春のヘッドフォン祭 2017 ― 第16回
拡張ボードも充実、アンダー1万円から始められるハイレゾ生活
進化の速い「ラズパイ・オーディオ」の現状、ここまでやれる!
2017年05月13日 12時30分更新
最近、耳にすることが多くなった「ラズパイオーディオ」は、ワンボードコンピューターの「ラズベリーパイ」(Raspberyy Pi)を使って、小型で高音質の音楽再生を実践する取り組みだ。ヘッドフォン祭でも、数年前から展示を見かけるようになり、手軽に始められるが奥の深い自作オーディオの楽しみ方として1ジャンルを築きそうな印象がある。
この記事では4月29日と30日に開催された「春のヘッドフォン祭 2017」の会場で見かけた新製品情報を取り上げながら、ライターのゴン川野氏に、ラズパイオーディオ事情をまとめてもらうことにする。
ラズパイを組み込んでRATOC「RAL-NWT01」
「ラズベリーパイをオーディオに使うといいらしい」という話を聞いて調べてみると、ケースレスの基板1枚でOSも自分でインストールする必要があると分かって、ちょっと敷居が高いと思っている方に朗報。
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RATOC「RAL-NWT01」(写真上) |
RATOC Audio Labが同社のDAC内蔵ヘッドフォンアンプと同じデスクトップサイズのネットワークオーディオトランスポート「RAL-NWT01」を発売した。その内容は、一般的なネットワークプレーヤーからDAC機能を取り除いたイメージだ。
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LAN端子、USB端子、HDMI端子を装備 |
USB接続で音楽データの入ったHDD、SSD、USBメモリーを認識、または有線LANでNASに接続可能。スマホやノートパソコンのウェブブラウザからワイヤレスで楽曲の管理、再生ができる。中身はラズパイCM3(Compute Module 3)なのでキーボード、マウス、ディスプレーーに接続すればパソコンと同じように操作できるのだ。
microSDカードにOSとVolumio2がインストール済みで、電源を入れれば通常のオーディオ機器と同様に操作できる。USB/DACと組み合わせてネットワークプレーヤーが完成。本体内には2.5インチストレージを接続できるスロットがあり、SSDやHDDをスロットインで使える。
ラズパイで悩むケースをどうするかの問題、敷居を高くしているOSのインストールも済ませてあり、まさにラズパイのメリットを手軽に享受できる製品だ。その分、価格は7万2000円とラズパイオーディオの製品としては高価な部類になっている。
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RATOC「RAL-KCM3MB01」ラズパイ用マザーボード |
RATOCではラズパイCM3用のマザーボードも発売予定で、こちらは実売価格で約2万5000円。上級者なら、こちらに挑戦するのもいいだろう。5月15日から「Raspberry pi Audio Cookbook」というキット製品解説ページが同社のウェブサイトに公開予定なので、これを読んでから、どちらにするか決めるという手もある。
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ラズパイ用のS/PDIF出力基板、USB増設基板、電源基板なども参考出展された |
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