壁に貼る感覚の「ピクチャー・オン・ウォール」
斬新なテレビの姿を先取りしたW7P
ここからは、最上位モデルありもっともユニークな製品であるOLED 65W7Pを代表として、より詳しくその特徴を紹介していこう。W7Pシリーズの最大の特徴はディスプレー部の厚みがわずか3.9mmほどで、壁掛け専用のデザインを採用したこと。
仕組みとしてはディスプレーを支える壁掛け金具を壁に設置し、ディスプレー本体の上部を固定。下部はマグネットで固定するというもの。
設置は専門の業者に依頼する必要はあるが、ディスプレー部の軽さも含めて壁掛け設置は比較的容易になっている。
なんと言っても、その見た目が斬新だ。まさしく壁に絵画やポスターを貼ったような感覚で、薄型テレビとは見た目の存在感がまったく異なる。
薄型テレビが大画面化すると、家屋への搬入や組み立て・設置の問題が顕著になり、なかなか多くの家庭では実現が難しいと考えられがちだが、この方法ならば大画面がかなり現実的になると思う。
ちなみに、電源や映像信号などは専用のフラットケーブルで、チューナーやスピーカーを内蔵したコンパニオンボックスと接続される。ディスプレーへの電源もここから供給するので、必要なコンセントは1つだけだ。
このコンパニオンボックスには、テレビチューナーのほか映像エンジンなども内蔵されるが、その見た目はまさにサウンドバースタイルのスピーカーと言えるもの。スピーカーはミッドレンジ+トゥイーターを左右各2個、ウーファーを左右各1個内蔵。さらにDolby Atmos用のハイトムービングスピーカーがボディーの上面に左右各1個搭載されている。
電源を入れると、上面のカバーが開いて、ハイトムービングスピーカーがせり上がってくる姿もなかなかカッコイイ。このハイトムービングスピーカーは合計7個の小さなユニットが円周上に配置されたアレイスピーカーを構成しており、指向特性を絞った音が天井に放射され、反射した音が上方から再現されるというもの。
OLED W7Pシリーズ以外のモデルは、Dolby Atmos対応という点は同じだが、このハイトムービングスピーカーは搭載されないので再現性では本機が優位と言えるだろう。
ただし、OLED C7Pでも仮想的な再現ながらDolby Atmosの再現性はなかなか優秀で、ドルビーでのデモンストレーションでOLED C7Pが使われたほどだという。
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