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闇市場を生み出した農業機械のソフトウェアライセンス

Michael Reilly

2017年03月23日 22時08分更新

記事提供:MIT Technology Review

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農業機械用ソフトの闇市場を生んだのは、プラットフォーム指向の許諾契約のせいかもしれない。「修理する権利」を守るため、メーカーとの契約を無効化する法律が米国各州で審議中だ。

世界最大の農業機械メーカー、ディア・アンド・カンパニー(ブランド名「ジョンディア」)のトラクターを購入するとき、農家は信頼できる機械が手に入ったと思う。しかし、何かが故障して修理が必要になると、農家は農業機械のライセンス契約により、自分たちでは修理できないという不快な事実に気付く。闇市場にはハッキングされたソフトウェアが販売されているが、少なくとも、ジョンディアのライセンス契約には違反する可能性がある。

この種のどうにもしようがない事例がニュースサイト「マザーボード」の最近の記事で紹介されている。記事では、複数の農家がブランドのあるトラクター・メーカーについて不満を述べている。

2015年に改正されるまで、米国の著作権制度では、メーカー以外の者が機械を稼動させるソフトウェアに手を加えるのは違法だった。2015年に不満を持つ農夫とその友人が法的援助を募り、米国著作権局に例外を設けるよう申し立てた。申し立ては認められ、上位の法律であるデジタルミレニアム著作権法(DMCA)には痛手になった。 DMCAはもともと、音楽や映画の著作権侵害を阻止することが目的だったが、ソフトウェアを搭載した多種多様な機器を販売する多くの企業がこの法律を利用してきたことはほぼ間違いない。

例外扱いにはなったが、ジョンディアはいまだに、顧客によるトラクターの修理に厳しい制約を設け、ジョンディアが関わらない形でのあらゆる修理や改造を禁止するライセンス契約に署名するよう、顧客に強制していると苦言を呈する農家もいる。

こうした事情があって、農家や独立系の修理店が必要なソフトウェアを購入できる闇市場が生まれた。以下は、この状況について述べているマザーボードの記事からの引用だ。

「ちょっと探せば手に入れられるソフトウェアが出回っています」と、クラックされた(コピープロテクトを外された)ジョンディアのソフトウェアを使っているネブラスカ州の農業兼修理工はいう。「私は、手広くビジネスをしているわけではありませんが、たとえばこんな具合です。トラクターを持っている人がいて、そのトラクターに不具合が生じる。最寄の販売店は約64km先。修理工の私がここにいて、部品屋は約2km先にある。ところが、不具合を直す唯一の方法は違法なのです。それこそが、何よりも自由企業を妨げていることであり、農家が自分たちで修理する能力を妨害しているのです」

こうした事情から、「修理する権利」運動が盛り上がった。言葉通り、まさしく運動が起きたのだ。悪徳ビジネスの手法だと腹を立てる活動家は現在、ジョンディアのライセンスを無効にする法律を求めており、法案は、米国の8つの州(ネブラスカ州含む)で検討されている。

こうした混乱を生み出した連邦法は、現在トラクターには適用されていない。だが、いまだにさまざまな電子機器を顧客自身で修理したい人にとっては悩みの種のままだ。制度を変えるのは困難な仕事になるだろう。

(関連記事:Motherboard, “How Copyright Law Stifles Your Right to Tinker with Tech”)


転載元(MIT Technology Review)の記事へ

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