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4月26日のアップデートで実装された足が3本ある怪鳥「リーウー」の実態に迫る

月刊ムー編集長の三上 丈晴氏が調査! ArcheAgeに現れた怪鳥「リーウー」は八咫烏なのか?

2017年04月26日 17時00分更新

文● 八尋/ASCII

ArcheAgeの世界に現れた「リーウー」は八咫烏なのか、月刊ムー 編集長の三上 丈晴氏が調査!

 ある日、急にゲームオンから連絡がきた。同社が運営するMMORPG「ArcheAge」で、巨大な怪鳥が現れたというのだ。名前は「リーウー」というらしく、足が3本ある鳥ということで、実は八咫烏ではないかと疑惑が浮上したのだ。

リーウーの画像資料

 そこでArcheAgeの日本運営プロデューサーの石元 一輝氏は、世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン「月刊ムー」の編集長である三上 丈晴氏に調査を依頼。リーウーははたして八咫烏なのか、八咫烏とはいったい何なのか、三上氏に謎を解いてもらうことになった。

八咫烏は日本神話や日本建国の中で大きな役割を果たした

ArcheAgeの日本運営プロデューサーの石元 一輝氏が三上氏とともにリーウーの実態に迫った

石元 一輝氏(以下、石元):今回、ArcheAgeに謎の巨大な鳥のようなモンスターが出現しました。空を飛んでいて身体は黒く、雷をまとっています。また、足が3本あるのが特徴です。足が3本ある黒い鳥といえば八咫烏を思い浮かべたのですが、我々だけでは知識が乏しいので、八咫烏について教えてほしいです。

三上 丈晴氏(以下、三上):八咫烏は、日本神話や日本建国の中で大きな役割を果たしたといわれている霊鳥です。天照大神の子孫が天皇といわれていますが、初代天皇とされる神武天皇は、九州で生まれて、畿内を目指します。

 その途中瀬戸内海を通るときに地元の豪族がいて苦戦し、紀伊半島の今でいう熊野まで迂回してヤマトを目指すんです。神武天皇はその途中で密林で迷ってしまうのですが、そのときに颯爽と現れて道案内をしたのが八咫烏だといわれています。

石元:日本だと重要な役割を担っているんですね。

三上:日本だけでなく、中国の古文書にも金の烏が登場します。中国では太陽の中の黒点を烏にみたて、太陽の神様の使いという位置づけをされていました。ちなみにこの金の烏も3本足です。東の果てに巨大な樹木が生えていて、この木に烏が10羽とまっていて、それぞれが1日1回背中に太陽を載せて太陽を回すという思想もあるんです。烏が10羽いたので、太陽も10個あるといわれることもあったようです。

八咫烏の色々な説を石元氏にレクチャーする三上氏

石元:太陽が10個ですか?

三上:ええ。1か月はだいたい30日で、10個の太陽を1セットと数えたんです。上旬、中旬、下旬といいますが、旬が太陽10個ワンセットになります。また、数字にも陰と陽があり、だから烏の足が2本足だと具合が悪かったんですね。この金の鳥が、日本に入ってきたときに建国神話に取り込まれ、八咫烏になったともいわれています。

石元:仏教とも関わりがあるんですか?

三上:仏教より前ですね。陰陽道に賀茂建角身命(かもたけつのみのみこと)という人物がいるのですが、別名が八咫烏なんです。神話だと八咫烏ですが、その実態は賀茂建角身命で、神武天皇を案内し、子孫が賀茂氏として代々天皇家に仕えてきたとされています。

 天照大神は伊勢神宮に祭られていて、伊勢神宮が祭祀のトップだと思われがちですが、実際は京都の賀茂神社なんです。賀茂氏は鴨族とも呼ばれ、鳥の名前がつく一族は、祭祀に密接に関わっているといわれています。

三上氏の話を興味深そうに聞く石元氏

石元:なるほど。八咫烏は聞いたことがあったんですが、妖怪だと思っていました。神様なんですね。

三上:妖怪というのはかつては神様で、段々零落していって妖怪になったんです。例えば一つ目小僧ももともとは神様だったんですよ。

石元:鳥と祭祀が密接な関係というのも知らなかったです。

猿田彦は天狗で、天狗の配下である烏天狗は八咫烏!?
八咫烏という秘密組織も!?

三上氏から、八咫烏の伝説が次々と語られる

三上:そうですね。猿田彦ってご存知ですか?

石元:名前は聞いたことあります。

三上:猿田彦は一説には忌部一族だといわれています。先ほど鳥のつく一族は祭祀に深く関わっているといいましたが、忌部一族の祖が天日鷲(あめのひわし)で、天日鷲は場合によって猿田彦に置き換えられるんです。また、猿田彦の奥さんが天鈿女命(アマノウズメ)で、その子孫である猿女君(さるめのきみ)も祭祀に関わっています。

 また、猿田彦は天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、九州の高千穂に降臨するときに途中で現れて道案内したとされています。

石元:猿田彦も八咫烏も道案内役だったんですね。

三上:そうなんです。また、猿田彦の容姿は赤い顔で鼻が大きいんです。

石元:それって天狗じゃ……

三上:そうなんです。そして天狗の配下にいるのが鳥の頭をした烏天狗です。この烏天狗が、八咫烏ともいわれています。鞍馬天狗って聞いたことあると思いますが、鞍馬は京都の北にあり、あの辺一体は賀茂一族の領域なんです。鞍馬天狗として語られた人たちが賀茂一族ということになります。

 また、天狗とよばれる裏の組織があり、その組織の名前も八咫烏です。この組織は裏の陰陽道です。陰陽道も表と裏があり、裏の陰陽道は漢波羅とよばれています。これは全部賀茂一族です。この八咫烏という組織が建国から現代にいたるまで裏で活躍しているといわれています。

石元:じゃあ卑弥呼くらいの時代もですか?

三上:そうですね。烏の伝説はもっと古くからあり、アレクサンダー大王がシヴァという場所で道に迷ってしまったときにあらわれたのも烏ですし、旧約聖書でノアの箱舟が漂着したときに預言者ノアが最初に放った鳥も烏だといわれています。

石元:聞けば聞くほど深くて面白いですね。様々な謎を秘めている八咫烏ですが、ArcheAgeではリーウーという新しいレイドモンスターが現れました。リーウーは空を飛んでいて、条件はありますが、翼を装備して自由に戦います。実際にリーウーが飛んでいるところを観てもらいたいのですが、これを見て八咫烏だと思いますか?

三上氏に実際にリーウーを確認してもらう

リーウーはめちゃくちゃ巨大で、優雅に空を飛んでいた

三上氏でもリーウーが八咫烏なのかどうかは判断できなかった

三上:うーん、八咫烏というよりはドラゴンですね。ArcheAgeという言葉を聞いて、どちらかというと始祖鳥のイメージですね。ただ、八咫烏は変身しますから、もしかしたら八咫烏かもしれないですね。

石元:変身するんですか?

三上:神武天皇がヤマトに入るときに、豪族と争い苦戦するんですが、そのなかで天空から光る鳶が飛んできて神武天皇の手先にとまるんです。その神々しさに圧倒され、豪族は戦意を喪失したといわれています。

石元:そうなんですね! リーウーも全方位にバリアを貼って、すべての攻撃を無効化する能力を持っているなど、戦闘意欲をなくすくらい強いですからね。ぜひ、プレーヤーの皆さんも実際にその目でリーウーの姿を確かめてほしいです。三上さん、ありがとうございました。

謎多きリーウーの実態はその目で確かめよう!

八咫烏にさらに興味が沸いた石元氏は、調査後も月刊ムーを読みながらリーウーについて考えていた

 三上氏から八咫烏の興味深い話を詳しく聞けたものの、リーウーが八咫烏なのかは謎のままだった。リーウーは4月26日の最新アップデート「蒼翼の咆哮」で実装されている。リーウーは追ってくるもの、立ちはだかるものすべてに雷の力をまとったエネルギー弾を無数に飛ばしてくる。また、自身はすべての力を無効化するバリアを展開し、圧倒的な力を見せつける。

リーウー

 リーウーを見事討伐すると、特殊効果や特殊能力が付与された強力な装備「雷神の慟哭」シリーズが入手可能だ。リーウーは新エリア「リードランド」に現れるという。ぜひ実際にリーウーを見つけて、いったいどんなモンスターなのか、八咫烏なのかをその目でチェックしてほしい。

「雷神の慟哭」シリーズ

「リードランド」

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