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kintoneな人 第2回

クラウドだからこそ実現できる「ハイスピードSI」の価値とは?

普通の受託開発会社をクラウドダイブさせる金春氏にとってのkintone

2017年03月28日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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大阪でもkintone Caféを主催 今後はkintone universityも

 金春氏は、kintoneのコミュニティであるkintone Caféにも深く関わっている。現在、金春氏は大阪のkintone Caféを2ヶ月に1回の割合で主催。ほとんど宣伝もしていないにも関わらず、参加者も少しずつ増えているという。

 エンジニア比率の高いJAWS-UGに対して、kintone Caféは製品の特性上、ビジネス寄りの人が多いというのも特徴だという。

「もうExcelがしんどいという人事部の人とか、IT系の人でもWebデザイナーの人とかも来るので、大まかにエンジニアでくくれるJAWS-UGとだいぶ空気が違います。いわゆるエンジニアノリが通用しないことも多いので、JAWS-UGと同じことをやってもしらけるだけです(笑)」(金春氏)

 コミュニティリーダーが勉強会を主催したり、勉強会の事後レポートを挙げるというのは、ある意味JAWS-UGと同じ。しかし、長らくJAWS-UGに関わってきた金春氏から見ると、kintone Caféは成り立ちからして大きく異なる。

3月に開催されたkintone Caféの模様

「JAWS-UGはある意味、AWSの小島さんが仕掛けたからできたのですが、kintone Caféは1ユーザーである北海道の斎藤さんがふわっと立ち上げたもの。サイボウズ自体が関わってきたのもずいぶん後からだし、そもそも成り立ちが違うんです。だから、自由な空気は維持しようと、みんな思ってますね。個人的にはJAWS-UGのように1000人規模のイベントをやろうとか、できたらいいとは思いますが、強引に全国まわって支部を作ろうという考えはあまりないですね」(金春氏)

 こういたコミュニティ活動とは別に、「kintone university」という研修事業にも力を入れる。先日は、アールスリーによる西日本でのkintone university展開も発表された。コミュニティ、教育事業などさまざまな形で、kintoneユーザーの拡大を進めているのが今のアールスリーだ。

現場部門の台頭や内製化の動きでプロの出番は増える

 顧客の課題解決を中心に据え、kintoneにもAWSにもフルコミットしているが、使いどころは今も模索中だという。

「とにかく2016年は全部kintoneでやるくらいの勢いでしたが、社内的には反省もあります。カスタマイズを入れすぎてしまい、結局フルスクラッチで作った方が速かったかもという案件もありました。特に大きな会社になればなるほど、セキュリティ面などでカスタマイズが必要な場合が多くなります。カスタマイズするか、フルスクラッチするかの選択眼は、もう少し磨かないといけないと思っています」(金春氏)

 長らく受託開発の会社として成長してきたアールスリーとしては、kintoneは悪しき文化を変えるきっかけになればと考えている。「クラウド時代に受託なんて破壊しろ」とではなく、もう少しまっとうなやり方があるのではないかという模索だ。そんな金春氏にとってみれば、現場部門とどのように共創していくかを考えられるkintoneは最高の素材と言える。

「長らく受託をやっているので、受託もそんなに悪くないよという証は立てたいなと思います。現場部門でkintone使える方はいっぱいいますが、『作っているものが正解かどうかがよくわからない』という声は出てきます。でも、僕たちは正解かどうかわかるし、ベストなものを提案できる。世の中が内製に向かっているのは間違いないですが、僕たちののようなプロフェッショナルの出番はこれからだと思っています」(金春氏)

「僕らのようなプロフェッショナルの出番はこれからですよ」(金春氏)

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