Azureを牽制、Google Cloud Nextの2日目基調講演
Google Cloud Platformは安価、オンプレへの投資も再利用できる
Googleはオープンソースをけん引するリーダー的企業だ
最後に3つ目のトピック、GCPが“オープン”である点についてGoogle Cloud プロダクトデベロップメント部門バイスプレジデントのサム・ラムジ氏が説明した。特にラムジ氏が強調したのは、Googleが古くからオープンソースコミュニティに貢献してきたということだ。「1つの組織で、オープンコミュニティ以上のイノベーションを実現できるわけがない。なので、Googleは積極的にオープンコミュニティに関わっている」(ラムジ氏)。
Google社員によるGitHubのオープンソースコミュニティへの2016年のコミット数は28万7024件、同年にGoogleが貢献したプロジェクト数は1万5000以上、Google社員によるイベントが10回以上あったプロジェクト数は2500に上る。
Googleがオープンソース化した「Kubernetes」は現在、コントリビューター1万5000人規模、関連プロジェクト数4000以上の大規模なオープンコミュニティを形成している。同じく同社がオープンソース化した深層学習フレームワークTensorFlowも、社外のコントリビューター数475人、直近14カ月間のコミット数1万4000件以上。「ソフトウェアスの開発企業としても、また多くのプロジェクトへの貢献においても、Googleはオープンソースをけん引するリーダーの1社だ」(ラムジ氏)。
もう1つ、ラムジ氏は“オープン”の文脈で、「オープンエコシステム」という価値観に言及した。「どのオープンソースが一番いい、自社開発のものが一番いいという観点ではなく、さまざまなコミュニティでアイデアや成功事例を共有していく“オープンエコシステム”の価値観をGoogleは大事にしている。オープンなクラウドの勝者はエンドユーザーでなければいけない」(ラムジ氏)。
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2日目基調講演でグーグルは、AWSとAzureに対するGCPの価格優位性と同時に、オンプレミスのWindowsエコシステムとの統合、オープンソースコミュニティへの貢献をアピールした。これは、オンプレミスとクラウドに同じテクノロジーを実装できることを売り物にするマイクロソフトのハイブリッドクラウド戦略、および近年のマイクロソフトが掲げる「オープンソースLOVE」のメッセージに真っ向から対抗するものだ。GCPが、Azureを強く意識していることを印象づけるキーノートだった。
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