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柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた 第15回

「Adobe Scan」で印影を取り込む

自分の印鑑をスマホでスキャンして電子印鑑を作ってみる

2017年07月05日 11時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●ASCII

提供: アドビ

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本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第15回は、手持ちの印鑑の印影を取り込んで電子印鑑として使ってみる。

 

Adobe Scanで印影を取り込む

 前回の「第14回 請求書などのPDF書類に電子印鑑を押す方法」では、Acrobat DCに搭載されている電子印鑑の押し方を紹介した。今回は、自分の印鑑の印影を電子印鑑で押す方法を紹介しよう。

 従来は、申込書や請求書のPDFファイルを印刷し、押印してからスキャンしてPDFにしていたが、直接押せるようになると手間が省ける。手持ちの印鑑の印影なら印象もいいだろう。

 まずは、印影をデジタル化する。スキャナーを持っているならそれを使ってもいいが、今回はスマホの「Adobe Scan」を使ってみよう。カメラで撮影するのだが、ドキュメントとして取り込んでくれるので綺麗な印影を作れるのだ。

 アプリをインストールし、起動したらAdobe IDでログインする。続いて、白い紙に押印して撮影すればいい。真上から撮るようにしよう。すると、白い紙に印影が取り込まれるので保存する。PDFファイルとして保存されるので、まずはAcrobat DCで開き、トリミングする。終わったら、PNGファイルに保存すればいい。

■Adobe Scan

「Adobe Scan」をインストールする

Adobe IDでログインする

押印した紙を撮影する

「PDFを保存」をタップする

白いくっきりした紙の文書としてPDFを作成できた

取り込んだ印影をトリミング

 PDFファイルに保存した時点では、大きな文書になっているうえ、印影と共に白い背景も一緒になっている。まずはトリミングが必要だ。

 スマホで作成したPDFファイルはDocument Cloudに保存されているので、PC版のAcrobat DCで読み込める。続いて「ツール」から「PDFの編集」を開き、「ページをトリミング」をクリックして印影を切り取ろう。その後、「PDFを書き出し」をクリックし、「画像」から「PNG」を選択して「書き出し」をクリックすればいい。

PCのAcrobat DCにPDFファイルを読み込む

トリミングをして印影だけを切り取る

PNG画像として保存する

印影の白い部分を透過する

 これで小さい印影の画像が作成できた。しかし、この画像を何もないところに押印するなら問題ないが、名前などの上に重ねて押す場合、下の文字が四角く消えてしまうのだ。それを防ぐためには、白い部分を透明化させる必要がある。PNG画像を透明化する方法はいくつもあるが、今回はエクセルを使った方法を紹介する。

 エクセルの「挿入」メニューから保存したPNG画像を読み込み、透明化を行う。そのファイルをウェブページとして保存すれば、そのフォルダーの中に透明化された印影ファイルが作成されている。この画像を電子印鑑として登録すれば、次回から手軽に使えるようになる。

エクセルにPNG画像を読み込み、「書式」タブを開く

「色」→「透明色を指定」をクリックする

スポイトツールが表示されるので白い部分をクリックする

「名前を付けて保存」から「Webページ」を選んで保存すると、透過画像が作成できた

Acrobat DCを起動し、「注釈」からスタンプアイコンをクリックし、「カスタムスタンプ」→「作成」をクリックする

透明化したファイルを指定して、「OK」をクリックする

分類で「電子印鑑」を選び、名前を付けて「OK」をクリックする

「電子印鑑」のメニューの一番下に登録した印影が表示され、押印できるようになる

電子印鑑を押したところ。背後の文字が塗りつぶされていないのがわかる

印影のサイズは自由に調整できる

「お気に入り」に登録してより使いやすくする

 登録した印影はおそらく一番使うのに、メニューの一番下に登録されて選択するのに手間がかかる。そんな時は、「お気に入り」に登録し、「スタンプパレット」から利用すると簡単。

 まずは、PDFに印鑑を押した状態で「現在のスタンプをお気に入りに追加」をクリック。すると、スタンプパレットの「お気に入りのスタンプ」に登録した画像が表示されるので、スクロールする必要がなくなるのだ。

「注釈」のスタンプアイコンから「現在のスタンプをお気に入りに追加」をクリックする

「注釈」の「スタンプパレットを表示」をクリックするとスタンプパレットが開く

 少々手間はかかるが、最初の1回だけの作業なので、是非印影を登録し、スマートな押印フローを実現して欲しい。

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