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目玉機能の一つである10点マルチタッチの使い勝手をチェック

多関節スタンド採用の23.8型タッチディスプレーでタッチ対応アプリを試す

2017年04月07日 09時00分更新

文● 山口優 編集●八尋/ASCII

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デルの「P2418HT」

 デルから発売された23.8型ディスプレー「P2418HT」は、直観的なタッチ操作が可能な「アンチグレアタッチスクリーン」や、フレキシブルな角度調節ができる「多関節スタンド」などを搭載しているのが大きな特徴だ。前回はその基本性能や多関節スタンドを紹介したが、今回は目玉機能の一つである10点マルチタッチの使い勝手をチェックしていく。

つないですぐにタッチ機能を利用できる

多関節スタンドで画面角度を調節した状態

 P2418HTの10点マルチタッチ機能を利用するには、Windows 7以降を搭載したパソコンが必要になる。それ以外のOSを搭載したデバイスはサポート対象外となり、タッチ機能を利用することはできない。もっとも、タッチ機能以外は問題なく動作するようで、今回試した限りでは、Windows以外のOSや家庭用ゲーム機などでも通常の外付けディスプレーとして使用することができた。

 P2418HTのタッチパネルは、指で触れた時の微小な電気的変化を捉えてタッチした位置を特定する「透過型静電容量方式」を採用している。これは一般的なスマホやタブレットなどと同じ方式で、指での多点入力が実現しやすいという特徴がある。本製品も10点までのマルチタッチに対応しており、実際に使ってみた印象でも、スマホやタブレットと同じような感覚、精度でフリックやスワイプ、ピンチイン、ピンチアウトなどの操作ができた。

 タッチ操作メインで使用する場合は、本製品の多関節スタンドで画面角度を調節すると使いやすくなる。とくにディスプレー下部を机に密着させ、画面を上に向かせた状態が快適だった。ちなみに机と接するベゼルの下端にはゴム製のプロテクタがつけられているため、画面を動かした際に机と擦れて本製品を傷つけてしまう心配はない。細かい配慮ではあるが、実際にタッチ操作メインで使っていると意外に画面を動かすことが多いので、プロテクタの有無は使い勝手に結構影響してくる部分だと思う。

ベゼルの下端には机と擦れて傷がつかないよう、プロテクタが装備されている

画面を上に向けた際でも照明などの映り込みが少なく、快適に利用できた

 個人的には、液晶パネルがアンチグレアであることも使いやすさにつながっていると感じた。というのも、画面を上に向けた際でも照明などの映り込みが少なく、表示内容が見やすいからだ。また、グレアパネルだとタッチ操作を繰り返すうちに皮脂で画面が汚れてくるが、アンチグレアだとそれが気にならないのも大きなポイント。とくに写真のレタッチなどをしている際にありがたみを感じた。

タッチ対応アプリの利用で生産性アップ

フルサイズのスクリーンキーボードを使用しているところ。両手で効率的に入力できる

 実際にタッチ操作メインで使用してみて、まず印象に残ったのが23.8型という画面サイズの使いやすさだ。現在販売されているWindowsタブレットの画面サイズは10~13型が多いが、それくらいのサイズだとウェブサイトの小さなボタンやリンクなどは指でタップしづらいことが結構ある。

 P2418HTの場合は、それらに比べて画面サイズが大きいこともあってさまざまな場面で操作に余裕を感じた。たとえばウェブサイトの小さなボタンや文字列を選択するとき、わざわざ拡大表示しなくてもほとんどの場合狙った場所を正確にタップできる。

 また、スクリーンキーボードも両手で効率よく入力が可能。画面サイズの小さなタブレットだと画面の大部分をスクリーンキーボードが占領してしまうが、P2418HTの場合はフルサイズのスクリーンキーボードを表示しても余裕があるため、資料を見ながらメールを書いたり、文書を作成したりといった作業がとてもやりやすかった。

P2418HTでPhotoshop CCを使用しているところ。ジェスチャーが快適だった

 今回は、「Photoshop CC」や「Lightroom CC」、「Illustrator CC」などのタッチ操作に対応したアプリも使ってみたが、両手や複数指を使ったジェスチャーが思った以上に便利だった。たとえば、写真編集アプリのPhotoshop CCの場合、5本指のジェスチャーで画面モードを簡単に切り替えることができる。また、3本指で右から左に動かすと変更内容の取り消しが可能で、逆向きに動かすとやり直しができる。

 作業内容によってはショートカットキーなどを使うよりも素早く行なえたので、マウスとキーボードには戻りたくないと思うこともあるくらいだった。

Lightroom CCでRAW現像しているところ。タッチ操作に最適化されたワークスペースが用意されており、直観的に操作できる

 写真現像アプリのLightroom CCやドローソフトのIllustrator CCはタッチ操作に最適化されたワークスペースが用意されているので、さらに快適に作業できる。たとえば、Lightroom CCではモバイル版アプリのLightroom mobileのような簡易的な操作画面に切り替わり、アイコンをタップして機能を選んだり、スライダをドラッグして写真のコントラストや明るさなどを手軽に調整したりできるようになる。Illustrator CCもUIがシンプルになり、タップやドラッグで多くの機能が利用できる。

Illustrator CCでは、オブジェクトをタップするとサブメニューが表示され、そこからもさまざまな機能を利用できる

Illustrator CCでは、パスの描画やオブジェクトの変形などがタッチ操作で快適に行なえる

 現状だとアプリによってタッチ操作に対する対応がまちまちなこともあり、本製品を購入したからといってマウスやキーボードを完全に手放せるというわけではないが、普段のワークフローにタッチ操作をプラスすることで得られる恩恵はかなり大きいと感じた。パソコンでもスマホやタブレットのような直観的な操作がしたいという人、あるいは写真編集などの生産性をアップしたいという人には、ぜひ注目してほしい製品だ。

試用機の主なスペック
製品名 P2418HT
ディスプレーサイズ 23.8型
表示解像度 1920×1080ドット
視野角 垂直178°、水平178°
輝度 250cd/m2
ダイナミックコントラスト比 800万:1
コントラスト比 1000:1
入力端子 VGA端子、DisplayPort 1.2、HDMI 1.4端子
インタフェース USB 3.0(アップストリーム)端子、USB 3.0端子×2、USB 2.0端子×2、Analog 2.0音声ライン出力×1
サイズ/重量 およそ幅537.8×奥行234.8mm×高さ323.2~419.6(スタンドを含む)/約3.12kg(スタンド含まず)
付属品 ケーブルカバー、ケーブルスリーブ、電源ケーブル、DPケーブル、VGAケーブル、USB 3.0アップストリームケーブル、ドライバおよびドキュメントメディア、クイック・セットアップ・ガイド、安全上の注意

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