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どんな広告が出るかは「顔」次第——博報堂がフェイスターゲットを開発

2017年03月23日 12時59分更新

文●小橋川誠己[WPJ編集部]

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デジタルサイネージにもAIを使う時代に!? 顔の特徴や感情に合わせて広告を出し分ける広告配信システム「Face Targeting AD(フェイスターゲティング・アド)」を博報堂と博報堂アイ・スタジオが開発しました。

Face Targeting ADはデジタルサイネージディスプレイを鏡に見立てて、鏡の前に立った人の顔に商品やサービスの広告を表示するシステム。カメラで捉えた映像から性別や年齢だけでなく、顔の特徴や表情も認識するのが特徴で、たとえばひげがある人にはひげ剃り、疲れた表情の人にはエナジードリンクの広告を出す、といったことができます。

SXSWにプロトタイプを出展したときの様子。さまざまなリアクションが寄せられたとのこと(写真提供=博報堂)

開発には日本マイクロソフトが協力し、同社が提供するCognitive ServicesのFace APIとEmotion APIが使われています。Cognitive Servicesの画像認識の誤認識率は3.5%(マイクロソフト)とのことで、精度の高い広告配信ができるそう。

また、同技術を使うことで広告の出し分けだけでなく「実際にサイネージの前で広告を見た消費者のリアクションの分析も技術的には可能」(博報堂 インタラクティブデザイン局クリエイティブ開発部 エグゼクティブクリエイティブディレクターの須田和博さん)とのことで、実現すればデジタルサイネージの効果検証も進みそうです。

マイクロソフトのCognitive Servicesは画像、音声、言語などの認知・認識処理をAPIで提供するサービス。類似サービスにIBMのWatsonサービスがあります。日本マイクロソフト 業務執行役員パートナービジネス推進統括本部の浅野 智 統括本部長は、「マイクロソフトは誰でも簡単に安価にAIの技術を使えること、AIの民主化を目指している。今回の事例はその利用例の1つ」と話しています。

※トップ画像はSXSWのブースでデモをする須田和博さん(写真提供=博報堂)

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