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ソ連の新車両「T-55」のイメージカットを世界大会決勝会場で公開

「Wargaming.net Leagueは夢を現実にする」WoT中核メンバーインタビュー

2017年06月01日 14時00分更新

文● 南田ゴウ/ASCII編集部

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世界大会決勝会場で、ソ連の新車両「T-55」のイメージカットを公開

 Wargaming.netは5月27~28日にロシア・モスクワで世界大会決勝「Wargaming.net League Grand Finals 2017」を開催。決勝戦に先だって世界から集まった報道関係者向けにプレスカンファレンスを行なった。

Head of Global Competitive GamingのMohamed Fadl氏

 プレスカンファレンスの冒頭に登壇したのは、e-Sports関連を統括するHead of Global Competitive GamingのMohamed Fadl氏。Fadl氏は「6年前のGrand Finalsの視聴者数は800名程度と、非常にカジュアルな大会だった」と語る。現在の平均視聴時間は121分で2016年大会の視聴者数は200万人以上、2017年はこれの倍以上の視聴者数とのこと。

 Wargaming.netは2013~17年にe-Sportsに40万ドルを投資しており、2017年大会は4つの地域から合計12チームが参加。“チャンピオンズランブル”を導入することで、新たな強豪チームに参加してもらえたと胸を張る。ちなみに2017年大会を制したTornado Energyは、優勝候補の一角Na'Viをチャンピオンズランブルで下したチームだ。

 2017年大会はフェイスブックをオフィシャルパートナーに迎えたこともトピック。優勝の証であるモノリスは回を重ねるごとにブラッシュアップされ、大会名ではなくWorld of Tanksをもモチーフにしたものになっている。

 続いて登壇したのはWorld of Tanks全体を統括するProduct DirectorのThaine Lyman氏。Lyman氏はゲーム性が大幅に変更された大規模アップデートのバージョン9.18に関して「2016年はWorld of Tanksのリセットを含めた作り直しの時期と考えている」とコメント。9.18アップデートではプレイヤーの意見を取り入れるだけでなく、Wargamingからプレイヤーに新要素の提案を行なって検討してもらうこともあったとのこと。

Product DirectorのThaine Lyman氏

 バージョン9.18はマッチングシステムとSPG(迫撃砲)に大幅な修正が加わり、マッチングシステムでは、自分の車輌が参加する戦場でTierトップやボトムで出る割合が、より公平になるように調整されたとのこと。9.18は導入までにテストサーバーの“サンドボックス”で計3回テストされ、グローバル導入の前に北米サーバーで2週間前倒しで導入して評価するなど、慎重な導入計画が組まれた。

9.18はユーザーからのフィードバックを元に導入、さらに6月中旬までの導入が予定されるバージョン9.19の一部情報が公開された

 今回新たにアナウンスされたのは、6月中旬までの導入を予定するバージョン9.19。Tier10まで到達したヘビーユーザー向けのエンドコンテンツとして、ランクマッチが導入される予定だ。ランクマッチはお互いにTier10車輌で戦闘を行ない順位を競い合うコンテンツで、ランクマッチでは新しい通貨を導入。この通貨で購入できるアイテムは、通常アイテムより高性能とのこと。Lyman氏は「通常のゲームでも新しい通貨が手に入るようにしたい」と語るが、当面はランク戦限定になる模様だ。また、グラフィック関連では“ヒメルズドルフ”がHDマップ化された。

決勝会場でのカンファレンスでは、ランクマッチ関連の情報も公開された
ソ連の新車輌「T-55」のイメージビジュアルも解禁
バージョン9.19の新要素とHDマップ化されたヒルメズドルフ
HDマップのスクリーンショット

7月にキプロスで今後のアップデートに関するキャンプを開催

Mohamed Fadl氏

 続いて個別インタビューの模様をお届けする。まず最初はHead of Global Competitive GamingのMohamed Fadl氏から。Fadl氏は「詳細は伝えられないが7月にプロプレイヤーやプロチームを呼んで、キプロスで関係者によるキャンプを開催する」と話す。キャンプでは次期アップデートに関して話し合われるほか、膨大な視聴者数となったe-SportsルールのWargaming.net League視聴者の要望に関しても検討される。

 World of Tanksは一般的なFPSゲームとは異なり、戦略的に行動するゆったりした進行なのが特徴だが、e-Sportsの視聴者は短時間で激しい展開を望んでいる。Fadl氏は視聴者を長時間視聴するハードコア層、短時間のライトユーザー、どちらにも属さない層の3セグメントに分けているとコメント。「我々だけでなく、すべての人に視聴を楽しんでもらえるかプロプレイヤーと相談しながら進めていきたい」と語る。

 次期アップデートの9.19ではTier10のエンドコンテンツとしてランクマッチが導入されるが、これに対してTier1~4のいわゆる新規ユーザー層に関する施策は明言されていない。Fadl氏は「TMS(トーナメントマネジメントシステム)が稼働している。これで多くのトーナメントをマネージできるようになった。これまで以上に低Tier帯のユーザーが気軽に参加できるようになったので、これからも多くのトーナメントを開催していきたい」と意欲を見せる。

 バージョン9.18に関しては「ゲーム性が完全に変わった」としつつ、既存のシステムを維持するだけでなくe-Sportsに理解を示す若いユーザー層が求める方向性に舵を切ったことがe-Sportsが成功した要因と語る。Fadl氏は「Wargamingの全タイトルをe-Sportsにもっていきたい」とコメント。「WoTで多くのことを学んだ。e-Sportsに誘導するしっかりした土台をつくっていきたい」と締めくくった。

日本のe-Sportsへのイメージ改善に意欲

 続いてWorld of Tanksの“ROLL OUT”、World of Warshipsの“ACTION STATIONS”など多くのブランドメッセージを手がけるGlobal Brand DirectorのAl King氏のインタビューの模様をお届けする。

Global Brand DirectorのAl King氏

 King氏は「マーケティングにはIdentify、Creating、Keepingという大きく3つの要素がある」とコメント。特にユーザーの認知度を示すIdentifyは非常に重要と語り、「ブランディングで重要なのは全ユーザーに同じことを感じてもらうこと。毎回同じ色やフレーズで刷り込んで覚えてもらうこと」と話す。King氏は苦労するポイントとして「各国で独自に展開しているマーケティング活動をWargamingが定義する作品の“ベース”に引き上げるのが非常に難しい」とコメント。国ごとのブランディングの優れた部分を生かしつつ、タイトル共通のテーマがぶれないように調整するのに苦戦しているようだ。

King氏の右腕にはパークスキル「戦友」のタトゥーが

 日本での浸透が遅れているe-Sportsに関して、King氏は「e-Sportsのイメージが誤解されている」と語る。どうイメージを変えていくかという具体的な対策は難しいと語りつつ、「まず大切なことはウソをつかないことが大事。第二に問題をちゃんと理解して動いていくことが大事」とコメント。「e-Sportsはコンテンツとしてはボクシングや野球などと近い。これもチームワークと日々の練習が大事ということ。だからロシアや韓国では広く認められている」と語る。これらの国では、e-Sportsのプロプレイヤーはスポーツ選手と同じく尊敬される存在とのことだ。

バージョン9.18での変化はポジティブな評価が多い

Product DirectorのThaine Lyman氏

 最後に、World of TanksをディレクションするProduct DirectorのThaine Lyman氏のインタビューの模様をお届けする。Lyman氏は次期アップデート9.19のTier10ランクマッチに関して「熟練プレイヤーへの施策が多く見えるかもしれないが、バージョン9.18ではマッチングシステムやマップの変更など、あらゆるレベルでバランスを調整している」と語る。新規ユーザーに対しては「エイミング(照準)時間の短縮など、より初心者が楽しめるように調整しており、特にUIはわかりやすく生まれ変わった」とコメントした。

 9.18ではマッチングシステムの調整のほかTier10軽戦車の導入、大口径砲を搭載したSPGの攻撃にスタン効果追加などシステムにさまざまな調整が施された。これらの変更に対するフィードバックに関してLyman氏は「ポジティブな評価がいちばん多かったのがマッチングシステムの改善」と語る。さらにSPGの変更に関して「最も多くのフィードバックがあった」とコメント。これはポジティブ、ネガティブな意見とも多いと語るが、ポジティブな意見のほうが多いとして「我々の調整は間違っていないと考えている」と語る。

 マップごとに進行ルートやスポット地点が固定化されつつある傾向に関しては「マップは大きな手直しを検討中」と語り、現在は土台作りの作業を進めているとのこと。ただし、一部のマップでは「我々が意図していなかった戦略が立てられている」とコメントし、これに関しても調整を進める構えだ。

 最後に、初心者や無課金ユーザーからの不満も多い“金弾”(プレミアム砲弾)に関して、Lyman氏は「その質問に答える前にビールでも一杯どうだい?」とジョークを飛ばしつつ「基本的にできるだけコミュニティーでユーザーと意見を交換して、間違いや食い違いがないように話を進めている」「特に課金で手に入るプレミアム車両のバランスは大事」とゲーム内バランスの重要性を語る。「プレミアム砲弾はもともとゴールドで購入するアイテムだったが、ゲーム内通貨のシルバーで買えるようにした。すべてのユーザーが平等であること重視しつつ、課金要素とうまく折り合いをつけていきたい」と語った。


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