今から13年ほど前、3.5インチ外付けHDDサイズの“持ち歩くデスクトップ”をイメージした「PC Core System」という試作品が日本IBMから紹介された。
IBMワトソン研究所の「Meta Pad」のコンセプトを具現化したもので、ユーザーはこのシステムだけを持って、立ち回り先に事前設置した、ドッキングステーションやディスプレー、キーボードを借用するというコンセプトだった。
ICTの世界もほかの産業世界と同じで、同じようなコンセプトや製品が何年かおきに繰り返し登場するのが実情だ。
筆者は以前、キーボード一体パソコンだけを持って出張に行き、ホテルの部屋のHDMI対応テレビを利用するなどを何度も繰り返してきた。
2016年に少し流行ったWindows PhoneをデスクトップPCに変える「Continuum」(コンティニュアム)も速攻で試したいと思い、某社のスタイリッシュなWindwos Phoneを発売日に買ったが、運悪く初期不良で返品。挫折してしまってそのまま試さずにいたのだった。
そんな筆者の持ち歩きデスクトップをやっと実現してくれたのが、サムソンの「Galaxy S8+」と「Dex Station」だった。
当然、Windowsではないが、スマホ上で動作するほとんどのAndroidアプリはドッキングステーションであるDex Stationを介して、標準サイズのQWERTYキーボードで操作できて、大型のHDMIディスプレーで、スマホとは異なる雄大で余裕の画面での操作が可能だ。
スマホの画面を大画面テレビに表示できる
「Dex Station」
早速届いたDex Stationは直径10cm、高さ5cm弱、ACアダプター込みで重さ約300gだ。少しファットなどら焼きのような外観をしたDex Stationは、Galaxy S8と周辺入出力機器を繋ぐ役目のドッキングステーションだ。ACアダプターからType-C USBポートで給電を受けて動作する。
Dex Stationには、ほかに入出力ポートとして、USBポートが2個(キーボードやマウスの接続用)、有線LANポート、HDMIポートが側面に配置されている。
筆者は、自宅のルーターであるASUS「RT-AC87U」とDex Stationを有線LANで接続。キーボードはTrackPoint付きのThinkPadキーボード。そしてHDMIケーブルでレノボの30インチディスプレーに接続して使用した。
丸いDex Stationの上面に記述されているSAMSUNGのロゴの下あたりを軽く指先で押すと、天板がスライド&スタンドアップして、内部にスマホと接続するためのType-Cプラグが露出する。
そこにGalaxy S8+(またはS8)をドックすることで、すべての準備は完了だ。明確な理由はよく分からないが、筆者がGalaxy S8+に取り付けているTPU製のプロテクトケースは外さないと動作しなかった。
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