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鳥取県の中学3年生はフィールドワークも体験

4月22日のアースデイに向けてアップル直営店はリンゴの葉っぱが緑

2017年04月21日 12時00分更新

文● 吉田ヒロ

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 みなさん、おはようございます。ASCII(週刊アスキー+ASCII.jp)編集部の吉田ヒロでございます。さて今年も4月22日のアースディに向けて、アップルの直営店のリンゴマークのデザインが変わりました。リンゴの葉っぱの部分が、環境保護やエコを連想させる緑色に変わっています。この施策は全国各地にある直営店で実施されていますが、東京・渋谷と宮城・仙台一番町については、マークの変更はなくステッカーでの対応になるようです。

Apple表参道のリンゴマークも葉っぱがグリーンになっています

 で、アップルが何をやっているかといいますと、自社のプロダクトに再生可能な素材を利用した部品を利用、使われなくなった電子機器を自社で分解→素材化、自社の活動に水力や風力などの再生可能なエネルギーを積極的に使う——といった取り組みを進めています。具体的に1つ1つ見ていきましょう。

アースディに向けて刷新された、温室効果ガスの排出量削減や再生可能エネルギーの使用について解説する「環境」ページ

 アップルでは、自社の製品の製造や輸送、リサイクルなど一連の企業活動によって排出される温室効果ガスの量をCO2で換算する、いわゆる「カーボンフットプリント」の数値が年々下がっていることをウェブサイトで公表しています。二酸化炭素の排出量の増加が地球温暖化に影響を及ぼしているという現状を踏まえた取り組みです。

アップルは温室効果ガスの排出量の低減に向けて、さまざまな施策を実行中です

 そして、以前のアップルの発表会で紹介された高性能な電子機器分解マシーンである「Liam」を使った資源再生については、iPhone 6を10万台分解した場合に金や銀、そしてコバルト、タンタル、タングステンなどのレアアースが回収できるそうです。

一家に1台あると楽しそうなiPhone分解マシーンの「Liam」。今年からはMacBookの分解にも活用されるそうです

 MacBookなどのボディー素材にアルミニウムを使うのも環境保護の一環です。アルミニウムは加工や再生がしやすい金属で、これを積極的に使うことで資源をムダをなくすことに貢献しています。一部で批判されていたアルミニウムの精錬過程における温室効果ガスの排出についても、化石燃料よりも水力発電などのクリーンエネルギーを使って精錬されたアルミニウムを優先的に使うなどして、最新の13型MacBook Proでは1世代前のモデルに比べて、温室効果ガスの排出量は48%減少したそうです。

一部で指摘されていたアルミニウム精錬の際の温室効果ガスの排出量についても、化石燃料を使わずに精錬したものを優先的に使うことで低減を進めています

 こういった取り組みは、業績のいい企業の独りよがりになることもありますが、アップルでは取引のある企業とも協力しており、2018年までにアップル製品に使う部品の製造に100%再生可能エネルギーを使うと宣言した企業が7社もあります。Catcher Technologyというのは、台湾でiPhoneのボディーを製造している会社ですね。Compal ElectronicsはiPhoneの製造を請け負っている会社です。そしてイヒデンは日本の企業で、半導体パッケージなどをアップルに供給しています。イヒデンについては、以前ワタクシが「イビデンがアップル向け全部品を再生可能エネルギーで製造」という記事にしましたのでご覧ください。

アップルのパートナー企業も再生可能エネルギーの使用を進めています。すでに7社が賛同しています

 アップルはウェブサイトで、iMessageやFaceTime、Siriについても再生可能エネルギーで動いているというメッセージを出してます。これは、各サービスを運用するためアップルのデータセンターにあるサーバーが、再生可能エネルギーで動いているという意味です。

サーバーマシンの稼働と、マシンを冷やすための空調などで電気を使いまくるデータセンターですが、アップルはこちらも再生可能エネルギーでまかなっています

 自社が販売する製品の消費電力の低減についても公開されています。省電力化は環境保護というよりは、ユーザーの利便性向上が第1の目的かと思いますが、結果的に電力消費量が低減されたことで、カーボンフットプリントを減らすことに寄与しているわけです。アップルは、Apple Aチップだけでなく、モバイル向けのGPUについても自社開発するのでは?、MacがApple Aシリーズを搭載するのでは?などのウワサが絶えませんが、消費電力量の低減という観点からみるとウワサもあながち間違っていないのかも。

各製品の消費電力量の低減も実施

 アップルに限ったことではないですが、人体に有害と認定されている素材については、徐々に使用を減らす企業が増えています。アップルでは、ベリリウム、水銀、鉛、ヒ素、PVC、フタル酸エステル、臭素系難燃剤については製品からの完全排除に成功しています。

人体に有害な素材を無害な素材に置き換え

 なお、iPhoneやMacBookなどの製品別に温室効果ガスの排出量や製品に使用されている材料などは配布されいるPDFに詳しく記載されています。

鳥取の中学生がアースディ期間にフィールドワーク

 アップル直営店のリンゴマークの葉っぱが緑になった初日である4月20日、鳥取大学付属中学3年生の5名が、Apple表参道にてフィールドワークを体験しました。

修学旅行中の中学3年生がフィールドワークに挑戦

 内容としては、絶滅が危惧されている動物の絵を、iPad ProとApple Pencilなどを使って描くというもの。中学生たちは、ペンギンやユキヒョウの写真を参考にしたり、トレースしたりしながら一生懸命作業を進めていました。

iPad Proを使って動物の絵を描く生徒たち

 引率の先生に話を聞いたところ、現在東京に修学旅行中で生徒たちはグループに分かれて、官庁や出版社、クレープ店、メーカーなどに社会科見学に行っているとのこと。Apple表参道に集まった5人もその一環だそうですが、なんと自分たちからアップルに依頼して今回のフィールドワークが実現したとのことでした。

修了書をUSBメモリーを装着して記念撮影

 フィールドワークの終了後には、おなじみの修了証とUSBメモリーになっているバンド、そして生徒たちが着用している黄色のTシャツがプレゼントされていました。

 なおアップルでは、アースディに向けた日本向けの動画をYouTubeで4本公開しています。


ヤクを育てるソーラーファーム?



Appleは廃棄物をゼロにできるか?



なぜAppleは自ら汗を開発したのか?



ビルは呼吸ができる?



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