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麻倉怜士のハイレゾ真剣勝負第12回

ウィリアム浩子オーディオルーム録音音源にも注目

麻倉推薦:サンタナの秘蔵音源が発掘されDSD化など

2017年05月13日 13時00分更新

文● 麻倉怜士 編集●HK(ASCII)

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 評論家・麻倉怜士先生による、今月もぜひ聴いておきたい“ハイレゾ音源”集。おすすめの曲には「特薦」「推薦」のマークもつけています。e-onkyo musicなどハイレゾ配信サイトをチェックして、ぜひ体験してみてください!!

『ロータスの伝説 (完全版)』
Santana

 新『ロータスの伝説』である。昨年暮れに日本のソニーミュージックの倉庫で、サンタナの1973年7月3、4日大阪公演を収録したアナログ・16チャンネルテープマルチテープが、発見された。本テープからLPの収録時間の関係で当時カットされた未公開音源7曲(約35分)を加え、全29曲の演奏曲順通りの完全版に仕立てた。

 あらゆる意味で完成されたセッションバージョンと異なり、本ライブはまさにラテンロックバンドとしての快適な乗り、乱舞するギターの色彩感、そしてリズムのキレとスピード感が体感できる貴重な音源だ。44年前のアナログ録音だから、最近のハイレゾ録音のような解像感、精細感は望めないが、音の太さ、剛性感、輪郭の量感……など、アナログ的な、そしてライブでなければ得られない音質的な記号性が満載だ。熱気と官能性が高く、サンタナのギターの歪み感が心地良い。冒頭、左チャンネルからMCが、「これからサンタナは一分間の瞑想に入ります」といって、本当に無音(会場ノイズはあるが)になり、瞑想するのである。正真正銘のライブ全収録である。

DSF:11.2MHz
Sony Music Labels Inc.、e-onkyo music

『MY ROOM side1』
Hiroko Williams

 2014年9月から始まり、これまで5作品がリリースされ、ウィリアムス浩子の人気を不動のものにした“MY ROOM”シリーズ。その第1作のハイレゾ化だ。

 オーディオルームでのレコーディングがミソだが、どこのだれのルームかは明らかにされていない。「電源からルームアコースティックの細部にまでこだわったオーディオ的配慮」を行ったとe-onkyo musicの当該ページでは述べている。

 ギターとヴォーカルというシンプルなデュエット。実にクリヤーでクリーンな音だ。電源を整えたオーディオ・ルームとのことだが、まずS/Nの水準が高いことに驚かされる。周波数特性も癖っぽさが少なく、バランスの佳さが聴ける。ウィリアムス浩子の声は、ピラミッド的な安定的なF特を持ち、フレージングが濃い。声の質感が清潔で、ニュアンス感の揺れ動きなど、キメ細かく再現されている。馬場孝喜のギターの質感も細やかで、優雅。落ち着いた丁寧な輪郭にて、上質でスムーズな音調。耳の快感だ。

WAV:192kHz/24bit、FLAC:192kHz/24bit
Berkeley Square Music、e-onkyo music

『R.シュトラウス:楽劇《薔薇の騎士》』
レジーヌ・クレスパン、イヴォンヌ・ミントン
マンフレート・ユングヴィルト
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・ゲオルグ・ショルティ

 アナログの絶頂期のウィーンフィルならではの妖艶で香り高い音調が濃密に伝わってくる。ウィーンの貴族生活での婚礼にまつわる、愉快なエピソードを音にするに、ウィーンフィルほどふさわしい楽団はあろうか。

 「ウィーン」という記号性のみならず、ウィーンフィルの持つ音色、音質、メッセージ性は、この退廃の貴族文化を描くに最適だ。ゾフィエンザールの豪華で華麗な音色もこの演目にふさわしい。当時のデッカの録音技術の高さが分かる華麗絢爛にして、細心丁寧なのである。当時のデッカの看板コンビ、ショルティ/ウィーンフィルならではの優秀作品だ。1968年11月、1969年6月、ウィーン、ゾフィエンザールで録音。

FLAC:192kHz/24bit
Decca、e-onkyo music

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