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前田知洋の“マジックとスペックのある人生”第43回

ユーチューバーも気にする!?あなどれないマイクのこと

2017年05月16日 17時00分更新

文● 前田知洋

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トレンドはコンテンツのブラッシュアップ!

 動画配信サイトやFacebookへの投稿するコンテンツ、その中身が肝心なのはもちろんです。しかし、日々アップされる無数のコンテンツの違いが微妙になってきたこともあり、視聴回数を増やそうと、クリアな音声や画像、編集などがトレンドになってきたことも確かです。

 つまり、ゲーム実況や新商品レビューなどの個人発信のコンテンツだけでなく、違法アップロードも含めてテレビ番組やラジオ番組が混在していることで編集や映像や音声の質に気にかけるチャンネルが増えています。

 その理由は、視聴者の目や耳が慣れてきただけでなく、人気ユーチューバーが配信収入によって、カメラやマイク、ライトなどの機材にお金がかけられるようになってきたこともあるかもしれません。

 しかし、カメラなら、解像度やレンズの明るさなどのスペックがわかりやすいですが、マイクの音質は感覚の問題でもあるので、比較しないとわかりにくい。

 たとえば、普段からそれなりのスピーカーでそれなりの音しか聞いていない人には、違いが気になりません。筆者も動画投稿をしはじめた頃は、ビデオカメラのマイクやパソコンのマイクで収録して違和感なく配信していました。

 ところが、テレビ番組に出演するようになったり、有料動画で視聴者に「音が悪い!」とクレームをもらったことなどがキッカケで、少しいいマイクを導入しました。それでも、やっぱり収録機材としては、カメラ、ライトについで、専用マイクの導入が最後になっちゃうんですよね。

筆者が愛用の米Blue社のUSB接続コンデンサマイク

コンデンサマイク?ダイナミックマイク?

 しかし「よし!マイクを新調しよう」と思っても、マイクは性能も値段もピンからキリまで。アマゾンで「マイク」を検索してみたら、なんと約14万件もヒットしました。製品多すぎです。

 マイクの種類はざっくり分けると、音を電気信号に変えるための2つの方式があります。それはダイナミックマイクとコンデンサマイク。

 音質を重視するならコンデンサマイクがおすすめです。ただし、コンデンサマイクの別に電源が必要なのが難点。ダイナミックマイクなら音質は劣りますがマイク端子につなぐだけで使えます。

 便利なのはUSB接続できるコンデンサマイク。価格は少し高くなりますが、コンデンサマイクに必要な電源もUSBから供給されるため、別に用意する必要がありません。

接続端子の形状もいろいろ

 筆者はたまたま大学で電気通信工学を勉強したので、多少の電気的な原理などは理解できます。しかし、毎回のように頭を悩ますのは製品ごとの接続端子。一般的なマイクならフォーンジャックかXLRタイプコネクター(キャノンコネクター)などの形状があります。

 ところが、フォーンジャックにも標準(6.3mm)、ミニ(3.5mm)、マイクロ(2.5mm)があり、事態は複雑です。さらにステレオマイクになるとフォーンジャックTRS(3極)と呼ばれる三極のジャック、そしてスマホや音楽プレイヤーに接続するイヤホン+マイク用だと規格外の4極、5極のミニ・フォーンジャックもあります。

筆者が使うSONY HDR-AX2000のXLRタイプのマイク端子

 そのうえ、胸元に着けるようなピンマイク(ラペリアマイクロホン)になると、LEMOタイプとかヒロセタイプなど端子の種類も増えてきます。

しかし、よほど特殊なマイクでもない限りは、購入時にどんな機器に接続するかを説明すれば、適切なマイクを教えてくれます。ただし、音質については目的や好み、予算とのバランスになるので自分で判断することが大切。
ディナーショー用に購入したデンマークDPA社のヘッドセットタイプのコンデンサマイクロホン。コネクターはMicroDotという特殊規格

マイクスタンドか、マイクアームか?

 マイクを手に持ちながら音入れや配信をするなら別ですが、マイクスタンドなども重要な要素になります。たとえば、卓上にマイクスタンドを置くとPCのファンなど他の機材の振動が机を伝わって拾ってしまいます。

 卓上ライトのような形状のマイクアームなら机からのノイズも拾いにくいですが、たまにしかマイクを使わないなら長いアームが邪魔になるかもしれません。

 頻繁に配信や音入れをするならマイクアーム、たまにしか使わないなら卓上マイクスタンドが便利です。筆者は週一で有料動画を配信していますが、重量のあるマイクを使っているのでマイクスタンド派。本当はマイクアームが欲しいと思っているのですが、特殊な形状のマイクなので「きっと高いんだろうなぁ…」と悩み中です。ふと、検索してみたら、ショックマウント+ポップガード+アームで5万円近い…。

マイクの前のあの黒い丸いヤツの正体

 たまにスタジオレコーディングのシーンや動画配信などで、マイクの前に置かれた黒い丸いモノを見かけたことはないでしょうか?それはポップガードと呼ばれる、パ行などを発音するときにマイクにぶつかる息を防ぐためのパーツです。

ポップガード。よく唇が触れるので自分専用です(笑)

 ポップガードはマイクにかかる息を防止するだけでなく、口とマイクの距離を適正にする役目もあります。効果も大きく、見た目もちょっとプロっぽい、値段もそれほど高くないので使う配信者も少なくありません。筆者も形から入るタイプなのでもちろん使っています(笑)

 外国製のマイクばかりを使っている筆者が語るのもなんですが、音響製品は、ソニーやオーディオテクニカなど、日本のメーカーがまだまだ頑張っているフィールドでもあります。ぜひ、マイクをアップグレードして、発信するコンテンツをブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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