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オート・エックス、50ドルのWebカメラ7台で自動運転を実現

2017年03月31日 03時29分更新

文●Rachel Metz

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自動運転スタートアップのオート・エックスは、高価な自動運転用センサーに頼らず、1台50ドルのロジクール製Webカメラ7台とソフトウェアを組み合わせ、庶民でも手が届く自動運転車を実現しようとしている。

ウーバーやグーグルといった企業は、高価なセンサーを満載した自動運転車を開発している。一方、プリンストン大学コンピューター科学部元助教授で、庶民にも購入できる価格帯の自律型自動車を開発中のスタートアップ企業オート・エックスの創業者、肖健雄(シャオ・ジアンシャオ)最高経営責任者(CEO)は、同様のことを50ドルのWebカメラ数台で実現しようとしている。

肖CEOは、今週サンフランシスコで開催されたMIT Technology ReviewのEmTech Digitalの講演で、自身の過去が起業しようという思いを強くさせた、と述べた。中国の小さな町で、貧しい生活で育った肖CEOは、たった30km離れた海に18歳まで行けなかったという。

肖CEOは今、たとえば子どもが近所をドライブするのに、親に頼らず、自律型の移動手段を呼び出せるような未来を想像している。

「自律運転は高級である必要はないんです」と肖CEOはいう。

自律運転を安価に実現するため、オート・エックスは慣性計測装置やライダー、DGPSといった、数百ドル、数千ドル単位でコストがかかる一般的な自動運転用センサーを搭載しないことにした。そのかわり、オート・エックスはここ半年で、本質的に自動運転車の頭脳となるソフトウェアを開発してきた。360度の視野が得られるように、ロジテック製Webカメラを調整して、7台を車のフロントに搭載するのだ。

EmTech Digitalで肖CEOは、自社のテクノロジーが動作する様子の映像をいくつか公開した。車が1日の間に、小雨のなか、カーブの激しい道、曇りの夜、夜の高速道路など、自律的に運転して市街地を通り抜ける映像。たとえばサンノゼの高速道路高架の下をくぐり抜ける様子など、さまざまな明るさの下でどのように自動運転が動作するかを示す映像もあった。こういった条件は、最先端のセンサーを満載した自動運転車でも安全に運転できるとは限らない。

オート・エックスは、自動車メーカー以外にも、米国ではすでに生活の足になっているリフトやウーバー等の企業とも提携したいという。


転載元(MIT Technology Review)の記事へ

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