footer(フッター)の3つの主要セクションに分かれています。この3つにはそれぞれ用途があるので、それに合わせて使うことが必要です。この点は(のちほど)手短に説明します。

Bootstrapのモーダルのもっともすごいところは、たった1行JavaScriptを書くだけで使えることです! コードとスタイルはすべてBootstrapが用意してくれています。必要なのは、適切なマークアップと属性を選んでそれを有効にするだけです。

デフォルトのモーダル

デフォルトでBootstrapのモーダルは以下のようになっています。

Default Bootstrap modal

モーダルを開くにはリンクかボタンが必要です。トリガー要素に関するマークアップは次のようになります。

<a href="#"class="btn btn-lg btn-success" data-toggle="modal" data-target="#basicModal">Click to open Modal</a>

リンク要素にdata-toggleとdata-targetの2つのカスタムデータ属性があることに注目してください。「toggle」は「なにをするか」を、「target」は「どの要素を開くか」をBootstrapに伝えます。そのため、上のようにマークアップされたリンクをクリックすると、「basicModal」というIDをもつモーダルが表示されます。

次にモーダル自体の定義に必要なコードを見ていきます。マークアップは次のようになります。

<div class="modal fade"id="basicModal"tabindex="-1"role="dialog"aria-labelledby="basicModal"aria-hidden="true"><div class="modal-dialog"><div class="modal-content"><div class="modal-header"><button type="button"class="close"data-dismiss="modal"aria-hidden="true">&amp;times;</button><h4 class="modal-title"id="myModalLabel">Modal title</h4></div><div class="modal-body"><h3>Modal Body</h3></div><div class="modal-footer"><button type="button"class="btn btn-default"data-dismiss="modal">Close</button><button type="button"class="btn btn-primary">Save changes</button></div></div></div></div>

モーダルの親divのIDは、先ほどトリガー要素にマークアップしたIDと同一にします。この場合id="basicModal"となります。

注:親モーダル要素内のaria-labelledbyやaria-hiddenといったカスタム属性はアクセシビリティに関するものです。すべての人が利用できるようなWebサイトを作成するのはグッドプラクティスと言えるので、こうした属性を含めるのは良いことです。モーダルの標準機能に悪影響が及ぶことはありません。

モーダルのHTMLでは、親モーダルdiv内にラッパーdivがネストされています。このdiv内のmodal-contentクラスは、モーダルのコンテンツがどこにあるかを「bootstrap.js」に伝えます。このdiv内に、先に述べたheader、body、footerの3つのセクションを配置することが必要です。

名前から想像できるように、モーダルのheaderはタイトルや「閉じる(x)」ボタンといった要素の表示に使われます。headerには非表示にする要素をBootstrapに伝えるdata-dismiss属性が必要です。

次はモーダルのbodyです。bodyはheaderの兄弟要素divで、いろいろ試せる自由なキャンバスのようなものです。bodyにはYouTubeの埋め込み動画や画像などさまざまなデータを入れられます。

最後に、モーダルのfooterがあります。この領域はデフォルトで右揃えになります。モーダルに表示されているアクションに関連した「保存(Save)」「閉じる(Close)」「OK(Accept)」などのアクションボタンはfooterに配置できます。

これではじめてのモーダルが完成しました! デモページで確認してください。

モーダルのサイズを変更する

先に述べたように、Bootstrapのモーダルはレスポンシブ対応で柔軟性があります。このセクションではモーダルのサイズ変更方法を紹介します。

Bootstrap 3.3.7ではLargeとSmall、2種類のモーダルが新たに登場しました。大きいモーダル用にはモディファイア(修飾子)クラスのmodal-lgを、小さいモーダル用にはmodal-smを、modal-dialogのdivに追加します。

jQueryでモーダルを起動

モーダルは jQueryプラグインなので、jQueryを使って制御する場合、セレクターで.modal()関数を呼び出す必要があります。たとえば次のようになります。

$('#basicModal').modal(options);

ここでの「options」はモーダルの挙動をカスタマイズするために渡されるJavaScriptオブジェクトで、たとえば次のようになります。

var options ={"backdrop":"static"}

「options」では以下が指定できます。

  • backdrop:trueまたはstaticに設定して、ユーザーが背景をクリックすることでモーダルを閉じられるようにするかどうかを指定できる
  • keyboard:trueに設定するとESCキーの押下でモーダルが閉じられる
  • show:モーダルの開閉に使用。値はtrueまたはfalseに設定できる
  • remote:とりわけすごいオプションの1つで、jQueryのload()メソッドを使ってリモートコンテンツをロードできる。このオプションでは外部ページの指定が必要。デフォルト値はfalse

Bootstrapモーダルのイベント

モーダルの開閉時にトリガーされるさまざまなイベントを使って、Bootstrapのモーダルの標準的な挙動をさらにカスタマイズできます。こうしたイベントには必ずjQueryの.on()メソッドが使われます。

次のようないろいろなイベントを使えます。

  • show.bs.modal:モーダルが開く直前に発生するイベント
  • shown.bs.modal:モーダルが開いたあとに発生するイベント
  • hide.bs.modal:モーダルが閉じられる直前に発生するイベント
  • hidden.bs.modal:モーダルが閉じたあとに発生するイベント
  • loaded.bs.modal:先に述べたremoteオプションを使って、リモートコンテンツがモーダルのコンテンツ領域に正常にロードされた時点で発生するイベント

上のイベントの1つを使ったコード例です。

$('#basicModal').on('shown.bs.modal',function(e){alert('Modal is successfully shown!');});

モーダルにリモートコンテンツをロード

Bootstrapモーダルにリモートコンテンツをロードする方法は3つあります。

1つは、オブジェクト内でremoteオプションを使う方法です。これについては先ほど紹介しました。別の2つの方法ではJavaScriptは使いません。以下にそれらの方法を説明します。

モーダルのトリガーイベント内のhref属性に値を設定できます。ここではトリガーにリンクを使っています。たとえば、先に紹介した(トリガー要素用のコードで)値が#になっていた部分を、次のように特定のページのURLに変更できます。

<a class="btn btn-lg btn-default" data-toggle="modal" data-target="#largeModal" href="remote-page.html">Click to open Modal</a>

href属性を使う代わりに、たとえば次のようにトリガー要素にカスタムデータ属性data-remoteを設定することも可能です。

<a class="btn btn-lg btn-default"data-toggle="modal" data-target="#largeModal" data-remote="remote-page.html">Click to open Modal</a>

最後に

モーダルはBootstrap 3で提供されている優れたプラグインの1つです。かけ出しのデザイナーにとって、モーダルはJavaScriptをまったく使わずにポップアップ画面にコンテンツを読み込める、すばらしい手法の1つと言えます。

Bootstrapで利用可能なJavaScriptプラグインについて、詳しくはBootstrap 3 – JavaScript Componentsを参考にできます。Bootstrapの初心者には私の記事Bootstrap 3 Tutorialをおすすめします。

次のCodePenのデモでモーダルの例を3つ示します。

Bootstrapのモーダルのデモはこちらからダウンロードできます。

※本記事はBootstrapの最新版CSSフレームワークに対応して2014年の記事を更新したものです。

(原文:Understanding Bootstrap Modals

[翻訳:新岡祐佳子/編集:Livit

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