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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第513回

日本で2番目に多いけど奥が深い「ハチワレ」柄の猫を撮る! 

2017年06月16日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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おでこの真ん中あたりで黒い鉢が割れたような模様になっているのが典型的なハチワレ。白いまつげ(でいいのか?)がピンと貼っててカッコいい(2016年6月 ソニー α6300)

おでこの真ん中あたりで黒い鉢が割れたような模様になっているのが典型的なハチワレ。白いまつげ(でいいのか?)がピンと貼っててカッコいい(2016年6月 ソニー α6300)

 日本で一番多い猫は「キジトラ」、2番目は「ハチワレ」だそうである。出典はよくわからないけれども、外猫をたくさん見た経験からしてなんとなく納得できる。

 猫の種類って見た目でざっくり分けちゃうことが多くて(何しろ雑種が一番多いから)、その基本は「色」と「柄」。

 白だとか黒だとか茶だとかが色。トラとかハチワレとかが柄。

 キジトラというのは「色+柄」についた名前。キジは鳥の「雉」(ちなみに、雌の方。雄の色は違う)。雌の雉と似た色のトラ柄だから、らしい。雉というと派手な色の雄が有名だけど、雌の雉は地味な茶色なのだ。

 ハチワレは「柄」。漢字だと「鉢割れ」。鉢がかぱっと割れたような形から来たそうで、「八」の字に似てるからかと思いきや、そうではないらしい。

 ハチワレは「柄」なんだが、一般にハチワレというと「白と黒」のツートンカラーを指す。ちょっとそのあたりがごっちゃになってるが、まあ長い年月をかけてできた慣習なので理屈をいってもしょうがない。

 個人的に好きな模様は、といわれると「ハチワレ」である。理由は特にないのだけど、きれいなハチワレを見ると「おおっ」となるのだ。

 ちなみにハチワレがどんなのかというと、冒頭写真。きれいに真ん中でふたつに割れてる。

 白と黒の分け目(鉢割れだから「割れ目」?)がどこにあるかは猫によって全然違う。

 冒頭写真のはちょうど真ん中にきてる。

 よく見かけるのは、鉢を深くかぶって割れちゃったような、黒い毛が目を覆い隠しちゃってるもの。黒い毛の中に目がある。

 仮面を被ってるような感じだ。

こっちはハチワレの鉢が深い。目の下まできてカクッと曲がってる。舌がちょろっと出てる写真が3枚続いたのはわざとです。その方が愛嬌があるかな、と思って(2016年4月 ソニー α6300)

こっちはハチワレの鉢が深い。目の下まできてカクッと曲がってる。舌がちょろっと出てる写真が3枚続いたのはわざとです。その方が愛嬌があるかな、と思って(2016年4月 ソニー α6300)

 次の猫もそうだ。

 口元と鼻筋だけ白くて、きりっとしててカッコイイ。正義の味方っぽい。

こちらのハチワレは鼻が黒い。鼻筋がすっと白くなってるのでカッコいい。黒い仮面を被ってるような感じだ(2017年5月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

こちらのハチワレは鼻が黒い。鼻筋がすっと白くなってるのでカッコいい。黒い仮面を被ってるような感じだ(2017年5月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

 この猫が印象的なのは、右前足。

 左前足は真っ白なのに、右前足は先っちょ以外黒いのである。右側だけ黒い長袖を着ているようですごくオシャレなのだ。

 正面から歩いてくる写真を見るとよくわかる。

右前足が黒くて、でも足先は白いのがなんともキュートなのであった。これはおしゃれ(2017年5月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

右前足が黒くて、でも足先は白いのがなんともキュートなのであった。これはおしゃれ(2017年5月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

 これ、めちゃオシャレだと思いません? まあ、猫にオシャレも何もないんだが。

 そういうハチワレは目の周りが黒いので、目を閉じてたりするともう何がなんだかわからない。真ん中が割れたニット帽(そもそもそんなものはないと思うが)を深く被って目を隠してる人のようで。

目を閉じたハチワレ。毛が黒いと目が完全に隠れちゃう。勝手に目深鉢割れと呼ぶことにした(2016年8月 オリンパス OM-D E-M1)

目を閉じたハチワレ。毛が黒いと目が完全に隠れちゃう。勝手に目深鉢割れと呼ぶことにした(2016年8月 オリンパス OM-D E-M1)

 それはそれで不思議な感じで面白い。

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