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HPEの“ProLiant史上最小”サーバー、TM200はどんな可能性を開くのか ― 第1回

どこでも/サーバーを/簡単に、がコンセプト。新機軸x86サーバーの実力チェック

超小型の「HPE ProLiant TM200」サーバーはITの可能性を広げる

2017年04月07日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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インテル® Xeon® プロセッサー
D-1500 製品ファミリー搭載
HPE ProLiant Thin Micro TM200




 日本ヒューレット・パッカード(HPE)が今年3月に発売した「HPE ProLiant Thin Micro TM200」は、25cm角、薄さ5cm以下で“ProLiant史上最小”という超小型/薄型の本体に、4コア/8コアのサーバー向けプロセッサーや大容量メモリなどを搭載したユニークなサーバーマシンだ。

「HPE ProLiant Thin Micro TM200」は超小型/薄型のx86サーバーだ

 世界のサーバー市場で高いシェアを誇るHPEが「サーバーの新機軸」として提案するTM200は、オフィスだけでなく、小売店舗の受付や飲食店舗のレジ周り、小規模なクリニック、さまざまな作業場など、これまでサーバーが設置されてこなかったような場所へのサーバー設置と活用を可能にする。

 TM200でサーバー設置が“フリースタイル”になったら、どんな可能性が広がるのか。読者の皆さんにその活用イメージをふくらませていただくために、本稿ではまず、TM200の個性的なスペックをご紹介していこう。

壁掛けも縦置きもできる本体に、パワフルなサーバー向けパーツを搭載

 TM200の製品コンセプトは、「どこにでも置ける」「サーバークオリティ」「導入が簡単」の3つだ。

 一見してわかるとおり、TM200の本体はとてもコンパクトである。本体容積は、代表的なスリム型サーバーと比べて4分の1程度となる約3200mm3(3.2L)。49.5mmというスリムさも特徴で、ACアダプター電源を採用しているため動作音も静かである(35.4dBA)。

 そのため、オフィスのデスクトップはもちろん、書類棚などのすき間、小さな店舗にあるちょっとした壁面の空きスペースなど、まさに「どこにでも置ける」サーバーとなっている。自由な設置スタイルを実現するために、オプション品として縦置き用のスタンドキットや壁掛け用のウォールマウントキットも用意されている。

オプションを使えばデスクトップへの縦置きや壁掛け設置もできる

 外見は超小型PCのようにも見えるTM200だが、その中身には、パワフルかつ信頼性の高い「サーバークオリティ」のパーツを使用している。

TM200の内部(サイズ比較のためペンを置いた)。3.5インチドライブベイ×2、DDR4メモリスロット×2などを備える

 プロセッサーには、高性能かつ省電力性の高いサーバー向けSoC(Systems-on-Chip)の「インテル® Xeon® プロセッサー D-1500 製品ファミリー」を採用。用途に応じて、4コア(D-1518、2.20GHz)/8コア(D-1537、1.70GHz)の2モデルから選択できる。加えて、標準では8GBのDDR4メモリを搭載しており、これは最大64GBまで拡張が可能だ。

 また、本体内蔵ストレージは3.5インチドライブ×2台構成だが、オプションの「ストレージ拡張ボックス」を本体にドッキングさせるだけで、3.5インチドライブ×6台の構成に拡張できる。このストレージ拡張ボックスも、用途に応じて8TB(2TB×4台)モデルと16TB(4TB×4台)モデルから選択できる。

TM200本体に「ストレージ拡張ボックス」をドッキングした状態。厚さは120mmになる

 ネットワークインタフェースとしては、1ギガビットEthernet(1GbE)×2ポートとiLO専用ポート(後述)を備えている。さらに、将来的には1GbE×4ポートのオプション追加ボードも発売される予定だ。

本体背面には、1ギガEthernetポート×2やiLO専用ポート、USB 3.0ポート×2などを備える(前面にもUSBポート×2あり)

 このように、プロセッサのコア数が多く、大容量メモリや大容量ストレージも搭載できるため、「Windows Server」や「Red Hat Enterprise Linux」といったサーバーOSだけでなく、「VMware vSphere」などの仮想化環境をホストするマシンとしても十分な性能を持つ。

 さらに、HPE ProLiantサーバーではおなじみのリモート管理機能「Integrated Lights-Out 4(iLO 4)」も標準搭載している。

 iLO 4は、HPE独自開発の管理チップ「iLOマネジメントエンジン」を通じて、OSから独立したハードウェアレベルの監視や制御を可能にする機能だ。リモートからネットワーク経由で、たとえば本体電源のオン/オフやハードウェアのヘルスチェック、OSのインストール、仮想KVM(リモートコンソール)による操作、異常発生時のアラートメール送信といった機能が使える(一部機能はオプション)。

iLO 4のWeb GUI。標準でリモートからの電源オン/オフ、ハードウェアレベルの稼働状況監視、ヘルスチェックテストなどの機能を備える
iLO 4経由でリモートGUI操作や録画なども可能(オプションライセンスが必要)

「導入が簡単」を実現するために、ソリューションパッケージとして提供

 そして、TM200の3つめのコンセプトが「導入が簡単」である。

 TM200は、もちろんふつうのx86サーバーとして使える。サーバーOSをインストールすれば、すぐにファイルサーバーやプリントサーバーになる。また、業務アプリケーションサーバーとして使えば、優れたパフォーマンスを発揮するだろう。しかも、設置スペースを取らないのが嬉しい。

 また、マルチコアと大容量メモリという特性を生かし、極めてコンパクトな仮想化ホストマシンとしても活躍するはずだ。社内に古いサーバーが数台あるのならば、それらを仮想化してTM200上に統合することもできる。これだけで、サーバー管理の省力化や省電力化につながる。

 ただし、OSや仮想化環境のインストール、設定から始めるのは、ある程度のITスキルが必要だ。IT管理者のいない中小規模のオフィスや店舗などでは、なかなか「簡単」にはできないだろう。誰でも簡単に導入できるようにするには、どうすればいいか。

 そこでHPEが考えたのが、あらかじめMT200にソフトウェアやクラウドサービスを組み合わせたさまざまな「ソリューションパッケージ」を開発し、提供するという方法だ。これならば、ユーザー企業は最低限のセットアップ操作をするだけで、すぐに利用開始できる。

 さらに、iLO 4によるリモート管理機能を活用すれば、管理者が遠隔地の拠点に設置されたTM200を監視/メンテナンスすることもできる。システムインテグレーターやサービスプロバイダーが、保守管理契約をセットにして提供することもできるだろう。

 それでは、TM200を活用してどんなソリューションが考えられるだろうか。

 たとえば「クラウドバックアップ」のソリューションが考えられる。TM200上のバックアップソフトが、オフィス内のPCデータのバックアップを一括管理し、クラウドストレージにバックアップデータを保存するという仕組みだ。このとき、TM200上で重複排除や圧縮の処理をすれば、クラウドに転送する前にデータ量を削減できて効率的だ。TM200のローカルストレージとクラウドストレージで、二重にバックアップを取るような構成もできるだろう。

TM200の活用例:クラウドバックアップソリューション

 2つの1GbEポートをそれぞれWAN側/LAN側に割り当て、1台でファイアウォールやアンチウイルス、認証などさまざまなセキュリティ機能を提供する「セキュリティゲートウェイボックス」を構成することもできるだろう。最近では、多くのセキュリティベンダーが仮想アプライアンスとして製品を提供しており、仮想化ホストとしての能力にもすぐれるTM200にはぴったりの用途だ。

TM200の活用例:セキュリティ機能を統合したゲートウェイボックス

 そのほかにも、監視カメラソリューション(NVR)、POSレジやハンディターミナルとの連携ソリューション、受付/入館管理ソリューションなど、どこにでも設置できるTM200の強みを生かせば、幅広いソリューションのアイデアが生まれてくるはずだ。

 幅広いTM200ソリューションを開発、提供するため、HPEでは国内のソフトウェアベンダーやシステムインテグレーターと共同で「TM200ソリューションコミュニティ」を立ち上げた。ここで生まれたソリューションを紹介/販売するソリューションカタログのWebサイトも、近日中に開設される予定だ。

* * *

 TM200の登場によって、これまでは実現が難しかったソリューションが、簡単に実現できるようになるかもしれない。そこで次回は「TM200の新しい使い方」について、アスキー編集部でブレーンストーミングを実施してみることにしよう。

(提供:日本ヒューレット・パッカード)


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