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NEC、SMB向けの60万円台から導入できる顔認証ソリューション

2017年04月13日 11時52分更新

文● 小林 編集●ASCII

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 NECは4月13日、SMB市場向け「顔認証」の販売および製品ラインアップの強化に関する記者説明会を開催した。

 「ソリューション開発プログラム/顔認証」を立ち上げ、ネットワークカメラ、入退管理システム、勤怠管理システムに関する資産やノウハウを持つソリューションパートナー19社と連携し始めた。専任担当者による技術トレーニングや技術連携のためのWebAPIの公開、開発・検証用機材の提供といった取り組みを通じて、顔認証を使ったSMB市場の新しいソリューションの創出や販売拡大を目指していく。

 発表された施策は、具体的に以下の3点がある。

  1. ソリューション開発プログラムの新設
  2. 550社の販売パートナーを支援する100名規模の販売支援体制
  3. SMB向け顔認証製品ラインアップの強化

 1に関しては「顔認証システム導入セット」と「ビデオマネジメントシステム導入セット」を対象とする。その事例として、クマヒラのセキュリティ―ゲートと連携した「なりすましができない入退出管理システム」、OBCの勤怠管理システムと連携した「サービス残業の可視化や抑止」ができるシステム、ローレルと連携したロボットを使った窓口受付システムなどが紹介された。

 2に関しては販売パートナーに対して、全国10支社を中心に100名体制での支援をする。学ぶ/見せる/提案するの3点を軸に、営業/SE向けのトレーニングを実施。また情報を集約したWebサイトを提供する。また、販売店向けの講習会や内覧会、秋葉原のショールーム「クラサバ市場」での展示、実機の検証支援なども含まれている。

 3については、クライアントPC向けの「NeoFace Monitor」、アプライアンスサーバー、デジタルサイネージ(AdWindows/PanelDirector)、プリンターの顔印刷ソリューション、サービス構築保守サービスなどがすでに提供されている。

スリム筐体のアプライアンスと組み合わせている

 発表会では特にアプライアンスサーバーの機能強化ポイントについて解説された。

 主なものとしては「入退出システム連携」と「WebAPI強化」の2点がある。さらにオプションとして、顔情報マネージャ(複数拠点で顔情報を共有する機能)、FieldAnalyst オプション(年齢・性別の推定や人数をカウントできる機能)、サイネージへの応用を可能にする「ターゲット広告サイネージセットモデル」などを提供する。

 顔認証システム導入セットは、ミニマムのバリューセットで67万円から。スリム筐体のサーバーと組み合わせている。カメラ1台の接続を想定しているが、アプライアンスの性能としては最大で8台程度のカメラを接続できるという。3月から投入しているICカード認証の「SecureFrontiaX」と組み合わせた「2要素認証」でより高いセキュリティーレベルを確保できるようにする(4月28日リリース予定)。システムにした場合のイメージとして、クマヒラとのソリューションで200万円程度、OBCとの取り組みでは300万円程度になるのではないかというコメントもあった。

 顔情報共有マネージャは、顔情報を複数の店舗で共有してどこに行っても均一なサービス提供ができるようにするものだ(6月末リリース予定)。価格は1年間の保守サービスパックを含み、30万円(税抜)。

サイネージへの応用例

 FieldAnalyst オプション(4月28日リリース予定)は、認識したユーザーの属性に合った情報を最適に表示できるため、サイネージなどに応用可能。価格は39万1000円(税抜)。顔認証システム導入セットとFieldAnalyst オプション、電子広告&掲示板システムのAdWindowsをセットにした「ターゲット広告サイネージ セットモデル」も下期にリリースする計画だ。

 会見には、パートナーズプラットフォーム事業部の浅賀博行事業部長が登壇。

 政府の施策も含めIoTやAIを活用した投資が活性化しており、SMB市場でもそれは同様だとした。内容としては大きく3つ、2020年に向けたセキュリティ強化(安心安全)、訪日観光客へのおもてなし、働き方改革の実現だ。それぞれ顔認証を利用した入出国審査ゲートの自動化、IoTやクラウドを活用したサイネージや観光案内、AIなどを活用した生産性の向上などが挙げられる。

 合わせてNECの顔認証技術がNISTの動画顔認証評価プログラムで1位評価を獲得した点にも言及。入国審査や防犯などでニーズが高まっている顔認証を国内でも一層の展開を図っていきたいとした。

 国内では全国の販売パートナーを通じてニーズを収集し、提案を進めながら事例を作っている段階。ネットワークカメラパートナーとの共創を通じてソリューションを作っていこうとしている。ニーズとしてはまずは入退出管理への要望が高いが、介護施設での見守りや子供の保護、防犯や小売店への来場者分析なども提案事例として紹介された。

 今回は1店舗でのテスト展開などを想定しつつ、アプライアンス型での提供となったが、今後はクラウドでのサービス化も視野に入れているという。

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