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Googleフィーチャースニペットに表示するテクニック SMX West 2017

2017年03月24日 01時08分更新

記事提供:SEMリサーチ

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デジタルマーケティングエージェンシー Stone Temple Consulting の Eric Enge CEO が SMX West 2017 の "SMX Theater" セッションに登壇した。How to Rank in Position ZERO というタイトルで、Google 検索結果機能の一つ、フィーチャースニペット(Featured snippets)に自分のページを表示するための方法について解説した。

フィーチャースニペットとは

フィーチャースニペットは、ユーザーの検索に対する直接的な回答を自然検索結果枠の上部に表示する、公式には「ダイレクトアンサー」と呼ばれる機能の1つ。ダイレクトアンサーは、スポーツの試合の途中経過など現在進行の情報をリアルタイムに表示する「Live result」、ナレッジグラフの情報を表示する「ナレッジカード(ナレッジパネル)」、そして今回紹介する「フィーチャースニペット」がある。

フィーチャースニペットは、たとえば Google英語版で "how to catch pokemon"(ポケモンの捕まえ方」と検索したとき、あるいは Google日本語版で"世界で一番速い鳥"と検索したときに画面最上部に表示される、数行の説明文と情報源へのリンクを表示するカードを指す。


Googleアルゴリズムが自動的に決定する

ユーザーの検索要求のなかには、単純な事実や情報を求めていることも少なくない。検索結果の候補のなかからユーザーがクリック/タップするリンクを選ばずとも、Google が直接答えを提示できるならそれに越したことはないし、検索体験もより優れたものとなる。Google は近年、このダイレクトアンサーの拡充に力を入れてきた。

この枠は、決して Google の検索担当者が人力で編集しているわけではなく、アルゴリズムで自動的に選択して表示している。検索最上部のこの枠に自分のページを表示することができれば、多くの自然検索流入が得られると期待する人は多い。こうした背景から、SEO の1つとしてフィーチャースニペットの最適化手法を研究している専門家も少なくない。Eric Enge 氏はそうした専門家の一人で、過去に何度もフィーチャースニペットを題材にしたコラムや講演を行っている。


フィーチャースニペットへの表示は本当に自然検索流入を増やす?

「フィーチャースニペットに表示されればアクセスが増える」と書いてしまったが、皆がそう信じているわけではない。先述した通りフィーチャースニペットは「回答」を表示するものであり、検索ユーザーはその回答が得られれば満足して検索タスクを終了する。つまり、フィーチャースニペットに表示してしまうと検索結果画面を見て満足して立ち去ってしまうため、結局 Google にコンテンツを”奪われて”自分のサイトには訪問してくれないのでないか、という懸念を持つ人もいる。実際、検索結果のいずれのリンクもクリックせずに立ち去るユーザー(query abandonment)は存在する。

こうした懸念に対して Eric Enge 氏は自社で調査したデータをもとにフィーチャースニペットに表示することで自社サイトへの検索流入も増えているというデータを提示した※。

※ このスライドのメモをなくしたため、具体的な数字がわからなくなってしまいました


ダイレクトアンサーは増加している

Enge 氏は 855,000検索結果ページのデータをもとに、2014年から2016年にかけてのダイレクトアンサーの表示割合率を示した。同氏のデータによると、2014年に約20%だった同アンサーは、2016年には20ポイント増の40%に達している。

フィーチャースニペットに表示されたサイトの分析結果も紹介した。フィーチャースニペット枠に表示されるためには自社のサイトの評価(いわゆる PageRank に相当するサイトの全体的な重要度評価指標)が高くなければいけないのでは-- と考えるウェブマスターは多いが、実際には評価がそれほど高くなくても同枠に表示されることが判明した。PageRank は表示されなくなったので、Moz が提供する MozRank(サイトのオーソリティーを数値化した独自指標、100(最高)- 0(最低)で表示する)を用いているが、57.3%のドメインオーソリティーは60 以下だった※。

※ 要は、ものすごく著名なサイトである必要はないと理解すればok


フィーチャースニペットの最適化ステップ

フィーチャースニペットは回答(事実、情報)を表示する枠なので、最適化するクエリは基本的に質問意図を含むものとなる。それを踏まえて Enge 氏は次のようなステップを紹介した。

  1. シンプルな質問を探す
  2. 明快な回答を用意する
  3. 付加価値をつける
  4. ユーザーがその回答を探しやすくする

つまりコンテンツの制作方法と、それの見せ方(デザイン)の話になる。
顧客あるいはオンラインでよく質問される事柄や悩みを特定し、それに対する明快な回答を掲載したページを用意する。同時に、その質問をする人が同時に提供されたらうれしい情報、あるいは密に関連する情報(=付加価値)をつける。それをユーザーが探しやすい=コンピューターが回答範囲を特定しやすいように記述する。

(同氏は講演のなかで、自社でトライした結果を報告しているが、割愛する)


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解説。本文で触れたように、フィーチャースニペットに表示する方法を研究している人は多く、それゆえに、ある程度、ロジックも判明されています。

Enge 氏も最後の Q&A で回答していましたがフィーチャースニペット欄に表示されるために自然検索1位である必要はありません。

Google は自然検索結果1ページ目に表示されるリンクのなかから、「回答として表示するのにふさわしい形式・内容」と判断したページをピックアップして表示しています(というのがおおよその共通見解)。自然検索結果の1ページ目に表示されることは必須ですが、1位でなくても情報の提示方法を工夫すれば同枠に表示されるチャンスは高いのです。

Google、Amazon、Apple などが力をいれている音声検索 (Voice Search)が広まってくると、検査結果画面を介さない検索が増えるとともに、ファーストアンサー(音声で回答される唯一の情報)の重要度が俄然高ります。そのファーストアンサーに該当するのがフィーチャースニペット欄の情報でもあるので、今後フィーチャースニペットの関心は高まるでしょう(スパムも増えるでしょうが)。

フィーチャースニペットの充実度は英語のほうが断然高いので、どんな種類/意図のクエリに対応できるか最新状況を知りたい場合は英語版で試すことをおすすめします(英語使えないと厳しいですが)。

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