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「経理の日」はマネーセンスを磨くチャンス!

経営者こそ学んでおくべき会計処理のいろは

2017年03月30日 19時50分更新

文● 小堀真子 編集●飯島恵里子/ASCII

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弥生とMisocaの命名理由をセミナーの冒頭で説明する、弥生 代表取締役社長 岡本浩一郎氏。弥生の社名の由来は「旧暦の3月:中小企業の決算月が3月に集中していることから、中小企業の経理を楽にしたい」という理由から命名。Misocaは「晦日、毎月の最終日:毎月の請求業務を効率化したい」という想いから命名されたという

 儲けは出ているはずなのに、なぜかいつも手元にお金がない……。起業したいが、融資を躊躇している……。経営者や起業家、個人事業主を迷わせるその悩みは、もしかすると「会計」のいろはをほんの少し学ぶだけで、クリアにできるかもしれない。

 会計ソフトでおなじみの弥生とクラウド請求書作成サービスのMisocaが、多くの事業者が年度末を迎える経理の日(3月31日)を記念し、東京・永田町にて「儲かる会社の会計と経営がよくわかる」と題したセミナーイベントを開催した。

税理士・MBA(経営管理修士・専門職)いろは税理士法人代表 村田栄樹先生

 この「経理の日」とは、弥生とMisocaが2016年に「一般社団法人 日本記念日協会」に登録申請し、見事認定された記念日のこと。登壇したのは、著書「儲かる会社の会計と経営がよくわかる」がamazon総合第1位を獲得している「いろは税理士法人」の村田栄樹先生。東京・永田町の会場では、経営者や個人事業主はもちろん、これから起業を目論む若者など約60名が、「実学としての会計」を学ぼうと講演に耳を傾けた。

 大原簿記学校で約10年講師を務めた後、税理士として活躍。自身でも株式会社を経営し、小児科医療環境の改善事業や、岡山県にある摂食障害回復施設で簿記を教えるなど様々な活動を行っている。

会計処理を学ぶと確実に「損をしない」経営者になれる

 経理に苦手意識を持つ人の多くがつまづいてしまう要素といえば、帳簿付けに貸借対照表や損益計算書といった複雑な会計処理。勘定項目を考える際にも、何となくの慣習で処理してしまうケースは非常に多いが、実際はその会計処理で「損をしている」ケースが多々あると村田氏は説く。いわく「会計はスマホと同じ」。中身を全部を理解しておく必要はないが、うまく使いこなしさえすれば損を防げる。講演では、どんな費用をどの勘定項目で会計処理するかで、営業利益や申告書の信頼性にも差が出るというケースがいくつか紹介された。

例えば交通反則金は租税公課(費用)として処理しがちだが、申告書には「損金計上罰金等」として記載されてしまうため、銀行融資の際のマイナス評価などに繋がる可能性が。
村田氏はこれを役員借入金(社長負担)として処理することを提案するという。もちろん税法上は問題ない。

 また、事業をうまく回していくための売価や人件費の考え方、会社の社会的評価を決める年1回の「決算書」をいつ、どのタイミングで作るのが適切かといった基礎知識も幅広く紹介。誰にでも使いやすいクラウド会計ソフトも漫然と利用するのではなく、自分の商売の成り立ちをきちんと理解して設定・入力することで、より強力なツールになるなど、今このときから使える様々なテクニックが公開された。

夢だけで借りられる「創業融資」のススメ

 講演の後半では、これから起業を目指す参加者に向けて「創業融資のすすめ」も説いた。このご時世に融資というと二の足を踏んでしまう人も多いはずだが、すでに事業を行っている会社が銀行から融資を受けるには、試算表や過去3年間の決算書が必要となる。今は起業にあたって融資を受ける必要がなくても、数年後にはどうなるか分からないのがビジネスというもの。そう考えると「“夢”だけでお金を借りられるチャンスは起業時だけ。受けないにしても、いずれ融資を受ける前提で毎年の決算書を作っていくことが大事」と念を押した村田氏。自らが創業融資を選択せず後悔した失敗談を語りつつ、創業時こそ「潤沢な資金」というレバレッジが事業を軌道に乗せる武器になると熱弁した。

創業時の村田氏の失敗が披露された

 掛取引が当たり前の昨今のビジネスの世界では、「売上で得た利益とは成績のことであり、いま手元にあるお金とは別物だと捉える必要がある」と繰り返した村田氏。つまり日々の帳簿付けに関心を持つことで数字に強くなり、事業における明確な目標も生まれやすくなる。自分の会社の売上高も分からない…そんな経営者も珍しくないという昨今、まずは会計センスを磨くことが成功への近道となるかもしれない。

起業したばかりの人や起業を目指している人など、個人事業主を中心に30名ほどが参加した

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