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ASCII STARTUP 業界ポジトーク第19回

生活体験を変えるサブスクリプションに注目

2017年04月20日 07時00分更新

文● 納富隼平 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP

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 みなさんこんにちは、トーマツベンチャーサポートの納富隼平(のうとみじゅんぺい)です。B2Cのベンチャーのいまを紹介する本連載第4回は“サブスクリプション”についてです。
 なお、本記事における意見は筆者の私見であり、筆者が所属するトーマツ ベンチャーサポート株式会社およびその関係会社の公式見解ではないことをお断りさせて頂きます。

サブスクリプションとは定期購買

 さて、サブスクリプションサービスの種類を見る前に、1回サブスクリプションについて整理しようと思います。サブスクリプション(subscription)とはもともと、新聞や雑誌の定期購読の意味だそうです。昨今のサブスクリプションサービスに当てはめると“月額定期購買”という意味で解釈すれば大方問題ないかと思います。また、サブスクリプション(の一部)はシェアリングエコノミーの一環として語られることあります。

1.月額定額で、使いたいものを使う(モノ・選択型)

 選択肢の中から好きなモノを選び、月額使用料を支払っている間はずっと使える、というものです。

 たとえばラグジュアリーブランドの洋服やバッグを想定していただくとわかりやすいでしょう。無数のアイテムから好きなものを選び、月額を支払っている間はずっとそのアイテムが借りられるといったサービス形態です。もちろん、飽きたり季節が変わったりしたらほかのアイテムを借りることも可能です。

 特にラグジュアリーブランドの商品は値段が当然高く、若い方にとってはおいそれと買えるものではありませんでした。しかし、サブスクリプションモデルなら比較的低額で、しかも複数の商品を利用することが可能ということで、利用者から人気を博しているサービスもあるようです。

2.月額定額で、自分の好きそうなもののが送付されてくる
(モノ・セレンディピティー型)

 次にモノ・セレンディピティー型のサブスクリプション。月額を支払えば自分好みの商品を届けてくれるといったカテゴリーです。

 ファッションの悩みでよく挙がるものに「自分で買うといつも同じような服になる」、「どんなコーディネートがいいかわからない」というものがあります。そこで登場するのがこのカテゴリーのサブスクリプション。

 たとえば月額定額で、自分好みだったり、自分に似合うであろう洋服をスタイリストがコーディネート、提案、送付してくれるといったサービスが登場しています。気に入った洋服はそのまま着用できるし、ちょっと違うなと思ったら別の洋服をリクエストすることも可能です。これなら前述の「同じような服ばかり」、「コーディネートがわからない」といった問題を克服することができるというわけです。特にプロのスタイリストの方がアイテムを選んでくれるとのことで、普段の自分では選ばないコーディネートも知れるという、いわゆるセレンディピティーも醍醐味のひとつです。

 この型は同じものでなくてもいいから色々なものを試してみたい、というニーズと相性がいいように思います。それもあってか海外では、化粧品や香水などのサービスも登場しているようです。

3.月額定額で、同じものが送られてくる(モノ・定期購買型)

 歯ブラシやコンタクトレンズ、シェーバーなど、日用品の中には定期的に取り替えなくてはならないものがあります。これらを定期的に送ってくれるのがこのタイプのサブスクリプションです。

 たとえば歯ブラシは、1ヵ月に1回ほどで交換することが目安だそうです。それ以上使用するとばい菌がたまったり、歯がくたってしまい、歯磨きの効果が半減してしまいます。しかし皆さんの中にも、そもそも今の歯ブラシをいつ買ったかわからなかったりして、1ヵ月以上使っている方も多いのではないでしょうか?

 そこで登場するのが歯ブラシのサブスクリプション、すなわち毎月定額を支払えば、毎月歯ブラシを送ってくれるというサービスです。毎月送られてくる歯ブラシを使えば、不衛生だったり、途中でくたってしまうという問題を解決できるわけです。毎月歯ブラシが送られてくるので、生活習慣を整えるというのがこのタイプの利点です。

 日本だと歯ブラシのサブスクリプション、海外ではシェーバーやコンタクトレンズのサブスクリプションが登場し、注目を集めているそうです。日用品(ドラッグストアにあるような商品)の中には定期的に取り替えなくてはならないものも多く、このサブスクリプションの種類は今後、もっと増えてくるかもしれません。

4.月額使い放題(サービス型)

 最後に、定額でそのサービスが使い放題になるといったタイプです。バラ売りだった本が定額読み放題になる、定額で動画コンテンツが見放題になる、といったものが該当します。

 たとえば定額で中古マンションの不動産仲介をするといったサービスもあります。不動産売買の場合、成約したときに仲介手数料を支払うといった収益モデルが多いと思いますが、このサービスは、物件情報を閲覧したり、ライフプランを相談するために月会費を支払い、その代わりに仲介手数料が最大無料になるというサブスクリプションモデルを採用しています。このモデルだと成約料に比例する仲介手数料がないので、ユーザーが満足しないかもしれない高額物件ではなく、ユーザーが最も満足してくれる物件を紹介できるというメリットがあります。

 さて、いろいろな種類のサブスクリプションモデルを紹介してきてお気づきかもしれませんが、サブスクリプションとは単に「買い切りを定額にする」といった、お金の払い方だけの問題ではないのです。サブスクリプションとは、「セレンディピティーを生む」、「生活習慣を整える」などの、今までのビジネスモデルでは得られないメリットを生み出す、ということなのです。サブスクリプションサービスを見つけたときには、サブスクリプションによるメリットを考えてみてください。

納富隼平(トーマツベンチャーサポート)

著者近影 納富隼平

2009年明治大学経営学部卒、2011年早稲田大学大学院会計研究科修了。在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人で大手電機メーカーを中心に会計監査に携わった後、2014年にトーマツ ベンチャーサポート株式会社に参画し、ベンチャー支援に携わる。毎週開催早朝ピッチイベント"Morning Pitch"、BtoCベンチャープレゼンイベント"sprout"、ベンチャーとベンチャーで働きたい人のマッチングプラットフォーム"faces"を責任者として運営。得意分野はファッションを含む衣食住等のライフスタイル関連のBtoCサービス。

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