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T教授の「戦略的衝動買い」 第434回

昭和のコミック誌から動画まで! 会員なら7980円の「Fire HD 8」を衝動買い

2017年06月14日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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カラーコミックを読むならFire HD 8は快適!

動画コンテンツにフォーカスしたHD 8(左)では確かに画面が大きくなったが、上下の余白が妙にアンバランスだ。Kindle Paperwhite(右)はやはり書籍サイズにはベストマッチだが、筆者にとって読みやすさはHD 8が上だ

動画コンテンツにフォーカスしたHD 8(左)では確かに画面が大きくなったが、上下の余白が妙にアンバランスだ。Kindle Paperwhite(右)はやはり書籍サイズにはベストマッチだが、筆者にとって読みやすさはHD 8が上だ

 筆者が今回、カラーモデルで少しでも画面の大きなHD 8を購入した理由はただ1つ。多くの昭和起源のコミックを都内の移動中や出張、旅行中に読むためだ。

 今までは「Kindle Paperwhite」で読んでいたが、昭和なコミックの中には吹き出し文字が潰れる寸前で極めて読みにくい作品も多い(最近の新しいコミックは吹き出し文字が鮮明で、画面の小さなPaperwhiteでも問題ないが……)。

 実際には、紙の本より動画に重点を置いた新しいKindleカラーシリーズは、ブックリーダーとは言え、その画面のアスペクト比はどんどんワイドで細長くなっている。

 従来のコミックなどを表示させると、上下に大きな余白が空き、実際の画面サイズはそれほど大きな差はなくなる感じだ。しかし、バックライトはモノクロ画面の見えづらい点を多少改善してくれるのでありがたい。

コミック系もカラーコンテンツなら、圧倒的にHD 8が向いている。やっぱり上下の無駄な余白は気になる

コミック系もカラーコンテンツなら、圧倒的にHD 8が向いている。やっぱり上下の無駄な余白は気になる

電子ブックリーダーが紙メディアのブラウザーにもなりそうだと認知されてからのコミックはHD 8でもPaperwhiteでも比較的見やすい

電子ブックリーダーが紙メディアのブラウザーにもなりそうだと認知されてからのコミックはHD 8でもPaperwhiteでも比較的見やすい

 筆者の個人的印象では、コミック誌は圧倒的に高解像度でページめくりスピードの速いカラー液晶タイプのHD 8が向いていると思っている。

文庫本や新書のように文字だけのコンテンツの場合、Paperwhiteの独断世界だ

文庫本や新書のように文字だけのコンテンツの場合、Paperwhiteの独断世界だ

 一方、ページめくりが少ない文庫本になると、やけに縦に間延びしたHD 8より、4:3サイズの電子ペーパーのPaperwhiteが見た目も圧倒的にグッドバランスだ。

 そして雑誌(週刊アスキーなど)を見ることを中心に考えると、見やすさは圧倒的にiPad Proの12.9インチが優れている。

記事掲載当初、iPad Proの画面サイズに誤りがありました。お詫びして訂正します(2017年6月14日)

 HD 8は読めるけど読みたくないレベル。Paperwhiteにいたってはまず読まないだろうのレベルである。

 雑誌の表紙ではなく内容を見てみると、その意志はますます固まってくるはずだ。HD 8はピンチアウト動作がそこそこ快適なところが救いなので、A4版雑誌のビューワーとしてはギリギリの存在となる。

昭和なサイズの雑誌ビューワーとして見た場合、モノクロのPaperwhiteの分は相当悪くなる。HD 8もその8インチというサイズでは無理を感じる。ベストはiPad Proの12.9インチだ。想定された雑誌サイズや属性で読むのだから当然といえば当然。決してHD 8やPaperwhiteが悪いわけではない

昭和なサイズの雑誌ビューワーとして見た場合、モノクロのPaperwhiteの分は相当悪くなる。HD 8もその8インチというサイズでは無理を感じる。ベストはiPad Proの12.9インチだ。想定された雑誌サイズや属性で読むのだから当然といえば当然。決してHD 8やPaperwhiteが悪いわけではない

雑誌の表紙ではなく、内部のコンテンツを読もうとすると、ますますその差は広がってくる。これは過去の雑誌にブックリーダーが合わそうとするからであって、本来なら雑誌のレイアウトや、展開手法、サイズがドラスティックに変わってもいいと思う

雑誌の表紙ではなく、内部のコンテンツを読もうとすると、ますますその差は広がってくる。これは過去の雑誌にブックリーダーが合わそうとするからであって、本来なら雑誌のレイアウトや、展開手法、サイズがドラスティックに変わってもいいと思う

 いろいろな本を、Paperwhite、HD 8、iPad Pro(12.9インチ)それに5インチ前後のスマホも加えて見比べてみると、残念ながらそれぞれのハードウェアにそれぞれ最適なメディアサイズが異なっていることが分かってくる。

 一番の原因は、アナログ時代のままのページめくり、レイアウト感覚から読者の感性が脱却していないことだ。

 そもそもデジタル化時代に旧態依然としたのアナログペーパーメディアのすべてを、そのままの形で最適化して完璧にブラウジングできる電子ブックリーダーがあり得るわけはないのである。

8インチ341gに専用カバーを取り付けたHD 8は片手で持つ最大サイズに近い。高パフォーマンスなので、ピンチアウトが楽で、雑誌を読むにも8インチが強烈なハンディにはならない

8インチ341gに専用カバーを取り付けたHD 8は片手で持つ最大サイズに近い。高パフォーマンスなので、ピンチアウトが楽で、雑誌を読むにも8インチが強烈なハンディにはならない

実際には過去の紙メディアより未来の動画メディアとの相性が良いHD 8。見せ場はAmazonプライムビデオなどの動画だろう

実際には過去の紙メディアより未来の動画メディアとの相性が良いHD 8。見せ場はAmazonプライムビデオなどの動画だろう

 そういう意味で、あくまで、HD 8もFire 7も従来の書籍のアスペクト比から離れ、ムービー系のワイド画面に向かっていくのは当然のことだと言える。

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